土佐の高知のはりまや橋で
出張で一年ぶりに高知に来ている。一泊で、今日の昼前には帰りの飛行機に乗るというあわただしさだ。高知といえば、「はりまや橋」 である。これは 「日本三大がっかり名所」 の筆頭と言われている。二番目は札幌時計台とする説が有力で、残る一つは諸説ある。
巷間挙げられるのが、沖縄の守礼の門、名古屋テレビ塔、京都タワー、日光東照宮の眠り猫というあたりである。私は守礼の門以外は踏破したが、なるほど、見事ながっかり度である。
とはいえ、札幌時計台は周囲がビルだらけになったために、その比較上がっかりさせられるのだが、なんとなく雰囲気はあるので、あまりに 「がっかり」 を強調するのは、私としては気の毒なような気もしている。
日光東照宮の眠り猫は、そのがっかり度でいえば圧倒的なものがある。しかしそれを取り囲む東照宮自体が、ケバイといえばケバイが、その歌舞伎趣味は、私としてはどっちかといえば好きなので、招き猫まで許してしまう。桂離宮の 「侘びさび」 だけを誉めていればいいというものではないのだ。
残る名古屋テレビ塔、京都タワーは、まぁ確かに 「がっかり」 だが、その拍子抜け要素に注目すれば、この二つは 「はりまや橋」 の足元にも及ばない。
はりまや橋というのは、まず、一見すると橋でもなんでもないのである。昔はここに堀川が流れ、橋があったらしいが、今は繁華街の交差点になっている。昔懐かしいチンチン電車が走っているあたりは風情があるが、それだけのことだ。
しかし、問題はそれからで、その交差点を少しはずれたところに、とってつけたような橋があるのだ。あまりにも 「がっかり」 と言われたためか、平成 5年に 「はりまや橋公園」 として整備され、江戸時代のはりまや橋はこんなだったろうかというイメージをもとに、小さな橋を作ってしまったのである。近くには、「坊さんかんざしの像」 まである。
これにより、"「がっかり」 を取り繕おうとして、ますます 「がっかり度」 が増した" などと言う人もいるくらいなのだが、私としては、ここまでくれば話題としてはおもしろいということで、賞賛したい気持ちにまでなるのである。
それでなくても、高知はとても好きな土地で、今回宿泊したホテルは、「黒潮温泉龍馬の湯」 という天然温泉まで付いているので、大変満足した次第である。
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