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2005/05/10

オジサンたちの 「職場の飲み会偏愛傾向」

オジサンたちは、どうしてこんなに 「職場の飲み会」 が好きなんだろう。

JR 西日本の社員が 「自粛要請」 に逆らって事故の翌日に予約し、3日後に実施した 「懇親会」。予約表の「JR」 の文字を消すように頼んでまで、どうしても飲み食いがしたかったらしい。(参照

誤解しないでもらいたい。私はここに至ってまでしつこく JR 西日本叩きの風潮に便乗しようとしているわけではない。ただ、オジサンたちの 「職場の飲み会偏愛傾向」 の極端な例として挙げているのである。

まあ、私だって立派な 「オジサン」 であることに間違いないのだが、それでも、 「フツーのオジサン」 に対しては、時々言い難い違和感を抱いてしまう。そして、その違和感要因のトップスリーに間違いなく入るのが、この 「職場の飲み会偏愛傾向」 なのだ。

こう言っては何だが、私は勤め人をしていた頃から、タダでさえ職場でしょっちゅう顔をつきあわせている連中と、仕事が終わってまで飲みに付き合うなんてことは、できるだけ避けたいと思っていた。

年に数回の忘年会、慰労会、打ち上げ会なんていうのなら、そりゃあ、喜んで付き合う。しかし、ちょっと遅くまで残業した程度のことで、上司に 「それじゃ、一杯、行くか」 なんて誘われると、ガックリきたものである。せっかく 「やっとこれから自分の時間」 と思っているのに。

そりゃあ私だって、興味の尽きない談論風発の酒なら、大歓迎だ。しかし、直属の上司の、いつもの聞き飽きた 「中間管理職としての愚痴」 と、他人の悪口と、的はずれな処世訓と、下手なゴルフの話ばかり聞かされるのは、まっぴら御免なのである。

いくらおごりだろうと、会議費の名目で落として会社の金を使おうと、嫌なものはイヤなのだ。それならば、他の気の合う仲間と自腹を切って飲む方が、ずっといい。そもそも、会社の金で飲む酒はまずい。

しかし、世の中には、「自腹を切らずに飲み食いできるなら、どこにでも付きあう」 という人が結構多いのである。その酒の席での話題が、仕事の愚痴と、プロ野球の順位と、下ネタだけに終始しようと、飲み食いさえできれば幸せなようなのだ。

私はこの不思議な傾向について、どう解釈すればいいのかわからなかった。しかし、ある時ふと理解できたのである。

あの人たちは、職場の人間同士で、ややアブナイ経費の落とし方をして飲み食いすることで、ある種の 「共犯関係」 を結びたがっているのだ。そうすることで、社内の人間関係で孤立することを、無意識のうちに防いでいるようなのである。

要するに 「共犯関係を結ぶため」 の酒だから、上品な飲み方では意味がない。ある程度デレデレした下品さがなければならないのだ。酒の上の話題も、なるべく当たり障りのない下らないもので、多少は下ネタがかったものも交えなければならない。「ポスト構造主義」 なんてハイブローな話題で浮き上がるのは、絶対禁物だ。

私はそうした 「共犯関係」 に入り込むのを、いつものらりくらりと避けてきた。職場で孤立しようと、業界内外で仲間がいくらでもいるから、不安はまったくなかった。むしろ、職場の中のべったりした人間関係に埋もれる方がイヤだった。

その結果として 「会社人間」 をドロップアウトし、今や 「一匹狼」 で生きることになった。それはとても自然な成り行きだったようなのだ。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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