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2004/08/24

エレベーターの 「閉じる」 ボタンを押す習慣

某展示会場に 3日間詰めることになり、そのビルの 1階から 13階まで昇ったり降りたりするうち、前から薄々気になっていたことが今度こそ明確に意識された。

エレベーターに乗ると、後ろを確かめもせずに、ほとんど条件反射的に 「閉じる」 ボタンを押す人が、とても多いのだ。

これはとても危ない。先に乗った人が当然のような顔をしてすぐにドアを閉じるため、続いて乗り込もうとしている人が、ドアにはさまれてしまうことがある。

乏しい海外経験に照らし合わせてのことだが、欧米ではこうしたことはあまり起こらない。それは、欧米のエレベーターのドアの開いている時間が概して短いことと関係があると思う。

つまり、放っておくとドアがすぐに閉まるため、先に乗り込んだ人は、後から乗ってくる人のために 「開ける」 ボタンを押し続けてあげるのが習慣になっている。それをしないと、とても 「気の利かない人」 ということになって、顰蹙 (ひんしゅく) を買ってしまう。

これは日本とはまったく逆である。日本ではエレベーターボタンの近くにいる人がぼんやりして、いつまでも 「閉じる」 ボタンを押さないでいると、顰蹙を買う。それほど、日本のエレベーターのドアは、いつまで経っても閉まらない。

最近は日本でも、空いている時間が短くて、わざわざ 「閉じる」 ボタンを押さなくてもドアが自動的に閉まるエレベーターが増えてきたが、ちょっと古いタイプは、概して 「閉じる」 ボタンを押さないと、いつまでも閉まらずにイライラする。

だから日本人には、エレベーターに乗るとすぐに 「閉じる」 ボタンを押してしまう人が多いのだ。それがあまりにも無意識的な習慣になっているので、後から乗り込んでくる人のことも考えずに押してしまうケースが多くなる。

日本のエレベーターのドアが開いている時間が長いのは、多分、すぐに閉まったら危ないからという配慮によるものではないかと思う。しかしそのために、乗るとすぐに 「閉じる」 ボタンを押すという習慣を形成してしまって、結果的には、かえって危ないことになっているのだ。

さらに、日本では 「閉じる」 ボタンを押さない限り、かなり長時間ドアが開いているので、「開ける」 ボタンを押してあげるという習慣が希薄になっている。だから、延々と乗客が乗り込んでくるのに、ボタンの近くにいる人が 「開ける」 ボタンを押すことを怠るために、最後の方の人がドアにはさまれるというケースも多い。

つまり、ドアの開いている時間が長すぎるというのは、二重の意味で、かえって危ないのだ。

欧米のエレベーターのドアが開いている時間が短いのは、ちょっと考えると危なそうだが、逆に、先に乗った人が 「開ける」 ボタンを押し続けるという習慣を形成し、かえって 「思いやり」 というものが助長され、結果として安全ということになっている。

余計な配慮がかえって逆効果ということが、この世にはいくらでもある。


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