« 関西人の気持ちがわかった | トップページ | 打ち水に水をさすとは水くさい »

2007/08/25

"#" は 「シャープ」 じゃないんだって

番号を表すのに 「No, 1」 とか 「No. 2」 とか表記するのは、知る限り、少なくとも英語ではあまり一般的ではない。

手元の Randam House Dictionary を引いても、"no." の意味は、"north" "northan" に続いて、やっと 3番目に "number" とあり、ラテン語の "numero" から来ているとある。

日本人は、"No. 1" が一般的な英語表現だと思っているから平気で使うが、インテリ層の英国人や米国人でも、それが "Number 1" の意味だとは知らない人が多い。だから、日本人の書いたテキストを読んで、「ノゥ ワン?」 なんて素っ頓狂な声を上げたりする。

では、彼らは番号を表すのにどうするのかというと、"#" を使う。「1番」 は "#1" で、「2番」 は "#2" である。以前、外資系の団体に勤務していた頃は、「フツーの英語では、順番を表すのに、"シャープ" を使うんだ」 と、長いこと思っていた。

ところが、ある日、英国人の英語教師に 「"#" は "シャープ" じゃなくて、"hash" とか "number sign" とか言うんだよ」 と教えてもらった。"#" (hash) と "♯" (sharp) は別物なのだそうだ。確かに、番号を表す "#" の場合、横の線が水平だが、シャープの "♯" は、横線が右上がりである。

このことについて、Excite Bit の 8月 22日付に "電話の「#」は“シャープ”ではない" として詳しく載っている。電話の "#"  は、本来は 「井げた (イゲタ)」 というんだそうだ。JIS 規格でも 「シャープ」 の  "♯" とはきちんと区別されていて、「番号記号」 とか 「井げた」 というようだ。それにしても、「井げた」 とはびっくりだ。

件の記事には、「※」 (こめじるし) と "*" (アスタリスク) の違いも説明されていて、しかも、電話機のボタンにあるのは、通常のアスタリスクとも違って、それが90度回転した形だというトリビアまで解説してある。へぇ~、へぇ~、へぇ~!

で、ついでに、この記事にも載っていないことを、私は発見してしまった。

「井げた」 の方は、当然にも "#" "#" と、全角と半角があるが、「シャープ」 の方は全角の "♯" しかないようなのである。これは、英語版 Wikipedia の "Number sign" や "Sharp (music)"の項目に行ってみても以下のように表記されているので、間違いないと思う。

Number Sign
The symbol is similar to the musical symbol sharp (♯).
(この記号は音楽記号のシャープと似ている)

Sharp (music)
... an associated symbol (♯), which looks somewhat like a "#" (number sign).
(使われる記号は、どこかナンバーサインと似ている)

実際には、Sharp の方の項目では、全角の "♯" が間延びして見えることを嫌ってか、わざわざそこだけフォントを変えて、以下のように表現している。

associated symbol (),

で、シャープには全角しかないので、DTM などでは仕方なく、しばしば半角井げたの "#" を代用する。じゃあ、フラット ("♭") の方はどうかというと、こちらも全角しかないので、B の小文字を使っちゃう。確かに似てるし。

そもそも、フラット記号の由来は、B音を低めに取る傾向から来てる (参照) そうだから、まんざらでたらめではない。へぇ~、へぇ~、へぇ~!

ちなみに、件の Excite Bit の記事の末尾には以下のような注意点があって、とても好感をもってしまった。

このことを知ったとはいえ、人に説明することがあったら、電話機の 「シャープ」 と 「米印」 って言ってあげてください。
あと、電話機のトラブルか何かでサポートセンターにかけることがあったら、優しく教えてくれたお姉さんたちに、「それはシャープじゃなくて井げたのことを指してるんですよね」 なんて指摘はしないであげてください。

しかるべし。ましてや 「ナンバーサインのことですよね」 なんて言ったら、メチャクチャ嫌味なやつになってしまうから、金輪際使わないように。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

|

« 関西人の気持ちがわかった | トップページ | 打ち水に水をさすとは水くさい »

言葉」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。いつも更新を楽しみに拝見しております。

電話の#ボタンって、アメリカでは留守電で(ホテルや企業にメッセージを残すなど)、録音が終わったら#ボタンを押してくださいというメッセージに"press the pound key" ってよく使われている気がします。

最初何のことだか解らずうまく録音できなかったことがあったのを懐かしく思い出しました。

pound key で調べると出ていますが、重さのパウンドを#で表示するからだそうで・・。私は逆にこれをナンバーサインと呼ぶということを知りませんでした!

投稿: はにゃ。 | 2007/08/28 09:35

はにゃ さん:

あ、そうですね。
私も確かに聞き覚えがある。
(正直、「何のこっちゃ?」と思ってました)

メッセージを残したら、そのまま受話器を置いちゃったのは、日本にいるとき同様です。
(それでもメッセージ残りますからね ^^;)

投稿: tak | 2007/08/28 20:58

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/42004/16225175

この記事へのトラックバック一覧です: "#" は 「シャープ」 じゃないんだって:

« 関西人の気持ちがわかった | トップページ | 打ち水に水をさすとは水くさい »