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2004/07/29

お役所サイトの PDF 濫用

イインターネットで資料を探している時、PDF のページばかり検索されて、むかつくという経験をしたことがないだろうか。

普通の HTML 文書ならストレスなく閲覧できるのだが、PDF だと、表示させるだけでも面倒だ。それに、内容がお役所仕事的で読みにくいものが多い。

PDF というのは、例の Acrobat Reader などで読む形式のファイルをいうのだが、元の資料通りの表示が、パソコンの画面で確認でき、しかもそのまま形を崩すことなくプリントアウトもできるので、使い方さえ誤らなければ、便利と言えばとても便利である。

しかし、最近の政府関連を初めとするお役所のサイトでは、この PDF を濫用しているのではないかという気がする。PDF にする必要のない文書、あるいは、PDF ではかえってユーザビリティが低下する文書まで、単なる機械的なプロセスとして、安易に PDF にしてぶちこんでしまっている場合が多いような気がする。

典型的なのは、例の 「人名漢字拡大」 のケースである。「見直し (拡大) 案」 の 「追加される漢字 (578字)」 というのは、PDF で表示される。

以前にも指摘した憶えがあるが、こんなのは、わざわざ PDF で表示するよりは、HTML のベタ打ちにしてくれた方が、ずっと見やすい。

しかも、少なくともこの 「追加される漢字 (578字)」 に限って言えば、HTML のベタ打ち以上に見にくい、ガキの使い的なもので、さらに、作り方がいい加減なためか、「テキスト選択ツール」 で全ての文字をコピペしようとしても、できない字がかなり多く発生してしまう。

画面に表示させた字のうち、ちょっと並びが上下にずれている文字が、ことごとく 「テキストコピー」 で拾えないのだ。(ただし、これは私の閲覧環境での特殊現象かもしれないので、そうでないケースがあったら、下の 「コメント」 欄でお知らせ頂ければ幸いだ)

もし HTML のベタ打ちでは、「文字化け」 の畏れがあるので、PDF でなければならないというのなら、そもそも、そんなことで文字化けするような漢字なら、後になって問題が起きることが確実だから、拡大案になんか加えなければいいのである。

PDF の多用は、気持ちとしてはわからないこともない。お役所の担当者が 「紙の文書」 を想定して作成した資料を、HTML に変換するのは、ちょっと手間がかかる。それなら、オリジナル文書作成者から渡されたファイルを、そのまま PDF に変換してしまう方が手間はずっと省ける。

それに、インターネットの担当者としても、余計な加工を加えて後で妙な責任を追及されるよりは、何も考えずに自動的に PDF にしてしまう方が、気が楽だ。

かくして、お役所の広報は PDF のオンパレードとなる。しかし、ほとんどの場合、報道発表資料や報告書みたいな、固い内容そのままなので、わかりにくいことおびただしい。一般人に向けた 「まともな広報」 ではなく、「最近、プレスや関係者向けにこういう資料を出したから、お前らも興味があるんなら、読むだけは読んでみてもいいぞ」 ってなもんである。

しかし、本来は 「プロ」 である プレスや関係者向けの資料なのだから、そのままの形で放り出すことには問題がある。しかも、お役所の文書なんて 「プロ」 にもわかりづらいことで定評があるので、一般人にはわからなくて当たり前である。

かいつまんだサマリーとしての前文や、噛みくだいたフォローみたいな説明があればまだマシだが、お役所仕事にそんなことを期待しても、ほとんど無駄だ。

彼らのほとんどは、「噛みくだいた説明」 をするための編集能力なんて、致命的に持ち合わせていないし、奇跡的に持ち合わせていたとしても、滅多に使いたがらない。「噛みくだききれなかった部分」 をどうしてくれるなんていう責任追及をされるぐらいなら、下手に噛みくだかない方が安全だし。

PDF というのは、本来とても便利なツールなのだが、お役所仕事にかかると、通り一遍のアリバイ作りみたいな仕事の道具になってしまいやすい。本来の便利さが、作成者側ばかりに利用されて、ユーザーにはしわ寄せがくるばかりである。

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コメント

もうひとつ、PDFは標準規格でもなんでもなく、adobeという私企業が提唱しているいちフォーマットに過ぎません。官公庁がそれに頼るということに不安と不満があります。もしadobeがフォーマットを変えたら? Acrobat Readerの無償配布をやめたら? そういうことを何も考えていないのではないかと思うのです。

投稿: Reiko Kato | 2004/07/29 10:23

Reiko Kato さん

スルドイ指摘。
Acorbat の良識と幸運を信じるしかないんですね。

投稿: tak | 2004/07/29 11:16

こんな記事もありましたよ
柔らかいデジタル 第14回 ?ごめん被りたい、ザッピングできないウェブページhttp://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/rep01/313783

Adobe Readerが無償なのは、Adobe Acrobatを売らんが為だと思われますので、無償配布が止まる時は"現行の"PDFそのものが終息する時ではないでしょうか。

投稿: まぎ | 2004/07/30 00:37

まきさん、コメント感謝。

私の言いたかったことを言ってくれてるページですね。

Acrobat に関しては、便利なことは、そりゃあ泣けるほど便利なんです。突っ込んだ使い方をすれば、簡易 EDI だってできるし。だから、この規格がなくなったら、困ります。

それだけに、必然性のある使い方をしたいと思ってます。

投稿: tak | 2004/07/30 08:34

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» ■行政はPDFの多用をやめろ [ARC 平野裕二のサイト]
「どうしてもファイルを載せたいならPDFで」と下に書きましたが、本来インターネッ [続きを読む]

受信: 2004/08/26 20:53

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