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2007/06/21

「女女格差」 の中身

今週初めから、私が 1年半以上も前に書いた "「女女格差」 と 「男男格差」" に、アクセスが集中していると思ったら、6月 25日付 AERA が 「女女格差の不条理な現実」 という特集をしているのだった。

1年半前に私がつい反応した新語 「女女格差」 が、今頃メジャーになったようなのだ。

ただ、AERA のいう 「女女格差」 は、私が 1年半前に取り上げた上野千鶴子氏の記事で問題とされたこととは、中身が微妙に違うようなのである。

上野氏は、ネオリベの風潮の下で、女の中でも 「勝ち組」 と 「負け組」 の格差が拡大しているとして、その中で 「女のなかでだれが味方で、だれが敵かはっきりしてくるだろう」 と、いつもの如く、ややステロタイプなアクレッシブ感覚で歌い上げていたのだった。

一方、このたびの AERA の特集はというと、私自身は読んでなんかいないのだが、いくつかのブログの反応から察するに、ちょっと下世話の方向に振られたトーンのようなのである。

ビジトレの當間光沙さんの記事によると、例えば 「職場の同僚」 「大学時代の同級生」 「子どもの同級生の親」 同士で、「地方出身か東京出身か」 「結婚しているかしていないか」 「子どもがいるかいないか」 「夫婦関係は良好か否か」 はては 「美人かそうでないか」 といった、ほんと、かなり 「やんなるような」 レベルの 「格差問題」 を掘り下げているようなのである。

AERA NET の、編集部の木村恵子さんのエントリーでも、「実は一番強く感じる格差は、フリーターと超セレブの差ではなく、身近にいる人との似ているようで違う、細かい差なのでは、というところから取材が出発しました」 と種明かしがされている。

上野先生もびっくりである。

まあ、上野先生が戦闘的かつ非日常的テーマとして高度に図式化した 「女女格差」 を、AERA は腰砕けなまでに高度に日常化してしまったようなのである。あるいは、「女女格差」 というテーマも、1年半かかって、ここまでこなれたということなのかもしれないが。

ところで近頃、「私は仕事が好きなので…」 と臆面もなく表明し、自分がいかに仕事の上で努力し、成功を勝ち取ったかを、得々と語ることのできる女性が増えている。すごいことである。今どきの男は、同じ内容のことでも、あんなにもストレートに語ることは憚られたりする。

男が同じことをしたら、「つまんねぇ仕事人間」 「自慢たらしい嫌味な奴」 と思われかねない。女はその辺、「仕事ができてかっこいい」 なんて思われる土壌があって、ある意味ではまだ無邪気に、仕事好きでいられるようなのだ。

そんな意味で、いわゆる (上野千鶴子氏のいうような) 女の中の 「勝ち組」 って、結構無邪気だなあと思うのである。男はもうちょっと 「てらい」 があるもんなあ。(あ、誤解のなきように。悪趣味な男も腐るほどいるってことは、言うまでもなく承知してるから)

で、AERA の記事の中で、複雑な心情を吐露している層の女性って、もしかしたら、その無邪気さを潔しとしない、ややソフィスティケイティッドな精神の持ち主なのかもしれないなどと、ちょっと思ってみたりしている。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

電車の吊り広告に出てましたねー。

字面に馴染みがなくて、読みがわからなかったです。「じょじょかくさ」? つい、「めめかくさ」と読んでしまって、「そういえばつげ義春のメメクラゲの漫画もよくわからんかった」などとぼんやり思うわたしは、きっと負け組に分類されるんでしょうな。

ではtakさんのクラック、これから読みに行きまーす

投稿: sato | 2007/06/21 00:46

お邪魔します。がんなむぅです。

 『高度に日常化』というところに、(件の記事が)掘り下げたという既成事実と、喰い付く層の開拓を実現しています。

 別段私も、『男女共同参画社会』などとわざわざいわなくても…、という立場(どちらかといえば尻に敷かれる…?)ですので、男として「負け組(?)」ですかねぇ…。

 結局は、異性同性を問わず、自分の正当性を表現し気を引くための手段を廃し…、敢えて「仕事が好き」といわず、『さりげなさとしおらしさ』を加味するところの“女性らしさ”を、(少なくとも私)男性がレシーブしているということでしょうか?

投稿: がんなむぅ | 2007/06/21 02:14

sato さん:

「じょじょかくさ」って、かんじゃいそうですよね。あんまり語感もよくないし。

>「そういえばつげ義春のメメクラゲの漫画もよくわからんかった」などとぼんやり思うわたしは、きっと負け組に分類されるんでしょうな。

メメクラゲって、読んだことないなあ。
でも、こんなところでつげ義春が想起されるような人は、世間がどういおうと、私は支持するぞ。

投稿: tak | 2007/06/21 11:14

がんなむぅ さん:

ほとんどの男にとっては、仕事というのは、「好むと好まざるとに関わらず」という世界だと思うんですよね。

本当にその仕事が好きな人というのは、優秀な職人系かな。

でも、そういう人は、あえて「自分は仕事が好きで」なんて言いませんよね。(言うまでもないし)

投稿: tak | 2007/06/21 11:17

メメクラゲはつげ義春の「ネジ式」冒頭のセリフにでてきます。メメは実は××(バツ)の誤植だと、作者ご自身がどこかに書いていたと記憶しております。

投稿: あ~る。 | 2007/06/22 20:25

あーる さん:

情報ありがとうございます。

もしかしたら、妻が持ってるかも。
夜が明けたら聞いてみます。

投稿: tak | 2007/06/23 00:40

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