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2008/12/29

住みやすさもいろいろ

昨日の記事で、庄内平野の地吹雪の凄さについてまたしても書いてしまったら、 alex さんから、「素朴すぎる疑問」 (と、ご自分でおっしゃってる) のコメントがついた。

「それにしても、どうしてわざわざ、そういう苦難の土地に住むのでしょうか」 とおっしゃるのである。

仕事で関西方面にも縁の深い私からみると、関西人は東北地方をものすごく辺鄙な土地と思っていらっしゃるようだ。彼らから見ると、日本の主要部分は北九州から関東までの間で、関東より向こうはクマとサルとカモシカの住処というイメージのようなのだ。あるいは、北海道に行くまでの長い長い廊下のようなものとか。

しかし実際は、東北というところは、気候的には案外住みやすいところなのである。とくに庄内地方は、冬の地吹雪さえ堪え忍べば、あとは本当に快適だ。夏は 33度を滅多に越えないし、冬も時々マイナス 3~4度になることがあるという程度のものだ。

何年かに一度ぐらい、フェーン現象で気温が滅茶苦茶上がることもある (過去に一度、40度超を記録した) が、そんな時は湿度が低いので、蒸し暑いというのではないし、二日は続かない。

それに、冬でも湿度がさほど下がらないので、お肌が乾燥しない。庄内美人は、素肌美人である。

私に言わせれば、京都の方がずっと住みにくい。夏は日除けの帽子をかぶり、一日にペットボトルを 3本以上消費する覚悟で歩かないと、確実に熱中症になってしまうし、冬は冬で、気温はそんなに低いわけじゃないのに、妙に骨身にじーんと応える寒さだ。

あの街は、体に悪い。定住する街ではないと思う。たまに行くからいいのだ。ただ、春と秋の気候のいい時期は、観光客でごった返すので、私はいつも夏の一番くそ暑い時期に行くという巡り合わせになるのだが。

どうして人間は、過ごしやすい気候の土地ばかりでなく、極寒の北極地帯や灼熱の砂漠や、むせかえる熱帯雨林にも住むのかというと、これはもう 「住み分け」 としか言いようがないと思う。

植物にしても、もっとも条件のいい春から夏にかけて咲く花ばかりではない。彼岸花などは、他の花が大方咲き終わって地面が空き始めたお彼岸頃に、満を持して咲く。他の花が嫌う冬に咲く山茶花なんていうのもある。人間でいえば、人混みが嫌いなタイプなのだろう。

人間も、大勢の中で競合しながらあくせく暮らすよりも、気候的には多少苦労してもいいから、ゴタゴタや競合にはあまり巻き込まれずに、自由きままに暮らしたいという人種がいる。太古の昔、彼らがあちこち移動するうちに 「よっしゃ、ここで暮らしてみるか」 という気になった土地に落ち着いたのだろう。

それにしても京都というところは、気候的には決して住みやすいところではないのに、長らく日本の都だったのである。都として長かっただけに、人間関係でも気苦労の絶える間がなかっただろう。自然と人間関係の両面でのストレスが、あんなに大きそうな街はない。

それでも住み続けた公家や京都商人という人種は、なかなかおもしろいメンタリティがあったのだと思わざるを得ない。単純志向の武士という人種は、都には到底付き合いきれず、鎌倉や江戸に幕府を構えたというのに。

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コメント


tak-shonai さん
ずるいですよ (笑)

tak-shonai さんが冬の商内の苦難!を強調するので、私も自然に先入観を持ってしまったのです
そう言えば映画「スィング・ガールズ」などで見た冬以外の季節なら、気持ちのいい季候のように見えました
舞台は山形でも商内ではなかったようですが

京都は盆地ですから、決していい季候の土地とは言えない
人間も無駄なプライドがあって(以下自粛) (笑)

大阪も細長いので、兵庫県との県境の私の北大阪と関空のある南大阪では、二・三度の温度差があると言われています

投稿: alex99 | 2008/12/29 13:44


大変失礼いたしました

「商内」と変換してしまいましたが
もちろん「庄内」です

このブログにおいては致命的なミスですが、寛容にお願いいたします (笑)

投稿: alex99 | 2008/12/29 13:46

alex さん:

>そう言えば映画「スィング・ガールズ」などで見た冬以外の季節なら、気持ちのいい季候のように見えました

あそこは確か、高畠町ですから、盆地の夏は暑いですよ ^^;)
庄内の夏の方がずっとしのぎやすいです。

>大阪も細長いので、兵庫県との県境の私の北大阪と関空のある南大阪では、二・三度の温度差があると言われています

そういえば、大阪も摂津と和泉と河内は別の国なんですね。
北大阪は大阪らしさが薄いように見えるのは、多分、偏見なんでしょうね ^^;)

投稿: tak | 2008/12/29 17:02

私の住む福島盆地は、おそらく京都に匹敵するほどの住みにくさかもしれません。
夏のじめじめした暑さや、冬の吾妻おろしと呼ばれる季節風による体感気温の寒さ。
それに比べれば、海に風が抜ける分庄内の方が住みやすいかもしれません。

でも、年間をトータルしてみると、同じ県内では温暖なんですよね。
四季がはっきり出る分、福島では様々な農作物や花が育ちます。

まあ、冬が厳しくったって、11月までにがんばってすべての仕事を終えて、3月までは
家の中で一杯飲んで耐えていれば、自然と春はやってくるんですよね。(笑)
かくて、東北人は忍耐強くなっていくと。。。(笑)

投稿: 雪山男 | 2008/12/29 23:47

雪山男 さん:

>夏のじめじめした暑さや、冬の吾妻おろしと呼ばれる季節風による体感気温の寒さ。

夏の庄内はかなり過ごしやすいですが、冬の体感気温の低さはすごいですよ。なにしろ、あの地吹雪ですから。

風速 10数メートルはざらで、20メートルにもしょっちゅう達しますから、気温が 5度でも、体感気温はマイナス 10度以下。

あ、でも、会津はそもそも気温自体が低いですからね ^^;)

投稿: tak | 2008/12/30 01:19

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