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2007/07/05

「自費出版」 ビジネスを巡る冒険

「自費出版」 ビジネスが詐欺にあたるんじゃないかというお話が、一部で話題になっている。滋賀県の元大学教授らが、「書店への営業活動がほとんど行われていない」 として、訴訟をおこしているのだ (参照)。

訴訟というのは少しナイーブすぎる気もするが、確かに微妙な話ではある。

記事によると、出版を請け負った新風舎は、出版された書籍が 「全国 800の書店で販売される」 などということををうたい文句にしていたが、実際には書店への営業活動をほとんど行わず、一部の書店でしか販売されなかったという。そのため、原告側は 「書店に陳列されない可能性を故意に告げず、詐欺にあたる」 としている。

しかし、原告が支払ったお金は、約 195万円~約 99万円と報道されていて、それを読むと、私なんか、それっぽっちの金で本当に全国 800の書店で販売されると期待したんだとしたら、かえって虫が良すぎるという気がしてしまうがなあ。

もし私が新風舎と 「自費出版」 (実際には 「共同出版」 とかいいう名目らしいが) の契約を結ぶとして、「全国 800の書店に云々」 というセールストークをされたとしても、当然のごとく、「でも、それはあり得ないよね。はいはい、そんなことはわかってますよ」 と納得するだろう。

いわばそれは 「阿吽の呼吸」 みたいなもので、一応、「ありえないほどうまくいったら、その可能性だって皆無というわけじゃない」 (われながら、変なレトリックだが) というお話を、両者が 「言わずもがな」 の了承事項とするわけだ。

普通の場合は、それで済んできたんだろう。まあ、自費出版をするほどの本好きなら、そのくらいはわかっているはずだと。しかし、それが通じない世の中になったのである。元々、なんでもかんでも 「なあなあ」 で話が進むのは、出版界の悪しき因習といえば言えるわけだし。

それに、全国の書店で販売されるなんて幻想を抱かなければ、街の小さな印刷屋に頼んだ方がずっと安上がりだろう。親戚に印刷屋がいたら、頼み込めばかなり格安でできると思う。

私の知り合いにも自費出版をした人が何人かいるが、一般の書店で売れるなんてことは初めから期待しておらず、ひたすら親戚・知人・友人・関係者に贈呈しまくりである。私なんか、悪いと思ってお金を出して買ったけど。

自費出版の、おそらく 90%はそんなものだと思う。さらに 9.9%は、仕事や義理に絡めて関係者に押し売りするというパターンで、残り 0.1% (いや、多分もっとずっと低い数字) が、奇跡的に一部の書店で売れるというぐらいのものじゃないかなあ。

だったら、インターネットで毎日ブログを公開する方が、ずっと安上がりで効果的というものだ。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

まあ、こういう無知な人(酷かな?)がいても仕方がないんですが、今回の事件が事件になったことで、今後、被害?が少なくなるかも知れません。
一方で、この新風舎は商売がやりにくくなるでしょうね。


私のネット上の知人も以前、自分のHPのコンテンツを共同?出版しましたが、私が「出版者側は販促などしてくれないよ!」と注意しても、「売れなくてもいい、どうせこの金は臨時収入なのだから」・・・とわけのわからない理由を言って踏切ました。
アマゾンを検索してみると、書名はありますから、案外売れたのかな?
私は買っていませんが。(笑)

本当に「全国800の書店」で販売してくれるのなら、各書店に一冊としても、最低800部は刷ることになりますね。
でも、平積みでなく、一冊限りということなら、新聞広告は言うに及ばず、販売努力などできるはずありませんよね。


投稿: alex99 | 2007/07/05 16:47

alex さん:

>本当に「全国800の書店」で販売してくれるのなら、各書店に一冊としても、最低800部は刷ることになりますね。

もし、本当に全国 800の書店に置いてもらえるとしても、多分すぐに返本されるであろう 790冊以上にかかる無駄な輸送費と手間が、私には不憫でなりませぬ。

だったら、置いてもらえない方がずっとマシだと思います。

投稿: tak | 2007/07/05 20:31

takさん、何という絶妙なタイミングでしょう!
今日の私の記事とぴったりリンクしているではありませんか。
そうです!ブログに出来ることの一番大きな魅力がコレですね。
ちなみにうちの母は、自費出版した本で高知県の出版文化賞をいただきました。本人は、冥土への良い土産が出来たと大喜びでした。
でも、本は売れてませんね。
私の店(パン屋ですが)で、2、30冊くらい売れたでしょうかね。

投稿: Mikio | 2007/07/05 21:29

Mikio さん:

そちらの今日の記事、拝見しました。

確かにブログの可能性と限界というのはありますね。
とくに、ハイタッチなアートワークということになると、手書きや印刷物にはかないません。
ただひたすら、デジタルなテキストと、必要があればデジタルな画像との取り合わせでやっていくほかないわけですが、うまくこなせば、かなりの表現ができそうです。

お母様のご本は、大手出版社の本にはない魅力があるんでしょうね。

投稿: tak | 2007/07/06 00:05

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