東我孫子と天王台
私は都内から帰宅する時には、常磐線快速電車で終点の取手まで行くのだが、これにはちょっとだけ注意が必要だ。
1時間に 1本ぐらい、途中の我孫子から成田線に入り、成田まで行ってしまう電車がある。それに乗ったまま居眠りなんかしたら、とんでもないところまで連れて行かれてしまう。
常磐快速の始発、上野駅から、終点の取手駅までは、約 40分かかるので、途中で大抵眠くなってしまう。眠くなっても、「取手行き」 に乗っていさえすれば、大抵は終点で眼が覚めるのだが、「成田行き」 というのに乗ってしまうと、大変なことになる。
取手の 2つ手前の我孫子駅の分岐で、成田線に入り、成田方面に延々と向かってしまうのだ。
問題は、この成田行きに乗ってしまって、我孫子駅を出てしまったら、どこで下車するかである。一度だけ、終点の成田まで眠りこけたことがあるが、その場合は、終電車でもない限り、大抵はそのまま乗っていればまた戻ってくるので問題ない。時間はかかるけれど。
しかし、途中で気付いてしまったら、それはそれで問題なのである。たまたま我孫子から出て 1つ目の、東我孫子という駅で気付いて、脊髄反射的に飛び降りたことが何度かあるのだが、実は、それは悲劇の幕開けとなる。
この東我孫子という駅は無人駅で、まともな駅舎もない。冬は木枯らし吹きすさび、夏は蚊の大群に襲われる。反対方向の電車が来るまで、30分以上をそんな中でひたすら待たなければならないのだ。
この失敗で学んだ私は、以後、東我孫子で気付いても、ぐっと堪えてそこで飛び降りるような愚を犯さず、まともな駅舎のある木下 (きおろし) あたりまで乗って行くことにした。どうせ早めに降りても、反対方向の電車がそんなに早く来るわけじゃないし。
ところが、私は最近衝撃の事実を知ってしまったのである。東我孫子駅から、常磐線の我孫子と取手の間にある天王台駅までは、10分もかからず歩いていけるのだ。
それまで、蚊の大群や木枯らしを耐えながら待った 30分以上の苦行は何だったのだ。また、わざわざ遠くの駅まで乗っていった辛抱は、何だったのだ。
素直に東我孫子で降りて、天王台まで歩けば、そこからたった 1駅で取手まで帰れたのである。知らないということは、げに恐いものである。
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