2008/07/05

落書きと千社札と手水場の小銭

「世界遺産への落書き問題」 で、イタリア側の反応がやけに寛容だなあと思っていたら、なんとそのドーム (イタリア語では 「ドォモ」 ってぇの?) は、落書きの名所なんだそうだ。

入り口で怪しげな現地人が、「ここに名前を書けば幸せになりますぜ」 なんて言って、やけに高い油性ペンを売りつけるらしい。

そして、そのドォモとやらの中に入ると、一面イタリア語や英語、日本語の落書きだらけというコーナーがあるらしい。道理で、イタリア側が日本の処分の重さに驚いているわけだ。イタリア人の文化財に関する感覚って、かなりユルユルみたいなのだ。

そこら中が歴史的建造物だらけだと、そんなふうになっちゃうのかしらん。私はイタリアには行ったことがないので、よくわからんけど、もしかしたら、イタリア人にとっての大聖堂での落書きは、日本人にとっての千社札みたいなものなのかもしれない。

でも、フィレンツェ同様世界遺産だらけの京都では、南禅寺の三門が千社札だらけになるなんて、あり得ないよなあ。それを思えば、いくらフィレンツェの落書きの名所だからといって、まともな常識のあるやつなら、そんなことしないだろうよ。

ちなみに例の高校野球部監督の解任処分だが、仮に解任ではなく 1ヶ月の謹慎程度で済んだとしても、「新婚旅行で浮かれて、かみさんとハート印の落書きなんかした軽いやつ」 というレッテルを貼られてしまっては、今後の示しがつかないだろう。

高校のスポーツ関係は、指導者次第で強くもなり弱くもなるというところがあるから、「実は軽いやつ」 という正体がバレてしまった監督の下では、甲子園出場はおぼつかない。処分が厳しすぎるかどうかは別としても、遅かれ早かれその高校を去ることになるだろう。

そんなことより、私が腹を立てているのは、神社仏閣の手水場 (ちゃんと 「ちょうずば」 と読んでね) の中に、小銭を放り込む馬鹿者が後を絶たないということだ。あの水は手を洗い、口をすすぐためにあるのだから、手垢にまみれた銭なんか沈めないでもらいたい。

トレヴィの泉じゃあるまいし、お金なら賽銭箱に入れろというのだ。フィレンツェの世界遺産で監督の地位を棒に振るやつがいるなら、日本の神社仏閣でこういう馬鹿なことをするやつも、きちんと処分すればいいだろうにと思うのである。ぷんぷん。

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2008/07/04

食品の産地とブランドについて

飛騨牛とか国産ウナギだの、産地偽装の発覚が題になっている。電車内の 「週刊文春」 の吊り広話告は、「信州そば、越前ガニ、芦ノ湖ワカサギ」 も疑えと煽っている。

「だったら、『讃岐うどん』 はどうなるんだ?」 と、私は言いたいのである。今、「讃岐うどん」 は日本中で作られてるじゃないか。

この問題に関しては、2年前に書いている (参照)。地域名と商品名を合わせた商標登録を積極的に認める 「地域団体商標制度」 というのがあって、この制度では、「松阪牛」 は保護されるが、「さぬきうどん」 は除外だという。あまりにも知名度が高くて一般名詞化されているので、伊勢エビやさつまいもと同じ扱いなんだそうだ。

私は 「そりゃ、ないだろう!」 と、疑問を呈しているのである。讃岐うどんは讃岐の国の業者の努力の成果でこんなにも知名度を上げたのだ。他の地域の業者が 「讃岐うどん」 を名乗るのは、そりゃ文字通り名前のただ乗りじゃないか。努力の成果が徒になってしまうようでは、困りものである。

まあ、商品名やブランドと、産地表示はまた別物なので、「青森県産の讃岐うどん」 といのも許されるというわけなのだが、私としては釈然としないのである。この釈然としない感覚を許す風土が、飛騨牛だの比内鶏だのの偽装を軽い気持ちでやっちゃうというメンタリティを生んでいるんじゃないかと思うのだ。

いずれにしても、食品に関しての表示は、私は昔からあまり信用していない。なにしろ、シシャモじゃないシシャモとか、魚沼産コシヒカリがちょっとブレンドされただけの魚沼産コシヒカリとか、わけのわからないものが多すぎる。

そして、ブランドだけでだまされて、「さすがにうまいね!」 なんて言って喜んで食うやつが多すぎる。団塊の世代以前の人間なんて、どうせ子供の頃にまともなものを食ってないんだから、いくらグルメを気取ってもまともな味覚をもっているのは珍しいのである。

さらに、若い連中はファーストフードとレトルト食品で育ってるんだから、ますます味覚がおかしくなっている。「やわらか~~い!」 なんていうだけで美味しいと感じる程度のものなのである。

だまされるやつばっかりだから、だますやつも出てくるのである。だが、本物の讃岐うどんはさすがに違うのだから、がんばってもらいたいのである。ヘンな結論だが。

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2008/07/03

コンパクト・デジカメで十分なんだけど

デジタル一眼レフが売れているんだそうだ。昨年は国内出荷台数が前年比 48.6%も伸びて、今年も昨年同期比で 31.2%増と、数字だけ見ると、なんだか絶好調である。

そういえば知人の S氏も最近 「僕もこの歳になったら、まともな趣味をもちたくて、一眼レフに挑戦したい」 なんて言っていたなあ。

もしかしたら、団塊の世代が定年にさしかかって、まともな趣味のひとつも持ちたくなり、そのニーズにぴたりと合ったのがデジカメ写真ということなんだろうか。定年になったら、それまでのように公費で接待ゴルフするわけにもいかないから、「趣味は、とりあえずゴルフ」 なんていう人生からは遠ざかってしまいそうだし。

そうなったら、これまでみたいなコンパクト・カメラで子どもや旅行先のスナップ写真ばかり撮るのじゃなく、落ち着いて 「背景のきれいにぼけた玄人っぽい写真」 というのを、自分でも写してみたくなるというのも、わかるような気がする。

なにしろ、近頃のデジタル一眼レフは値段が下がって、コンパクト・デジカメに 2~3万円プラスすれば、入門機とはいえ結構まともなのが買える。だったら、そろそろ手持ちのデジカメも買い換え時だし、思い切って、いや、そんなに思い切らなくても買えちゃう一眼レフにしちゃおうかと、まあ、そんなところなんじゃないかと思うのだ。

「そんなところなんじゃないか」 と、軽く言い切ってしまうのは、「一眼レフは売れても、肝心の交換レンズが売れない」 というデータがあるからである。実際、一眼レフの販売は伸びていても、交換レンズは前年割れが続いているのだそうだ。

日経ビジネス・オンラインの 「デジタル一眼、ブームの代償/カメラの販売は好調も交換レンズは前年割れ」 という記事に、次のような記述がある。

 メーカーが多少無理をしても価格を引き下げているのは、自社のシェアを高めておけば、いずれ交換レンズ販売という恩恵にあずかれるからだ。これはフィルム時代から続く一眼レフカメラのビジネスモデルだが、これまでのところ、思惑通りには進んでいない。

なるほど、インクジェット・プリンタを安く売って、インク・カートリッジで儲けようというのとあまり変わらない構図が、カメラ業界にもあるのだな。キャノンなんて、両方やってるし。

しかし、プリンタをあまり使わなければインク・カートリッジをそんなに買わなくても済むようなもので、せっかく買った一眼レフも、そんなに凝った使い方をしなければ、買ったときに付いていた標準レンズだけあれば十分ということになる。

私なんかは、完全にコンパクト・デジカメ派で、一眼レフを買おうという気には全然なれない。専門のフォトグラファーじゃあるまいし、一眼レフは、持ち歩くには大きすぎるのだ。

私はもう一つのサイト、「和歌ログ」 で、毎日和歌を一首詠んで、それにその日に写した写真を添えている。毎日の暮らしで、でかけた先々でちょっとした写真を撮るのだから、一眼レフを持ち歩くのは大袈裟すぎる。コンパクト・デジカメをひょいと取り出して、ぱちりと撮るというのが一番いい。

だから、デジカメを買い換えることになっても、滅多に使わない一眼レフじゃなく、毎日気軽に持ち歩けるコンパクト・デジカメを選択することになる。私としては、その方がデジカメという道具の機能をずっと生かせるからだ。

それに、近頃ではコンパクト・デジカメだってなかなか機能が進化していて、毎日撮りまくっていれば、たまにはこの程度の写真なら撮れることもあるのである。要は、数をたくさん撮って、手持ちのカメラと仲良くなることだ。

フィルムが要らないのだから、いくら撮っても金はかからないことだし、大事にしまっておくようなものじゃない。

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2008/07/02

居酒屋タクシー余談

昨日の 「居酒屋タクシー」 に関するエントリーに、中央官庁勤務経験のある風花さんから、現場視点の貴重なコメントをいただいた。

風花さんは一時期、中央官庁にいらして、深夜にタクシーでの帰宅を余儀なくされることもあったが、「居酒屋タクシー」 というものは知らなかったとおっしゃっている。

風花さんによると、タクシーチケットに表記されたタクシー会社に電話して車をまわしてもらい、それに乗るのが普通だったという。だから 「客待ちの列」 なんてものはなく、タクシー側も個人営業でなく 「タクシー会社所属」 のはずということである。

さらに、風花さんの記憶によれば、深夜帰宅のためにはタクシー会社所属のタクシーを使い、業務上でやむを得ず近距離の移動をするときに個人タクシーを使っていたいうことで、次のように書いておいでだ。

そんなわけで、会社タクシーは帰宅(長距離)、個人タクシーは会議場等(近距離)というイメージなのです。
タクシーチケットの管理・払い出しをしてる部署に帰宅用のチケットをもらいに行っても、原則として個人タクシーのは貰えませんでした。

かなり奇々怪々なお話である。もしかしたら、省庁によって運用が違うのかも知れないと思い、Google でそれらしい情報を検索してみると、「現役雑誌記者によるブログ日記!by オフイス・マツナガ」 に 「居酒屋タクシー  これが実態」 という興味深い記事がみつかった。

この記事によると、居酒屋タクシーを利用するのは、基本的にノンキャリア組なのだそうだ。彼らの官舎は埼玉だの三多摩のはずれだの、霞ヶ関から遠いところにある。いっぽう、キャリア組の官舎は、都心近くにあるので、タクシー側にとってもあまりうまみはない。

すこし前述の記事から引用させていただく。

 役所では基本的にタクシー券の使用は深夜終電がなくなったから使うことになっている。
 にもかかわらず個人的な都合で繁華街で飲み、帰宅には役所が出すタクシー券を使う猛者もいるそうだ。

(中略)

 酷いのはあの国交省だ。ノンキャリ・ダラカンのボスともなればタクシー券を数十枚、束で持っている。それを飲み会などで遅くなったとき「おい、お前はこれ」などと「タクシー券」をカッコよく子分の小役人へ渡しているのだそうだ。人の金なんだから平気。
 また、同僚の分として2~3枚要求しながら同僚に渡さずポケットにしまい込み、私的な飲み会などで使うやつもいる。

とまあ、かなり管理がユルユルみたいなのである。中でも国交省の管理はめちゃくちゃユルイみたいで、ちょっとしたインチキをすれば使い放題だったようだ。風花さんは悪事に手を染めることなく過ごされ、恭敬の至りである。

さらに面白い (と言っては語弊があるかも知れないが) のが、日刊ゲンダイの 「居酒屋タクシー処分で財務省ノンキャリア組の反乱が始まった」 という記事だ。キャリア組がほとんど無傷で、ノンキャリだけが槍玉にあがっているのに、どえらい反感があるのだそうだ。

役人にとっては、処分されたという事実は今後の出世に致命的な妨げになる。そして、役人というのは、三度の飯より出世がお好きな種族なので、これにはカンカンになって怒っているのだそうだ。「だったら、これからは定時に電車で帰る」 なんて言い出しているので、下手すると、来年度の予算編成に支障をきたすおそれもあるという。

逆ギレもいいところだが、無駄な残業をしないで 「定時に電車で帰る」 というのは、ぜひ実行してもらいたいものである。どうせ口だけなのかもしれないが。

まあ、とにかくお役人の世界というのはかなりの魑魅魍魎なのである。官僚上がりで選挙なんかに打って出るのは、定期的な人事異動の際に受け入れたがる部署がなくて浮き上がってしまった、生意気なやつが多いなんていうウワサもあるしね (誰とは言わないけど)。

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2008/07/01

「一ひねり」 なしで呆れてしまった

「居酒屋タクシー」 というもののニュースを聞いて、「そんなのがあるなら、私も乗り合わせたいものだ」 と思っていたら、どうやらそんな簡単なものでもないらしいのである。

夜中に 霞ヶ関から埼玉の果てぐらいまで乗るヘビーユーザーの類しか、その恩恵にはあずかれないようなのだ。

それを聞いて 「そりゃ、そうだろうな」 と納得した次第なのである。せいぜいワンメーターとか、乗っても 1,000円とか 2,000円程度の客に缶ビールを 1本サービスしていたら、儲けが出ないだろう。私は永久に居酒屋タクシーでビールをごちそうになれそうにない。

で、私は正直なところ、ヘビーユーザーがビールを 1本ごちそうになるぐらいは、そんなに目くじらを立てるほどの問題じゃなかろうと思っていたのである。そのくらいは、サービスとして認めてあげてもいいんじゃないかと。

ところが、問題は缶ビール 1本程度のことではすまないというのだ。出てくるわ出てくるわ、米だの現金だの、商品券だの、もらい放題だったというのである。こうしていろいろな便宜をはかってあげて、次からはケータイで直接呼び出してもらい、客待ちの列に並ばずに、こっそり乗っけることにしていたというのが、私がつい最近知った真相だ。(参照

何しろ、月末はなんだかんだと忙しかったので、情報不足の極致にあり、そんなことも知らずにいたのだ。「たまたま乗った客に現金だの商品券だのをあげて、どんな見返りがあるのだろう?」 と不思議に思っていたのである。

で、知ってしまって初めて、「それって、立派な、いや、決して立派とは言えないが、完全に 『収賄』 じゃん!」 と、今さらながら呆れてしまったのである。居酒屋タクシー側は 「贈賄」 ということになる。

前述の参照先の MSN 産経ニュースには 「公務員が特定の運転手と癒着することになり、行き過ぎると、汚職の温床にもなる」 なんて呑気に書いてあるが、誰が考えたって、これ自体既に 「行き過ぎ」 であり、既に 「汚職」 ではないか。

ああ、そうか、新聞記者やテレビ関係者諸君も、たまにこうした恩恵にはあずかっているので、あまりまともには書いたり言ったりできないのかもしれないね。下手すると、我が身に火の粉が降りかかる。

ヘビーユーザーにそれなりのサービスを提供するのは、そりゃ、お店のスタンプカードだってあることだし、そんなに悪いことじゃないと思うが、「役人が税金で乗ったタクシーで現金なんかもらうのは、やっぱりヤバイだろう」 と、とっても当たり前のことを今さらながら思っているのであった。

このブログは 「一ひねり」 きかせた書き方を身上としているつもりなのだが、この件に関しては、私としたことが、何のひねりもなしに、ただ素直に呆れてしまったのである。

気の毒なのは、まともな商売をしていたタクシー会社で、公務員が急にタクシー券を使いづらくなったために、水揚げが大幅に減ってしまっているだろう。まあ、これまでが野放図に使いすぎだったといえば、その通りなのだが。

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