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2004/07/27

「和」 「邦」 「日」 「国」 の使い分け

永六輔さんがお昼の番組でこだわっておられるテーマに、「和」 と 「邦」 がある。

「和菓子」 とはいうが、「邦菓子」 とはいわない。一方、映画では 「邦画」 といい、「和画」 とは言わない。使い分けの区別はどこにあるのだろうというのである。

辞書で見つかった言葉を、ちょっと分類してみた。(対になる言葉も並べて表示)

                                                                                                                           
「和」 
【「和 - 漢」 の流れ】  
 和歌/和詩 - 漢詩、 和語 - 漢語
【「和 - 漢(唐) - 洋」 の流れ】 
 和学 - 漢学/洋学、 和書 - 漢書/洋書、和風 - 唐風/洋風
【「和 - 洋」 の流れ】 
 和学 - 洋学、 和楽 - 洋楽、 和菓子 - 洋菓子、 和裁 - 洋裁、
      和算 - 洋算、 和紙 - 洋紙、 和式 - 洋式、 和室 - 洋室、
      和酒 - 洋酒、和食 - 洋食、 和船 - 洋船、 和装 - 洋装、
      和針 - 洋針、 和服 - 洋服
【その他】 
 和文 - 英文/仏文など、 和名 - 学名、 和訳 - 英訳/仏訳など
   

                                                                   
「邦」
【邦 - 洋 の対応関係があるもの】
 邦画 - 洋画、 邦楽 - 洋楽、 邦舞 - 洋舞
【「外国」 に対応するもの】
 邦貨 - 外貨、 邦人 - 外国人、 邦船 - 外国船
【言語関係】
 邦語 - 外国語/英語/仏語など、 邦字 - 外字/英字など、
      邦文 - 英文/仏文など、 邦訳 - 外国語訳/英訳など

どうも、「和菓子 - 洋菓子」 「和服 - 洋服」 など、「和 - 洋」 の関係から生まれた言葉が圧倒的に多いようだ。明治の文明開化以後、伝統的な日本式のものを表現する際に 「和~」 という言葉を使い、西洋式のものを 「洋~」 と言うようになったのだろう。

そうでないのは、「和歌、和詩」 「和語」 で 「和 - 漢」 の流れとして、発生はずっと古く、「和学」 「和書」 「和風」 は古くからあるが、「洋~」   にも対応した例である。

「和」 と 「邦」 の区別は微妙だ。しかし、どうも、「和~」 というと、あまりにも洋風化した日本人自身が。ある種の 「非日常的な懐かしさ」 を感じてしまうような感覚になっているものが多い気がする。「邦語」  はいわゆる日本語だが、「和語」 は日本語から漢語系などを除いた、古くからの大和言葉をいう。

「邦画」 「邦楽」 「邦舞」 は、「洋~」 に対応するところは 「和~」 と似た意味合いだが、少なくとも、この言葉ができた時代では、「懐かしい」 というよりは、「日常的」
  な文化だったのではなかろうか。

また、似た意味の言葉としては、 「和~」 と 「邦~」 では 「邦~」 の方がややヘビー、あるいはオフィシャルなニュアンスで使い分けられている。

「邦文」 の方が 「和文」 より公式文書的ニュアンスが強く、 「邦船」 は 「日本船籍の船」 だが、「和船」 は 「日本式の船」 である。また、「邦訳」  の方が 「和訳」 よりずっとヘビーで、かなりまとまった文学作品などの翻訳を意味する。

また、「邦貨」、「邦語」 などは、「外国」 という概念に対するものと言える。

「和」 と 「邦」 の系譜以外に、「日」 あるいは、もろに 「日本」 というのがあって、実はこれが案外多い。 「日本の」 あるいは 「日本式の」 という意味合いで、適当に広く使ってしまえるようだ。

                       
「日」 日貨 - 外貨、 日系 - ○○系、 日舞 - 洋舞
「日本」       

日本画 - 西洋画、 日本髪 - 洋髪、
        日本語 - 外国語、 日本史 - 西洋史など、
        日本酒 - 洋酒、 日本茶 - 紅茶・ウーロン茶など 、
        日本庭園 - 西洋庭園など、
        日本手拭 - タオル?、 日本刀 - 洋刀、
        日本舞踊 - 外国舞踊、 日本間 - 洋間、
        日本料理 - ○○料理 などなど。

   

ちなみに、「国 (こく)~」 という流れがある。「国語」 はほとんど学校の世界でしか使われないが、「国史」 「国学」 は、ちょっとナショナリズムっぽい感覚がある。

蛇足だが、「和式 - 洋式」 というと、ほとんどトイレの話にしかならないというのがおもしろい。

tak-shonai の本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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