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2007/10/24

市場における信頼関係の危機

バイトやパートというのは、企業にとって雇っている間は 「使用人」 であっても、すぐにそうではなくなる。大事に使っておかないと、辞められてから悪い評判をまき散らされる。

最近、食品メーカーの不祥事が多いが、そりゃ、世間様に言えぬことをバイトやパートにさせているのだから、すぐにバレて当然だ。

大分前のことだが、自分の勤めている衣料品会社が、「中国製」 と書かれたラベルを切り落として、日本製を装って流通させていると、あるパートのおばちゃんから電話で相談を受けたことがある。いくら何でもそんなデタラメをしてはならないと進言した部長は、ささいな落ち度を理由にクビになったそうだ。

そのパートのおばちゃんは、辞めさせられた部長を慕っていたので (別に色恋沙汰ではないようだが)、その会社の社長一族の横暴なやり方にブチ切れていて、「こんな会社、潰れちゃった方がいいんです。社長一族なんて、路頭に迷えばいい。私は他に勤め口がいくらでもあるから」 と言うのである。

原産国表示を偽るのは明らかな不正であり、そんなに腹に据えかねるなら、公正取引委員会に内部告発したらいいとアドバイスしてあげた。その会社がその後どうなったか、追跡してないので知らないが。

とまあ、かように、使用人は会社にとって時限爆弾なのである。なにしろ、不正な仕事の実行部隊なんだから、証拠をしっかりと握っている。今は個人が情報発信する手段に事欠かないから、そんな単純明快な不正は簡単にバレる。

会社経営を安泰にしたいなら、不正に手を染めず、従業員を大事にすることだ。

さらに、使用人になる以前の問題もある。就職試験の面接で、女性にセクハラまがいの質問をして不愉快な思いをさせるので有名な企業があった。

そんなことをすると、その女性の周辺に会社の悪評判が広まる。私の所まできちんと聞こえてくるし。「あぁ、あの部長はね、昔からスケベで女癖が悪いんだよ」 という評判に拍車がかかる。

そして、面接試験で嫌な思いをして不合格になった女性は、「前はあの会社のファンだったけど、もう、絶対に買わない!」 ということになる。その女性だけでなく、家族親族、友人関係に至るまで、買わなくなる。

そして、以前は個人の周辺だけで済んだが、今は下手したらブログなんかに書かれてしまいかねない。

雇ってしまえば使用人だが、雇う前は 「お客様」 なのである。その 「お客様」 にセクハラしちゃったら、お客を失うのである。で、雇ってしまってからやるのもやっぱりヤバい。例の競馬の調教師と女性騎手の一件もあるし。雇用関係がなくなったら、そりゃもう、敵でしかなくなる。

昔は、辞めた会社の悪口は言わないのが美徳みたいなところがあったが、今は全然違う。バイトやパートでヤバイ仕事の実行部隊をさせられた経験のあるものは、そこらじゅうにいて、その中には、口の軽いのもいくらでもいるのである。

市場における信頼関係が損なわれているのは、中国ばかりじゃないのだ。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

私も口の軽いものの一人として。
関西でもっともステータスの高い百貨店での話しですが、消防法を順守しているか消防局の検査が年に何回かあります。これはもちろん予告なしです。しかし百貨店側はこの日程を100%把握していて、当日の朝は消防法に引っかかるものは全て排除してしまいます(避難階段に積まれていた商品、店内通路上に置かれていた商品など)。

日常は売り上げのために消防法を完全に無視した営業をしているわけで、つまり売り上げのために客の生命を危険にさらしていたということ。お客様は神様ですなんて言いながら実は客の生命をゴキブリ扱いをしていたわけです。

当時アルバイトなんてゴミ扱いされてましたから、いま同様のことをやればたちまち内部告発されるでしょうね。しかし百貨店は新聞、テレビ局からすれば有力な広告主なので消極的にならざるをえないかも。

何れにせよ不正が発覚した場合の損害は計り知れないことを考えると大企業ほど不正ができにくくなってきたのは結構なことです。

投稿: 偽浜っ子 | 2007/10/28 11:17

偽浜っ子 さん:

>しかし百貨店側はこの日程を100%把握していて、

百貨店に限らず、オフィスビルでもどこでも、しっかり把握していますね。

ビルの管理室から、「○月○日は、オフィスのドアにストッパーを挟んで開け放しにするのはやめてください」 なんて通知が来ますから。

多分、それとなく伝わるシステムが確立してるんですね。消防署も面倒はいやだから。

それとも、オフィスビルなんかは正式に通告されるのかなあ。よくわかりません。

投稿: tak | 2007/10/28 12:02

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