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2007/10/05

「よいプレゼン」 とは

時々、あちこちで、「よいプレゼンとは?」 という話題になり、それぞれの視点で、いちいちもっともな、いろいろなことが語られる。

私は近頃、集中的にいろいろなプレゼンの場に立ち会う機会があった。そして 「よいプレゼン」 とは、「センスのあるプレゼンターが、自分で作成したもの」 という結論に達した。

世の中には、パワーポイントのファイルをプロジェクターで映し出して、何やらもぞもぞと説明すれば、それがプレゼンだと思っている人がいる。そして、そのパワーポイント・ファイルは、部下に作らせたものを使っているのが見え見えというケースが結構ある。

そんなプレゼンは、大体において PC の操作を部下に任せている。自分はステージに立ち、決まったセリフを述べつつ、区切りごとに 「はい、それじゃ次の画面、お願いします」 なんて、言ったりしている。

私はこれがものすごく気にくわない。パワーポイントの画面を変えるぐらい、エンターキー一発なのだから、自分でやれよと言いたくなる。そんなことを人任せにするぐらいだから、ファイル作成だって、絶対に人任せにしている。

そんなことで、自分の言葉でプレゼンができるわけないじゃないか。こうしたスタイルのプレゼンは、99%退屈である。言ってることは案外まともでも、印象に残らず、説得力もない。

中には自分の言葉どころか、決まった台本の棒読みなんていう場合もある。そして大体において、その読み方は哀れなほど下手くそである。下手くそだからこそ、台本をあてがわれるのだ。だったら、わざわざ人間が出ばってこないで、上手なナレーションを録音しといて自動で流せよ。

あるいは、確かに自分で制作したファイルを使っているのだろうと思われるケースもある。さすがに、画面の行ったり来たりが自由自在だ。しかし、以前作ったファイルを使い回しているだけというのが見え見えということが、かなり多い。

「あ、この画面は時間の関係でちょっと飛ばしますね」 とか言って、どんどん先に行ってしまい、当人だけはわかっているが、聞いている者は話しに付いて行けなくなったりする。あるいは、「この画面は、私の好きな画面なんですが」 なんて言って、映し出された詳細なマップやチャートを延々と説明したりする。

しかしその画面は (延々と説明されるぐらいだから)、大体において細かすぎて、後ろの席からは字が読めなかったりする。それで、「字が小さくてわかりづらいと思いますので、お手元の資料をご覧ください」 なんて言い出す。それじゃ一体、何のためのプロジェクターなんだと言いたくなるではないか。

結局、魅力あるプレゼンテーションというのは、魅力あるプレゼンターが、自分の言葉で語る内容を、手際よく簡潔に画面に映し出しているというものだ。そうしたプレゼンは往々にして、パワーポイントなんてなくても、十分に説得力がある。

要するに、パワーポイントなんて補助的手段なのである。まずパワーポイントありきで、決まり文句ばかり画面に映し出し、わかりきったことを、あるいはどうにもわかりにくいことを、ぼそぼそしゃべりさえすればいいというものではないのである。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

パワーポイントを使うことによってわかりやすくなることって実は「ない」んじゃないでしょうか。

ほとんどtakさんがおっしゃるような状況だし、極まれにちゃんと使えてるなーというときでも、そういう優秀な人はパワーポイントが無い方がもっといいプレゼンができるような気がします。

図が色つきで見やすいというプラスの機能だけじゃなくて明らかにマイナスの機能が備わってますね。

これは「下手に使うと」そうなるわけではなくて、標準の機能だから、そもそも欠陥技術だと思います

投稿: fb | 2007/10/05 10:52

fb さん:

>パワーポイントを使うことによってわかりやすくなることって実は「ない」んじゃないでしょうか。

おぉ、思いきり言い切ってしまわれましたね。
多くの人が内心感じてはいても、なかなか言い出せなかったことを。
「王様は裸だ!」 みたいなものかも。

>これは「下手に使うと」そうなるわけではなくて、標準の機能だから、そもそも欠陥技術だと思います

パワーポイントを使う意味は、とくに弁の立つ人とか、熟達の講師とかでなくても、一定のメソッドに沿ってパフォーマンスすれば、ある程度のレベルのプレゼンが可能になるということなんでしょうけどね。

しかし実際には、プレゼンターがパワーポイントに頼りすぎだったり、あるいは、パワーポイント的メソッドの意義を理解していなかったりで、全然うまくいってないことが多いですね。

いや、最も多いのは、プレゼンターがパワーポイント的メソッドの意義を理解していないくせに、わけもわからず頼りすぎているというケースかもしれません。

プレゼンで最も重要なのは、説明して納得させる技術です。説明の下手な人がいくらパワーポイントを使っても、やっぱり納得させられません。

投稿: tak | 2007/10/05 22:19

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