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2006/04/21

ユーザーにとっての 「便利」 とは?

米国の百貨店、サクス・フィフス・アヴェニュー (SFA) の上得意になると、コンシェルジュが、その客の手持ちのワードローブと組み合わせできる服を上手に選んで勧めてくれる。

アマゾンでも、買い物をした商品に関連した 「いかにも」 という品物が見繕われて、「こんなのもいかが?」 と、購入を勧められる。

検索エンジンもまた、同様の志向性を示しているようだ。

20日から始まった 「Search Engine Strategies 2006」 で、ヤフーの井上俊一検索事業部長が、同社の今後提供する検索サービスのイメージ、「ソーシャルサーチ」 の概念について講演したという。(参照

ヤフーは 「ユーザーの持つ知識や知恵が集まるコミュニティの集合体である 『ソーシャルメディア』 を目指しており、その知識を整理して他の人にも提供するサービスこそが 『ソーシャルサーチ』 だ」 と解説した。

例えば、こうした一環で提供される 「マイランク」 というのは、個々のユーザーの志向性に即したランキングで、検索結果が表示される仕組みであるらしい。同じキーワードで検索しても、そのユーザーに合った結果が表示されるというわけだ。

SFA のコンシェルジュも、アマゾンの 「オススメ商品」 も、「マイランク」 も、ユーザーにしてみればとても便利なシステムには違いない。しかし、よく考えると、ちょっと背筋の寒くなるところもある。

SFA の顧客は、ワードローブの中身まで、百貨店に知られているのである。アマゾンの顧客は、買い物をすればするほど、どんな分野に興味を抱いているかを、特定される。そして、ヤフーのユーザーも、興味の対象という情報をがっちり握られてしまう。

これらは、ちょっとした個人情報である。商業主義的に利用したら、ものすごい利用価値がある。「ユーザーにとっての便利」 さと称されるものは、ベンダーにとってみれば、その何倍も都合のいい情報なのだ。

私は百貨店にたんすの中身まで知られたくはない。一企業に、どんな商品に興味を持っているかなんて知られたくない。「余計なお世話」 はまっぴらだ。

インターネット検索をする度に、システム側に個人情報が蓄積されるような検索エンジンを、一体誰が好んで使うものだろうか。

私はあるサービスを利用するときは、いつでも 「ニュートラルな個人」 でありたい。「いつものヤツ」 で通じるのは、行きつけのメシ屋と飲み屋ぐらいで十分だ。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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