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2008/07/09

原油価格高騰について考える

原油価格高騰のせいで、ガソリン価格も上がりまくりである。リッター 150円になったのはつい今年初めのことで、「3,000円払っても、20リットルしか入らないのか」 と嘆いていた。

それがあれよあれよという間に、170円突破である。一昨日は、わずか 30リットル入れてもらうのに、5,220円も払った。嘘みたい。

私は現在、1,300cc のマツダ・デミオというコンパクトカーに乗っているので、燃料タンク容量も 40リットルそこそこである。昨年の春頃は、燃料切れ警告ランプがついた時点で満タンにしてもらっても 5,000円も払わずに済んでいた。

セルフ式 GS で、30リットル限定で給油しても、楽に 5,000円オーバーというのは、かなり辛い。私のようにカントリーサイドに自宅をもち、車で移動しないとどこにも行けない暮らしをしている者にとっては、年間にすると相当の負担増になってしまう。

子どもたちが小さかった頃は 3列シートが必要だったから、トヨタのエスティマ・ルシーダ (2500cc) の、しかも 4WD なんていう燃費の悪い車に乗っていた。もし、同じ車に乗り続けていたら、ガソリン代は今のほぼ倍になっているはずだ。考えるだに恐ろしい。

一時は 「暫定税率廃止しろ」 なんて息巻いた (参照) が、所詮叶わぬことで、それはとっくに諦めた。今ではむしろ、ガソリンがどんどん上がれば環境にはいいかもしれないなんて思うまで、すっかり開き直っている。

ガソリン価格上昇の影響は、悪いことばかりではない。無駄なドライブが控えられるだろうから、CO2の排出が減る。食い物でもやたら遠くで取れたものを運んでくるとコストがかさむから、地産地消が増える。買い物に遠くまででかけるのも馬鹿馬鹿しいから、シャッター通りになりかけた地元商店街が、もしかしたら再活性化するかもしれない。

それにしても、この原油高騰の原因が、よくわからないのである。経済の専門家たちも、やれ供給不足が主因だの、いや投機的なものだの、見方がそれぞれ違う。私としては中を取って、供給不足に投機的な要素が輪をかけてるんだろうなと思うばかりである。

だったら、これも経済原則に沿って動くだろう。株安でどっと原油相場に流れた金も、あまりに行き過ぎて経済がずたずたになってしまっては元も子もないから、次の方向に向かうだろう。今はまだそこまで行き詰まっていないということだ。

いくら高くても、石油は使わざるを得ないという経済構造になっているのだ。米の飯と似ている。米の値段が上がったからといって、一挙にパン食に変わることもできないみたいなものだ。

ということは、ガソリン価格はこれからもまだ上がり続けるだろう。リッター 200円になったらどうなるかわからないが、そこまでは行きそうな気がする。それに、オイルピークは既に過ぎているという見方もあるし、経済構造の方が変わるべき時にきているのだという気がする。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

長文で失礼します。

私も、石油価格の高騰は、痛いけれども仕方がない、むしろ代替エネルギーの開発が進むなど良いことも多いと考えています。実は国内のエネルギー価格の高い国ほどエネルギー効率が高い(GDP1単位あたりエネルギー消費量が低い)という統計があります。日本の次には西欧諸国の効率が高く、米国、ノルウェー(産油国なのです)、ロシア、中国などの効率が悪いのです。

さて、これからどうなるかという点ですが、原油の生産者はすぐには増産できない上に、長期的な観点からは出し惜しみした方がいいので、供給はあまり増加しません。まあ仕方がないでしょう。

ここ数年石油の需要が急速に伸びていたのは、新興市場国です。こうした国々では、国内の石油製品の価格を低く保つために、政府が補助金を出しています。このため、原油価格が上昇しても需要が低下しない(価格弾性値が低いと言います)という現象が起きていました。同様に、運輸関連も代替燃料が事実上ないので価格弾性値が低目でした。

現在、マレーシアでは石油製品への補助金がカットされたため国内の末端価格が急激に上昇し、それに対してデモが広がっています。他の国も、補助金を出し続けることは困難になってきているようです。これは一つの潮目です。

また、米国においてさえ、燃費の良い車に乗り換えたり、カープールを活用したりといった動きがひろがっており、消費面においても変化の兆しがあります。最近の新聞などの記事を検索するとすぐ分かりますが、現在低迷中の米国自動車市場で唯一健闘しているのはホンダです。これは同社の車種構成において燃費の悪いライト・トラック(ピックアップ・トラックやSUVなど)の比率が低いからです。トヨタは、このところ操業開始した工場がタンドラといった大型のライト・トラックの工場ばかりであるため、ここ数ヶ月は苦戦しています。今週、方針転換に関するニュースが出ていたと思います。私は、こうした現象も潮目のひとつだと考えています。

皮肉なことに、米国ではガソリンにかかっている税金が低いために、原油価格の高騰がよりダイレクトにガソリン価格の上昇につながっています。日本でも、灯油や船舶や農業に使用するA重油などは税率が低いため、価格の上昇率が高く、皆さん悲鳴を上げています。すなわち、末端価格の安定を重視する立場からは、実は税金はクッション意なっていたのです。長期的な国際収支を考えると、原油価格の高騰で産油国に所得が移転するくらいならば、消費国の人たちは自国の政府に税金として取り上げられて、財政赤字解消に使ってもらったほうが良いとも言えます(ま、役人を信用するならば、ですが)。というわけで、暫定税率に関しては、使い道に関する議論は別として、廃止しない方が良いと私は思っています。

浅はかな政治家が「ガソリン価格高騰に苦しむ国民のため」と称して税率を引き下げると、長期的にはかえって原油価格が高止まりする上、原油価格上昇時の痛みが増えるのです。

以上、長文失礼。

投稿: きっしー | 2008/07/11 13:14

きっしー さん:

わかりやすい解説、ありがとうございます。

原油価格高騰は、私のメシの種であるアパレル業界でも、海外生産に流れすぎている状態から、国内生産回帰にもつながるかなという期待があります。

あまりにも運賃がかさんでしまったら、国内生産の方が、技術力はあるし、細かいコントロールも効くしで、相対的なメリットが上昇するかもしれません。

それから、「税金クッション説」 は、なるほどと思う反面、解釈次第というところもありますね。

金額そのものではなく、価格上昇率による 「気分の問題」 でもありますから。
それこそが 「クッション」 なんでしょうけど。

投稿: tak | 2008/07/11 16:53

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