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2004/10/01

ねこばる

連日の庄内弁ネタで恐縮。本日は 「ねこばる」 という動詞についての考察である。

ググってみたところ、「ねこばる」 は出雲、庄内、秋田で使われ、「力む」 とか 「強情を張る」 とかいう意味で用いられている。想像だが、北陸や津軽あたりでも使われているのではなかろうか。

この 「ねこばる」 のバリエーション 「ねっこばる」 について、我が故郷、庄内の鶴岡で運営されている 「つるおかコミュニティ ウェブラジオ の」 の 「庄内弁の時間」 の"004"で触れられている。

放送に登場される鶴岡市芸術文化協会会長で「劇団 麦の会」代表の山崎誠助さんは、 「ねっこばる」 の語源を、「根っこを張る」 だとし、「植物が地面に根を張るほど底深く力を入れてがんばる」 ことではないかと説明しておられる。

うぅむ、城下町、鶴岡の芸術文化協会らしい上品な解釈である。

私はこれまで、同じ庄内地方でも商業都市の酒田出身者らしく、まったく別の下世話な解釈をしていた。というのは、「ねこばる」 が最も一般的に使われるのは、尾籠な話で恐縮だが、うんこをするときに 「ふんばる」 という用例なのである。

古語では、うんこをすることを 「まる」 という。「おまる」 の語源は 「まり箱」 というぐらいのものである。出雲国風土記には、大国主命と少名彦名命が、どちらがうんこを我慢したまま遠くまで行けるかという賭をして、大国主命が、途中で我慢できなくなり、 「あは行きあへず」 とおっしゃって、「糞まり給ひき」 という件がある。要するに、賭に負けたわけだ。

今でも、うんこをすることを方言で 「まる」 という地域はいくらでもある。私は  「ばる」 は 「まる」 の訛りだと思っていた。「ねこ」 「ねっこ」 は、とりもなおさず 「うんこ」 のことである。だから 「ねこばる」 は、そのものズバリ 「糞 (ねこ) ばる」、つまりうんこをするために力むことだとばかり思っていた。

「強情を張る」 だの 「力む」 だのは、皆その身体感覚から転じた意味だと思っていたのである。 これが正しいかどうかはわからないが、「根を張る」 説は、ちょっときれいすぎるような気はするのである。少なくとも私はトイレに根っこなんて張りたくないし。

なお、「ふんばる」 は いくらなんでも 「踏み張る」 の変化だと思うのだが、もしかして 「糞ばる」 だったりしたら、どうしよう?

いや、大丈夫、大丈夫、「ふんぎりを付ける」 だって、語源は 「踏み切り」 のはずだから。

 

tak-shonai の本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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