« 対中外交カードとしての大使館外壁 | トップページ | Adobe の Macromedia 買収で »

2005/04/22

健康は幸福の後についてくる

Hot Wired Japan に、"「幸福は最良の薬」 を裏付ける研究成果" という記事が出ている。

ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ (UCL) 疫学・公衆衛生学部の研究によると、「幸福感」 は、重要な生物学的作用の機能を高める働きをもつそうだ。

ここで、面白いレトリックが紹介されている。それは 「人は健康だから幸せだというだけではなく、幸せだから健康なのだ」 ということである。つまり、「健康は幸福を得るための条件」 というよりも、「幸福であると感じれば、健康は後からついてくる」 ということのようなのだ。

健康であるということは、生物としての人間の望ましいありようである。その望ましいありようが、「幸福感」 という心のもちようで促進されるとしたら、その 「幸福感」 も、心理的という以前に、「生物的に」 望ましいことであると、三段論法的に結論づけられる。

「幸福感」 の鍵は、「精神世界に触れることや宗教の実践によってアルツハイマー病の進行が緩和される可能性があるとする研究結果」 に見出されるだろう。「高いレベルの精神世界や信仰を持つ患者は、認知機能低下の進行が著しく遅くなることがわかった」 と報告されている。

つまり、望ましい心の持ち方というのは、物質的な満足よりも精神的な充足にあるとみられるのである。

「精神的な充足」 が何から得られるかといえば、ポジティブな心情である。不満、憎悪、怨念、嫉妬などというネガティブな心情に対し、感謝、和解、慈愛、調和といった心情は、幸福感の源泉であり、しかもそれは、功利的な処世術というよりも、よりプリミティブな生物学的レベルでも、「望ましい状態」 に合致しているらしい。

どうも、我々の DNA は、もともとそのように設計されているらしいのだ。

これは精神世界の意義の実証的レポートとみることもできる。つまり、あまたの良き宗教の説くところに信頼を置くことは、決して迷信ではないとわかる。チベット仏教のダライラマ 14世 (現ダライラマ) は、この辺りの科学的アプローチに関するフロンティアの役割も果たしている。

多くの宗教の根本的態度である感謝し合い、尊重し合うことは、精神世界においても、はたまた生物学の世界においても、自然で望ましいことのようなのだ。

そして、人間の生物的ありようだけでなく、国家の社会的ありようにも、それは言えるだろう。他国への憎悪を増幅することで得られるドメスティックな安定は、決して健康なことではない。

中国の国家システムに対して異を唱えても、彼国の人民を憎悪してはならないことを、片時も忘れないようにしよう。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

|

« 対中外交カードとしての大使館外壁 | トップページ | Adobe の Macromedia 買収で »

哲学・精神世界」カテゴリの記事

心と体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/42004/3801198

この記事へのトラックバック一覧です: 健康は幸福の後についてくる:

« 対中外交カードとしての大使館外壁 | トップページ | Adobe の Macromedia 買収で »