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2006/03/02

「道州制」 と 「連邦制」

私は一昨年 12月の当欄で 「日本は、自由主義を標榜する先進国で、人口が 1億人をはるかに越えていながら、地方分権が進んでいないという点では、世界でたった一つのケース」 と指摘した。(参照

他の国は、地方分権どころか、多くは 「連邦制」 というシステムを採用している。

世界の国で人口の多いベスト・テンは、中国、インド、アメリカ合衆国、インドネシア、ブラジル、ロシア連峰、パキスタン、バングラデシュ、日本、ナイジェリアの順だ。

人口世界一の中国は共産主義国家だし、残る 9カ国中で連邦制をとっていないのは、インドネシアと日本の 2国だけである。さらに、人口が世界 11位、12位のメキシコ、ドイツも連邦国家である。

というわけで、人口が 1億人クラスの自由主義を標榜する先進国の中では、日本は唯一の中央集権国家なのである。道理で、何をするにしてもいろいろな各論ばかり噴出して堂々めぐりに陥り、小回りが効かないわけだ。

だから、最近 「道州制」 が俄に脚光を浴びているのは当然の話なのである。ただ、現体制が道州制に移行するには、かなりの障害があり、時間がかかるだろう。何しろ、「道州制への移行」 の決定権を握るのは、かくも効率の悪い 「中央集権国家」 なのだから。

世界には 「連邦制」 の国家が案外多い。連邦国家においては、かなり強力な自治権をもつ 「国」 という単位があり、いくつかの 「国」 が集まって 「国家」 を形成する。明治以来、100年以上も中央集権でやってきた日本では、そのあたりのコンセプトが、なかなか理解しにくい。

何しろ、"state" と "nation" という言葉に明確に対応する日本語が整備されていない。日本は明治維新とともに近代国家としてスタートしてからこの方、ずっと中央集権だったから、"nation" には 「国家」 というオフィシャルな訳語が定着したが、"state" に相応する的確な訳語が不必要だった。

なるほど、「ことばのチカラ」 である。適当な 「ことば」 がないと、まともに考えることすらできないのである。

そんなわけで、日本は、せいぜい、フランス同様に 「道州制」 ということになるのだろう。しかし、「連邦制」 でも 「道州制」 でも、運用次第で違いは紙一重だ。日本だって、天皇を 「元首」 と明確に規定してしまえば、あとは案外呆気なく連邦制だってとれるかもしれないぞ。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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