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2005/09/05

郵政民営化は、絶妙のテーマ

読売新聞の世論調査で、今回の衆院選に 「大いに関心がある」 と答えた人は 61%に達し、投票に 「必ず行く」 が 75%を占めた。

これにより、今回の総選挙は、有権者のこれまでにない高い関心を集めているとされ、投票率もこれまでより高いものになると見られているが、私はまだ 「眉唾」 である。

というのは、昨年夏の参議院選挙の際の読売新聞世論調査でも、投票に 「必ず行く」 と答えた人が 73%だった。今回の数字とは、たった 2%しか違わない。で、実際の結果は 56.55%でしかなかった。

その 3年前の参議院選挙はもっとひどい。「必ず行く」 が 77%だったのに、実際の投票率は 56.44%だった。「ウソばっか!」 である。ついカッコつけて 「必ず行きます」 などと、心にもないことを言ってしまう人が多いようだ。

このアンケートは、無作為抽出で電話をかけて実施される。この 「電話アンケート」 というやり方が少々問題だと、私はみている。要するに、結果はあまり信用できないということだ。

読売新聞という 「一応の権威」 ある全国紙がわざわざ電話を掛けてきて、もっともらしい質問を浴びせかけてくると、回答者にはちょっとしたプレッシャーが働くみたいなのだ。

それで、「投票には行きますか?」 と聞かれ、「必ず行く」 「なるべく行く」 「わからない」 「行かない」 みたいな選択肢を示されると、つい、「必ず行く」 なんていい子ぶったことを言ってしまう。本当は 「わからない」 とか 「よほど暇だったら」 とかのくせに。

とはいえ、やはり今回の総選挙は、多少は投票率が上がるかもしれない。「郵政民営化」 というテーマは、それなりの役割を果たすことになる。

私は先月 9日の当コラムで、「大きな化学反応をもたらすための、可能な限り無害な触媒という役割を、郵政民営化問題というのは、歴史の中で果たしている」 と書いた。この見方は間違っていないと思う。

もしこれが 「消費税引き上げ」 とか 「年金支給削減」 みたいなテーマだったら、大きな動きを促進させるトリガーにはなるはずがない。「郵政民営化」 みたいな、国民の大多数にはあまり実害のないテーマだからこそ、構造改革の有効な 「触媒」 の役割を果たせるのだ。

その意味では、今回の選挙の焦点が 「郵政民営化」 になったのは、まさに 「絶妙」 の配剤と言える。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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