「モノ好き」 感覚
IT ユーザビリティ関連の "U-site" というサイトに、「検索エンジンが回答エンジンになるとき」 という興味深い記事がある。
インターネットのユーザーの多くは、ウェブサイトを 「訪問」 するのではなく、調べものの 「答え」 を見つけるために、ほんのちょっと覗いてみるだけだというのだ。
この記事は、ユーザーは 「よいサイトを探すために検索エンジンを使わなくなってきている」 と主張している。「探求して利用するようなサイトを探すのではなく」、その時々で 「特定の答えを探すだけ」 なのだという。
検索エンジンは、「そのページがどのサイトのものであるかを気にせず」 に、特定の疑問に対する回答を探すためだけに使われるという傾向が強まり、その結果、「回答エンジン」 になっているというのである。
そういえば、たしかに実感がある。例えば私のサイトでいえば、"「おざなり」 と 「なおざり」" というページは、多い日には 1日に 100件以上のアクセスを稼ぎ出す。個人サイトのコンテンツとしては、ちょっとしたドル箱ページである。
これは、Google で検索すると、キーワードが 「あざなり」 でも 「なおざり」 でも、 「おざなり なおざり」 の 2語でも、あるいはその順序を逆にした場合でも、かなり以前から本日に至るまで、私のページがトップにランクされるというのが大きな要因になっていると思う。
「"おざなり" と "なおざり" って、どう違うんだ?」 という疑問の生じたユーザーが Google で検索すると、必ずと言っていいほど私のページに来るわけだ。
さて、問題はここからである。当サイトのアクセス分析の結果をみると、1日に少なくとも 30人以上はアクセスする "「おざなり」 と 「なおざり」" のページから、トップページに飛んでくるのは、1日に 1~2人に過ぎないのである。私のサイトでは、どのページからもクリック一発でトップページに飛べるのだが、そのボタンをクリックしてくれる人はとても少ない。
「ほほう、tak-shonai とは、面白いことを書くヤツだな。どれ、ちょっとトップページに行って、どんなヤツかみてみようか」 なんて思ってくれる 「モノ好き」 は、極端な少数派なのだ。
現在、100人近くに及ぶと推定される当サイトの常連諸氏のほとんどは、その極端な少数派の中の、さらに少数派のありがたくも貴重な 「モノ好き」 なのである。
私は世界を作るのは 「モノ好き」 な精神だと思っている。人間から 「モノ好き」 感覚が消えて、欲得ずくでしかものを考えないようになったら、世界はどんなに味気ないものになるだろう。
「知の海」 は 「モノ好き」 感覚だけで成り立っているようなサイトである。この感覚をいつまでも大切にしたいと思うのである。
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コメント
2回目の訪問。もの好きです!笑
blogpetの、こうさぎが
”ここ関係ある?”と言ったので、それをクリックしたら
このページに来たのです。^^
こんな偶然に、そんなのは、いつもは素通りですが、
とても、興味深いページでしたので・・・
また、読みに(遊びに)通いたいと思います。
投稿: Moebon | 2004/08/23 03:21
Moebon さん、
> blogpetの、こうさぎが
> ”ここ関係ある?”と言ったので、
へえ、こうさぎくんは、そんなこと言うんですか?
そのこうさぎくんも、なかなか侮れない「モノ好き」ですね。^^;)
投稿: tak | 2004/08/24 21:48