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2006/12/15

歴史的パリの夜と、ノロウィルス疑惑

ノロウィルスによる感染性胃腸炎が大流行しているのだそうだ。毎年この季節になると取りざたされるが、今年は 81年の調査開始以来、患者報告数が最高になっているらしい。

81年といえば、私も牡蠣を食ってひどい目にあったことを、急に思い出した。あれは確か、5月だったのだが、ノロウィルスのせいかなあ。

1981年の 5月、私は仕事で初めて外国旅行というものをした。ドイツのフランクフルトに 5日間ほど滞在し、夜行列車でパリに入った。パリの 2日目、私は同行の日本人数人と、レストランで生牡蠣をたらふく食ったのであった。

パリの牡蠣って、やたらと大きいのである。その大きいヤツにレモン汁をばしばしかけて、じゅるじゅると食う。はてさて、何個食っただろうか。多分、30個や 40個ではきかなかったろう。おいしかったなあ。

さんざん牡蠣を食ってレストランを出ると、パリの街中は大騒乱状態だった。車という車がクラクションを鳴らしっぱなしで走り周り、歩道は浮かれた人たちが大騒ぎしている。いつもの気取ったパリとはまったく様相が違う。

同行の日本人連中は、「一体何があったんだ?」 と訳がわからん状態。そういえば、フランスはその日、大統領選挙だったはずだ。

「こりゃ、きっと、ミッテランが勝ったんじゃないの? ジスカール=デスタンは、大分飽きられちゃってたみたいだしさ」

というわけで、歩道で浮かれているパリのオッサンに、聞いてみた。といっても、私はフランス語ができないから、まず 「エレクシオン?」、そして親指を立てて 「ミッテラン?」、で、下に向けて 「ジスカール?」

すると、オッサン、抱きつかんばかりに大喜びで 「ウィ、ウィ、ウィ!」 と叫ぶ。ふむふむ、なるほど、ミッテランが勝ったらしい。おぉ、どうやらフランスの歴史的瞬間に立ち会ってしまったようだぞ。

そのオッサン、フランス訛りのすごい英語で、「アー・ユー・ア・ソシアリスト? (お前、社会主義者か?)」 ときた。(ミッテランは社会党第一書記だった)

「ノン、ノン」 と答えてはみたものの、そのままでは済まされそうにないから、"But, I hate Giscard." (でも、ジスカールは嫌いだよ) と言うと、本当に抱きついてきた。あの夜、パリジャンは私の嫌いな気取り屋の集まりではなく、まるで、ニューヨークのハーレムにでもいるようだった。

で、その夜はその後にまたひとしきり酒を飲んで、かなり酔っぱらってホテルに帰ったのである。酔っぱらいすぎて、吐き気がしたことは覚えているが、そのまま眠ってしまった。

翌朝、胃がむかむかする。いかん、完全に二日酔いだ。もうろうとした頭でスケジュールをこなす。そして夕方頃から、ひどい下痢が襲ってきた。もう、どこにも出られず、ホテルの部屋 (のトイレ) に籠りっぱなしである。

翌日は飛行機に乗って、帰国しなければならない。下痢が治まらなかったら、どうしよう。

しかし、帰国の朝は、何事もなかったように爽快な気分で目が覚めた。下痢はすっかり治ってしまっている。で、無事に日本に帰って来れたのでる。

私はこれまでずっと、あれは単なる二日酔いで腹を壊してしまったのだと思っていた。しかし、今思えば、ノロウィルスだったのかもしれない。どちらだったのか、今となっては謎のままである。

ところで私は、パリジャンは 「うんこ強い」 と、あちこちで言ったり書いたりしている (ここでも書いている)。 事実、パリの歩道は犬の糞だらけだし、ベルサイユ宮殿にはトイレが少なかったので、ルイ王朝の貴族は、庭で垂れ流しをしていたらしいし。

私がことさらにパリジャンのうんこ強さを強調するのは、あの夜のトラウマのせいもあるのかもしれないと、今気付いた。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

いや……呪う居留守じゃないノロウィルスとか二日酔いとか言う以前に、生牡蠣30~40個はどう考えても食べ過ぎかと(笑)

投稿: 山辺響 | 2006/12/15 11:02

山辺響 さん:

>生牡蠣30~40個はどう考えても食べ過ぎかと

私もそう思います。散財でした。
(あのころは、若かったのね ^^;)

投稿: tak | 2006/12/15 11:09

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