« 火の玉と火だるまと火の車と湯たんぽ | トップページ | 寺の境内で煙を浴びたがる老人たち »

2008/01/04

「殿様問題」 - 敬称の序列

先日車の運転をしながらカーラジオを聞いていると、関西弁では敬称にも序列があって、「やん、どん、はん、さん」 の順に偉くなっていくのだと、誰だか忘れたが言っていた。

昔 「番頭はんと丁稚どん」 という番組があったが、なるほど、丁稚よりは番頭の方が偉いものというのがよくわかる。

「はん」 は 「さん」 のくだけた言い方で、その 「さん」 は 「様」 から来ているのだろう。そして、「どん」 は 「殿」 だろう。ということは、「様」 は 「殿」 より偉いということだ。これは昔から 「殿様問題」 と言われていて諸説あり、かなり根が深い。

ごく一般的には、私信の場合、目上の人には 「様」 を用い、目下の人には 「殿」 を使うということになっている。やはり、「様」 の方が 「殿」 より偉い。

しかしビジネス文書では、目上だろうが目下だろうが、ほとんどの場合 「殿」 で押し通していいようだ。官庁への提出文書のフォームを見ても、宛名はすべて 「殿」 とするようになっている。

ある意味、日本の文化は私信においては儒教的で、ビジネス文書においては思いのほか平等のようなのだ。しかし、ビジネス文書でも、不始末のお詫びをする場合などは 「様」 にすべきだとの指摘もあり、なかなか難しい。

敬称の使い方が私信とビジネス文書で違い、さらに、大抵は 「殿」 でいいとされるビジネス文書の場合でも、内容によっては 「様」 にするなど、「殿様問題」 というのは、意外に複雑で根深い。

それに、最近の若い人の中には、「殿」 の方が偉いと誤解している人がかなりいて、ますますややこしくなっている。多分、見慣れないビジネス文書に使われるので、いかめしい感じがして偉そうに思ってしまうのだろう。いかめしけりゃ偉いってわけじゃないのだが。

こんなのは、「神様」 とか 「仏様」 とは言うけど 「神殿 (かみどの)」、「仏殿 (ほとけどの)」 なんて言ったら、神様、仏様に失礼かもってことに気付けば、わかるだろうになあ。(「神殿」 は、「しんでん」 あるいは 「かんとの」 「かんどの」 「かむとの」 、「仏殿」 は 「ぶつでん」 と読み、安置する建物の意味になってしまう)

さらに、「阿弥陀様」 のことを 「阿弥陀殿」、「えべっさん (恵比寿様)」 のことを、「えべすどん (恵比寿殿)」 なんて言ったら、あんまり御利益なさそうでしょ。

ところで、「やん」 というのは、「ちゃん」 からきてるのかなあ。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

|

« 火の玉と火だるまと火の車と湯たんぽ | トップページ | 寺の境内で煙を浴びたがる老人たち »

言葉」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/42004/17556673

この記事へのトラックバック一覧です: 「殿様問題」 - 敬称の序列:

« 火の玉と火だるまと火の車と湯たんぽ | トップページ | 寺の境内で煙を浴びたがる老人たち »