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2005/05/22

英国人の紅茶離れ

英国人があまり紅茶を飲まなくなっているそうだ。コーヒー、炭酸飲料、ハーブ茶、フルーツ茶などに押されているらしい。

調査によると、80%近くの英国人が紅茶を飲んでおり、65歳以上では 85%前後になるが、15−24歳では 72%に落ちる。若年層の紅茶離れが目立つ。(参照

ふーん、私は英国人は全員紅茶を飲むものと思っていたけれど、そうでもないのだな。意外な結果である。

昔見た 「ジャイアンツ」 という映画で、ニューイングランドから南部の大牧場にお嫁入りしたエリザベス・テーラーに思いを寄せるジェームス・ディーンが、ある日、ようやく自分の小屋で彼女に紅茶をご馳走するチャンスに恵まれる。

久しぶりに紅茶を口にしたお嬢様育ちのエリザベス・テーラーは、「どうしてヤンキーは皆、コーヒーばかりがぶ飲みするのかしらね」 なんて、無邪気なことを言う。しかし、その紅茶は、ジェームス・ディーンがこの日のために用意しておいた特別の紅茶だった。彼だって、普段は 「コーヒーがぶ飲み派」 だったのである。

こんな風に、紅茶は上品でコーヒーは庶民派みたいな感覚があるが、もとはと言えば、それは英国の負け惜しみだったという説がある。

本当は英国人もコーヒーが飲みたかったのだが、18世紀のコーヒー利権争いでオランダに敗北し、仕方がないので、インドから大量に入ってくる紅茶で我慢するようになったというのである。

17世紀にはロンドンでもコーヒーハウスが非常にポピュラーだった。ところが、ジャワでコーヒー栽培に成功したオランダが、18世紀前半から、ヨーロッパのコーヒー貿易を独占するようになったため、競争に敗れたイギリスは、紅茶に乗り換えた。これ以後、英国内ではコーヒー価格が暴騰し、その代わり、コーヒーハウスでも安い紅茶が出回るようになったという事情がある。

コーヒー派の私なぞは、「さもありなん、そりゃ、コーヒーの方が美味しいもの」 と思ってしまうのだが、英国人の紅茶離れと聞くと、なんだか複雑な思いがある。英国人が紅茶を飲まないと、イメージが狂ってしまうのである。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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