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2007/07/10

男の家庭料理

最近、何かと忙しくて疲れがたまっているようで、昨夜も日付が変わる頃に、ほとんど気絶するようにばったりと眠ってしまっていた。

というわけで、日付が変わった直後の更新は今日もならず。夜中や朝イチでチェックしてくださる常連さんには申し訳ないが、「毎日更新」 だけはちゃんと続けるので、よろしく。

「忙しい」 といっても、忙しさの種類がちょっと違うが、最近、周囲に妻の介護をする男が増えている。平均的には女のほうが男より長生きだが、それでも、妻の方が先立つというケースだってないわけじゃない。身近な例では、妻の親や私の親の場合もそうだった。

私の母は今年の 5月に亡くなったばかりだが、父はそれまで 7年間も妻の介護を続けたのである。一口に 7年というが、それはそれは大変なことである。寝返りすら自力ではできない者の介護をすると、まとまった自分の時間などというのは、1日中ほとんど取れない。

老齢の妻の介護をする夫の共通した悩みのひとつは、食事の世話である。それまで台所になんか立ったことのない男にとっては、なおさらだ。なにしろ相手は病人だから、スーパーの惣菜を食べさすわけにもいかない。病人にも食べやすい献立を考え、自力で素材を買い、料理しなければならない。

そうなると、家庭料理に慣れない男のやることとて、つい手がかかりすぎるのである。料理の作り方なんていう本を買うにしても、男が選ぶのは、なぜか手の込んだしっかりした料理を作らせたがる本が多い。

レシピを読むと、材料はニンジン 1/2本とか、サラダオイル小さじ 1杯とか、赤味噌 30g とか、やたらと話が細かかったりする。「適量」 とか 「お好みで」 なんてことはあまり書いてない。そして、几帳面な男ほどしっかりとマニュアル通りに作りたがる傾向が強く、それで疲れてしまったりするのである。

「料理なんて、もうちょっと手抜きでいいんじゃないの?」 と言うと、「その手抜きの仕方がわかるようになれば、一人前なんだけどね」 なんて返事が返ってくる。気の毒に、それまでは料理が 「非日常」 だったために、ちゃちゃっと手軽に作ることができないのだ。

「男子厨房に入るべし」 なんて言って、やたらと気張った 「男の料理」 というのを推奨する向きもあるが、あれらの多くは、せいぜい半月に 1度でいい類の料理である。毎日そんな気合の入りすぎたものを食わされたら、家族はかえって気苦労である。

その辺、私なんか中学生の頃から、共稼ぎの両親の代わりに病気がちの祖母の夕飯を適当に作ったりしてたから、「日常的お手軽料理」 には慣れている。学生時代にアパート暮らしをしていた頃も、料理に手間なんかかけたくなかったから、ありあわせでちょこちょこっと作っていた。

男もフツーの家庭料理を作れるようになっておかなければならない。そうでないと、「妻に先立たれた男は 5年しか生きない」 なんてことになってしまう。まあ、妻のほうが長生きしてくれる方が、確かにずっと楽なのだが。(妻にとってはどうだかわからないけど)

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

今日の一撃をチェックするのがこのごろ日課になってきました。いつも爽快な切り口の文章を読ませていただきありがとうございます。

>そうでないと、「妻に先立たれた男は 5年しか生きない」 なんてことになってしまう。

アメリカの疫学研究の結果から男性は配偶者が死亡した場合死亡率は22%上昇するそうです。女性の場合は16%にとどまるということです。確か日本の研究では配偶者の死亡は男性に取っては危険因子となり、女性の場合保護因子となるという結果だったと記憶しています。すなわち日本の研究結果から言えることは、妻が死亡すると男性は寿命が短くなり、夫が死亡すると女性の寿命は長くなるということです。
いかに世の男性は配偶者に頼って生きているかということを示しているのかもしれません。

投稿: Kuni | 2007/07/10 13:18

Kuni さん:

米国では程度の差こそあれ、どちらも死亡率が上昇するのに、日本では、男性にとっては危険因子で、女性にとっては保護因子というのは、かなりスゴいことだと思います。

まあ、誰だっていずれ死ぬわけですが、その 「死に向かわせる要素」 が、米国では女性の場合でも、「プラス (= 早める)」 の方向に働くのに、日本では、「マイナス (= 遅らせる)」 の方向に働くというわけですからね。

米国はカップル社会ですから、やはり配偶者が存在しないということは、何らかのストレスになるんでしょうね。

逆に、日本はそんなことはないので、ばあさん仲間でいくら出歩いても、温泉旅行に出かけても、文句を言う邪魔者がいないので、かえってストレスがなくなると。

「いつまで俺を放っとくんだ」 とか、「家事もしないで出歩いて」 とか文句をいうじいさんは、いないほうが気が楽ということなんでしょう。

やっぱり、男は家庭内でも自立した方が、邪魔者扱いにされずに済みそうです。

投稿: tak | 2007/07/10 16:48

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