「どっこいしょ」 って、言っちゃう?
先日お昼の TBS ラジオで、「椅子に座る時、"どっこいしょ" って言っちゃう? 言わない?」 という調査をしていて、結果は、言っちゃう 44%、言わない 56% だった (参照)。
これはややショック。私は疲れてる時なんか、よく言っちゃうし、立ち上がる時なんか、疲れてなくてもつい言っちゃったりするけどなあ。
番組では実にいろいろな意見が紹介されていた。その中には 「どっこいしょ症候群」 なんていう初耳の言葉もあって、ますますショックだったのである。「どっこいしょ」 の言葉が出だしたら、足元の筋力が低下している証拠で、人生における黄色信号なのだという。
それが本当だとしたら、私なんか、子供の頃から 「人生における黄色信号」 が出っぱなしということになる。「どっこいしょ」 以外にも 「よいしょ!」 とか、「うりゃ!」 とか、「がるる!」 とか、いろんなかけ声を最大限に活用してきているぞ。
これとは別の視点から、「医学的にはいいことで、掛け声を出すことで、体にこれから起きる負荷を覚悟させるアナウンス効果がある」 という指摘もあった。そういえば、ハンマー投げの室伏選手とか、卓球の福原愛ちゃんなんかも、ここぞという瞬間には 「どっこいしょ」 じゃないけど、声が出てるもんなあ。
番組によると、「どっこいしょ」 の語源には二つの説があるという。一つは 「六根清浄 (ろっこんしょうじょう)」 で、山登りの行をするときに唱える言葉 (元々は仏教用語だが) が 「どっこいしょ」 に変化したという説。
二つ目は、「何処へ!」 という感動詞から来たというものだ。江戸時代以前にはよく使われていて、相手の発言や行動をさえぎる時に使う言葉だったという。「どっこい、そうは問屋が卸さねぇ!」 なんていう使い方に変化し、さらにかけ声にもなったらしい。
「どっこい」 が 「どっこいしょ」 になったのは、明治以後だなんてことも言われているようだ。歌舞伎十八番 「暫」 なんかでは、主人公の鎌倉権五郎景政が、「ヤットコトッチャァ、ウーントコナァ!」 なんて言ってるし、「アーリャ、コーリャ」 なんていう化粧声という声もかかったりするけれど、確かに 「どっこいしょ!」 とは言わないなあ。
なるほど、「どっこいしょ」 の歴史は、それほど古いものではないようだ。そういえば、「よいしょ」 なんてのも、「どっこいしょ」 から来てるんだろうか。「よいしょする」 なんて動詞になると、また別の意味だし。
かけ声に戻るが、私なんかは、独自の基準というわけじゃないが、ちょっとしたバロメータみたいな感覚を持っていて、「どっこいしょ!」 と一息で言えれば問題なしだが、これが 「どっ・こい・しょー」 と三拍になってしまうのは、「あぁ、俺って、相当疲れてる!」 と自覚してしまう時である。
これが、「どぉーっ・こぉいぃ・しょおっとっとっと! ひぃひぃひぃ!」 なんてことにならないように、せいぜい気を付けようと思うのである。
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コメント
お邪魔します。がんなむぅです。
重量挙げの選手には、口を真一文字に歯を食いしばり息を止めて持ち上げる人と、「ウヤァー!」と息を吐きながら持ち上げる人といます。
体に対する負荷で発生する『乳酸』が溜まりにくいのは、息を吐きながら持ち上げる方が良いそうなので、『ドッコイショ!』は、必要ナノかも。
>山登りの行をする
いかにも、乳酸が溜まりそうな行ですね。
投稿: がんなむぅ | 2007/02/09 13:02
がんなむぅ さん:
剣の修行でも、「えい、やっ、とぉー!」 なんて言いますね。
ブルース・リーの 「アチョー!」 なんか、すごいし。
ありゃ、乳酸対策だったのか。
投稿: tak | 2007/02/09 17:00