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2007/07/20

「段ボール肉まん」 を巡る冒険

北京の 「段ボール肉まん」 が報じられた当初は、あほらしすぎる上に、誰が書いても結論的には似たようなものにならざるを得ないテーマなので、全然反応する気になれなかった。

ところが、ここにきて 「あの報道は 『やらせ』 だった」 ということになったとたんに、俄然興味津々になってしまったのだ。

今朝、カーラジオを付けたら 「段ボール肉まん、あれ、ウソだったんだって」 「え、そうだったの? 道理で、いくら何でもおかしいと思ったよ」 なんていうスタジオの会話が流れてきた。うぅむ、それで終わりになってしまうのか。幸せだけど、つまらんなあ。

で、試しに Google ブログ検索であたってみると、この問題にふれたブロガーのうち、「なーんだ、やらせだったのか」 という単純決着派が、ざっくりとした印象で、ほぼ 3割。残りの 7割は、「本当にやらせだったのか?」 「やらせだったという報道の方が、やらせなんじゃないか?」 という、しつこい懐疑派だった。

これまでの総合的な経緯からすれば、「本当にやらせだったのか?」 と疑う方が、自然な受け取り方だと、私は思う。嫌味といえば、かなりイヤミだけど、相手が中国だけに、そう思われても仕方がない十分な実績 (?) もあるし。

で、この問題は、いったいどういうことだったのか。おおまかなストーリーとしては、次のような 3通りの可能性が推定される。

  1. センセーショナルな話題で視聴率を取ろうとしたテレビ局の、単なる暴走。まったくの 「やらせ」 。(確かに、かなりわざとらしい映像 ではあった)
     
  2. まんざら根も葉もないことではなく、「段ボール肉まん」 に近いものが売られているという噂を聞きつけたテレビスタッフが、さんざん取材してみたものの、ついに現場を押さえられなかったので、しかたなく話を膨らませて、「やらせ」 で撮影した。
     
  3. 「段ボール肉まん」 のニュースは、実は 「やらせ」 ではなく実際にあったのだが、オリンピックを控えた中国のイメージに関する対外的な悪影響があまりにも強いと判断されたため、政府筋からの圧力で、「やらせだった」 ということにさせられた。

で、よく考えると、上記の 1. と 2. は、違っているようで実はとても近い。考えようによっては、同じ一つの項目にしてもいいぐらいのものだ。

というのは、テレビ局のスタッフが 「段ボール肉まん」 なんて、かなりぶっ飛んだアイデアをオリジナルで創造することが可能だったのかといえば、それはかなり疑問だ。ほとんど 「やらせ」 だったとしても、どこかで聞きつけた噂話を膨らませたと推理する方が、ずっと自然のように思える。

いずれにしても、「火のないところに煙は立たない」 のである。

そしてさらに、2. と 3. も、ある意味、かなり近いのである。というのは、中国の政府筋にとっては、「段ボール肉まん」 が事実だったのか、それともテレビ局の 「やらせ」 だったのか、あるいは、事実と 「やらせ」 のさじ加減が 6:4 ぐらいだったのかとかいうことは、いわば、どうでもいいことである。

彼らにとって問題なのは、この報道によって拡大された 「中国の悪イメージ」 の方なのだ。だから、何でもいいから、「なかったこと」 にしておかなければならない。

ということは、それが事実だろうが 「やらせ」 だろうが、あるいは (しつこいが) 事実と 「やらせ」 のさじ加減が 6:4 ぐらいだろうが、とにかく、結論として 「100% やらせだった」 ことにしておくというのが、彼らにとって唯一の解決策なのである。

要するに、書面上での結論は 「やらせ」。それでおしまい。現実として、事実であったかどうかということに関しては、関知しない。とにかく 「やらせ」 でしかなかったんだから。

と、こんな風に考えてみると、こうしたこと (食の安全という問題ではなく、「お役所の結論の出し方」 という問題ね) は、中国だけじゃなくて、世界中のビューロクラシー (本来は 「官僚主義」 という意味だが、「お役所仕事」 という意味で考えることも可能) にとって、共通した問題なのだとわかる。

日本だって、ミンチ肉のインチキはミートホープ社だけの問題ということに、表向きは落ち着いていることだし。そして宮崎県では、ビューロクラシーの流儀にカチンと来てる人が県知事になったとたんに、なかったはずの裏金がぼろぼろ出てきちゃったりもしているし。

役人が 「そんなことは、なかったんだ」 と言っても、本当になかったのかどうかは、とても怪しい。そして、「あったんだ」 と言うのも、同様にとても怪しい。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

ダンボール肉まんのニュースを初めてテレビで見た時には
私の場合は何の違和感も無く(笑)冗談のようやとは思いながらも
いかにもありそうやなぁ~って感じました。
ただダンボールを付けてる液体?が、毒性のあるもんとちゃうん?
と、そちらの方が嘘くささを感じたんも事実です。
こう云う意味での食の冒険だけは・・・ごめんこうむりたいものですねぇ(溜め息)

投稿: 萌野 | 2007/07/21 09:43

萌野 さん:

あはは (^o^)

さすがに 「食の冒険」が好きな萌野さんでも、こればっかりはね。
実際に作って試食してみるという冒険 (?) をした夕刊フジによると、段ボールをつけ込んだ苛性ソーダは、煮込んでいる間に飛んでしまうそうなんですが、インクに入っている重金属の方が問題らしいです。

投稿: tak | 2007/07/22 00:14

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