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2008/10/20

芋煮会って都会向きの行事じゃない

芋煮会」 の季節である。といっても、18歳で庄内を離れた私は、もう 40年近くも芋煮会をしていない。ああ懐かしい。

高校時代は、10月の声を聞いたら毎週日曜日は芋煮会だった。クラスの芋煮会、部活の芋煮会、サークルの芋煮会、近所の芋煮会 … などなど。

土曜と日曜が休みの近頃の高校生諸君は、秋のシーズンに芋煮会を何度しているんだろう?

ちなみに、私にとっての芋煮会は庄内の芋煮会であるから、肉は豚肉で、味噌を使い、場所は主として庄内浜である。庄内砂丘はだだっ広いから、見回してみても、芋の鍋を煮るたき火の煙の立ちなびくのがぽつんぽつんと見えるだけで、場所取りなんてことは全然必要なかった。

それに、ゴミの問題で頭を悩ませた記憶もない。大体、浜辺に穴を掘ってたき火をするのだから、燃えるものは全部燃やして埋めてしまう。全員若い時分だから、残飯だって絶対に出ない。食えるものは、全部胃袋の中に納めてしまう。

だから、「芋煮狂騒で怒りグツグツ 場所取りやごみ 仙台」 というニュースを見たときは、かなり違和感を覚えてしまった。今や、仙台は芋煮会をするのに場所取りで大騒ぎをし、近くの込み集積所に大量のゴミを捨てて帰る輩が増えているらしい。

芋煮会というのは、元々東北の地方都市や田舎の行事なのである。場所取りなんてことは無縁のもののはずだったのだ。ところが、東北でただ一つ、大都会が生まれてしまっている。それが仙台である。

大都会で田舎の行事をすれば、無理が生じるのも当然なのだ。今や、仙台の芋煮会は芋の子洗い的な様相なのだそうだ。気の毒に。

花見の時期、朝の上野公園を散歩すると、そこはひたすらゴミの山である。日本人は世界基準から見れば、極端なほどに清潔好き、きれい好きの国民なのだが、なぜか、酒が入るとものすごくだらしなくなってしまう。

それだけじゃなく、普段はきれい好きな分、時々、酒を飲んでだらしなくなりたいという欲求が、ものすごく強くなるみたいなのだ。というわけで、花見の時期に一挙にその欲求剥き出しで、蕩尽の限りをつくす。そして、東北ではもう一度、秋に芋煮会となる。

ただ、伝統的な芋煮会はたき火をするだけに、それほどだらしなくはなれなかった。とはいいながら、イベントが都会的になり、たき火から卓上コンロやキャンプ用のガスバーナーなんかに変化してしまうと、問題は複雑になる。

火の扱いが楽になるので、その分、酒を飲んでだらしなくなれる。そして、たき火じゃないと、ゴミを燃やして帰るわけにも行かない。ああ、芋煮会って、本当に都会向きのイベントじゃない。

都会向きにアレンジしたエコロジカルなスタイルの芋煮会を考えないと、秋の広瀬川は大変なことになってしまう。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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比較文化・フォークロア」カテゴリの記事

コメント

バーベキューシーズンの川原…。

 灰やビニールゴミが散乱して、カラスや猫がやってくるほど喰い残しがあって、他の利用者の態度に辟易として以来『お外で焼肉』は(精神的に)できなくなっちゃいました。
 最大の驚きは、“使った焼肉コンロがそのまま放置!”してあったことです。
 後日ホームセンターで『バーベキューセット』の販売棚を見たところ、同型のコンロが1台980円也…。

 『バーベキューすること』だけがテーマで、それに係る準備と後始末が伴わない、精神的に未熟なヤツらが簡単に道具を手に入れられる環境も、いささか眉をひそめる現状です。 

 安価で入手できることと、パブリックスペースのマナー欠如が相まって、『使い捨て根性』が発生しているものと、肩を落としております。

 この季節、「山形県内は“芋煮セット”がコンビにでも売られています!」とレポーターが面白おかしく伝えています。
 山形なら伝統的に『芋煮に係る一連の動き』が伝わっているから問題ないのでしょうが、芋煮会しか見ていない(見させられている)他地域の精神的未熟なヤツらには、後片付けのことは伝えられていません。

 ホントに、“山形の”芋煮会がうらやましい…。

投稿: オッチャン | 2008/10/20 12:26

私は釣りをするので、ゴミを海や海岸に捨てて行く輩の多さに辟易しています。釣りをする人だけでなく、海岸でBBQをする人、一般の人、地元の人等、幅広いスペクトラムにわたって散らかして行きます。

私は都市化が原因ではなくて、モラルの低下が原因だと思っています。

「清潔好き」の国民性との関連で言えるのは、自分の車の中や自分の持ち物の中を「清潔」に保ちたいために、立ち去る現場に置いていくという傾向があるのではないでしょうか。自分の半径数m以内のことにしか関心がないとでもいうか。その意味では「都市化」の一環なんですかね。

投稿: きっしー | 2008/10/20 12:49

オッチャン:

ほんっっっっとに、行楽地はゴミだらけですね。

私が山登りしてた頃は、「残してくるのは小便とウンコとケツ拭いた紙だけ」 と決めてました。

しかも、トイレ以外の場所で野糞するときは、きちんと穴を穂って (動物に掘り起こされないぐらいの十分な深さ)、しっかり埋めることを心がけてました。

このくらいするのが、常識だと思うんですがねぇ。

>山形なら伝統的に『芋煮に係る一連の動き』が伝わっているから問題ないのでしょうが、

う~ん、そう言われると、果たして大丈夫かなあと不安になりますが、少なくとも、そんなにひどいことはしないと思うんですけどね。

私は文明の後始末がちゃんとできることを、「文化」 と言うのだと思っています。
文化のないヤツは、文明の恩恵にあずかるなと言いたくなります。

投稿: tak | 2008/10/20 14:53

きっしー さん:

本当に、海岸、河川敷、中州、ゴミだらけです。悲しいことに。

>私は都市化が原因ではなくて、モラルの低下が原因だと思っています。

ゴミだけの問題でなく、「場所取り」 とかいう問題も含めて 「都会には向かない」 と言ったんですが、ゴミに関しては、元々モラル低いですね。

>「清潔好き」の国民性との関連で言えるのは、自分の車の中や自分の持ち物の中を「清潔」に保ちたいために、立ち去る現場に置いていくという傾向があるのではないでしょうか。

まあ、ストレートに言って、「自分さえよけりゃ……」 ってことですよね。

よく見る光景。

車が止まる → ドアがちょっと開く → 車のフロアの下に、ざっと吸い殻を捨てるのが見える → 発進する → 吸い殻が残る。

車のフロアの下にこっそり捨てるというのが、いじましい。
自分が立ち去れば、吸い殻が捨てられているということに変わりないのに。

そういうコトするヤツとは、私は付き合いません。

投稿: tak | 2008/10/20 15:05

 良く覚えてはいないんですが、今から20年くらい前ぐらいから、小学校では”ゴミを持ち帰る””ゴミを出さない”という道徳的な学習が積極的に行われたような気がします。
 遠足などに行っても”ゴミ”は持ち帰るって奴ですね。

 だから、本質的には教育としてのゴミ問題は周知はされている筈なんですよね。

 相対的にゴミが増えてるのは、”レジャー”というものが生活の中に入り込んできてからなんでしょうね。もともと貧乏だったら頃はレジャーなんてのは無かったので、ゴミを捨てに出かける事がそもそも少なかったのかもしれません。
 昔のキャンプやBBQなんてのは、随分と質素なものだったですが、今は道具、食材、すべてがゴミの元になっていますからね。

 節度のある人も当然いるのだけれど、レジャーの総人口が圧倒的に増えているので、行儀の悪い人の総数が増えちゃって結局はゴミがあふれるって事になっちゃってるんでしょうかね。

投稿: きんめ | 2008/10/20 15:58

きんめ さん:

最近は使い捨ての道具 (紙コップ、紙のお皿、ペットボトル、ビニール袋、プラスティック容器、サランラップ、アルミフォイル、ガスボンベ、ペーパータオル 等々) が増えて、便利にはなりましたが、イベントが終わったあとに、昔とは比べものにならないほどの 「ゴミの山」 が残ります。

正直なところ、それらを持ち帰るのは、誰だっていやですよ。そりゃ。

イベントを始める前からきっちりと観念しておかないと、ほったらかしにしてしまいがちだろうと思います。

「野外で飲み食いしたら、ゴミは引き受けるもの」 と、きっちりとジョーシキとして、観念しておく必要があります。

それがイヤなら、どっかの飲み屋にしけこむしかありません。

投稿: tak | 2008/10/20 16:48

日本人(特に仙台人)は、農耕民族ゆえ、人が田植えを始めると、ありャ!オラも田植えしなきゃならんべぇ。とかなり、他人が大根の種を撒くと、オラもそろそろ撒くべぇ。となり、人が広瀬川で芋煮をすると、オラも広瀬川で芋煮をとなる。広くて紅葉も一緒に楽しめるポイントが沢山あるのに、なぜ、場所取り合戦をする。芋煮を楽しむんじゃなくて、場所取りに執着してしまう悲しさ。うまいこと場所取りにありつけた人間は、チープな「勝ち組・負け組み」を味わい、それに参加する集団は、選ばれし者みたいな勘違いをして、勝ち組だからゴミをブッ散らかしてもいいじゃろ。とか思ってるのか!バカヤロ。

おやおや、ちょっと仙台の話題ゆえ熱くなってしまいました。そういう私は、米沢の芋煮会が好きです。バックホー(建設重機)で大鍋から取り出す様は、食い物とは思えない豪快さ。そして、米沢牛で芋煮。贅沢三昧。

投稿: やっ | 2008/10/20 22:10

やっ さん:

>広くて紅葉も一緒に楽しめるポイントが沢山あるのに、なぜ、場所取り合戦をする。

考えてみりゃ、そうですよねえ。

いくら仙台が都会でも、ちょっと外れればいいロケーションがいくらでもあるのに、どうしてみんな、広瀬川に集中するんだか、気が知れん。

そんなアホなことだから、ゴミの始末もつけられないのか。

>米沢の芋煮会が好きです。バックホー(建設重機)で大鍋から取り出す様は、食い物とは思えない豪快さ。

山形の馬見ヶ崎川でも、大がかりなのをやってるみたいですね。

>そして、米沢牛で芋煮。贅沢三昧。

う~~~ん、私は庄内人だから、芋煮会はやっぱり平田牧場の豚肉がしっくりくるなあ (^o^)

投稿: tak | 2008/10/21 13:18

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