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2009/02/19

私のパソコンチェアは、爆発しないだろうな

中国でパソコン用椅子が爆発し、座っていた 14歳の少年の肛門に棒が刺さり死亡とのニュース (参照) には、寒気がした。

写真をみれば、オフィスや家庭によくあるタイプの椅子の座面に見るも無惨な穴があいてしまっている。この座面を上下させるガスシリンダーが、爆発してしまったという。

「おいおい、俺の使ってる椅子は大丈夫だろうな?」 と、多少は心臓に悪い思いをしてしまったのだが、記事に添えられた写真を見るうちに、「ん ???」 となってしまったのである。このニュース、英国の "SUN" や 日本の 「東スポ」 によくあるタイプの 「トンデモ」 記事なんじゃなかろうか。

疑問に思ったのは、椅子のガスシリンダーというのは、座面の下の支柱内部に取り付けられているはずで、その支柱は座面の下の金属板にはまるようになっている。ところが、写真でみたところでは、その金属板はほとんど無傷で、座面のシートだけが見るも無惨に破けているのだ。

座面の下の爆発でこんな風になるはずがない。座面の上からひっちゃぶいたとしか思われないのである。この程度のことは、そんなに仔細に写真を見つめなくても、ぼうっと見ているだけでもわかりそうなことだ。

そしてこの記事には、以下のような解説がある。

記事にはガスシリンダーが爆発する可能性として3点を挙げている。
1. 注入されている気体にチッソ以外のものが含まれている場合
2. シリンダーの材質が悪く、耐圧製に欠ける場合
3. 密閉度が低い場合

うーん、私は純粋文系だから迂闊なことは言えないけれど、「チッソ以外のものが含まれている場合」 というのは、具体的にわけがわからないし、「密閉度が低い場合」 というのも、それならガスが漏れてしまって、かえって爆発しにくいんじゃなかろうかと思えてしまう。

で、ネタ元のブログに飛ぶと、写真は 「シンガポール日報」 (星州日報)からの転載のようで、「中國‧椅鋼條彈出刺破肛門血管‧旋轉椅爆炸插死少年 | 星洲日報:」 というタイトルのページにリンクされている。ところが、そちらにアクセスしようとするとめちゃくちゃ重くて、全部表示されるのに5分以上かかった。

私の回線は一応 Bフレッツなんだけど、よっぽどアクセスが集中しているのかなあ。ということは、このニュースは世界中から注目されているのかもしれない。

さらに、この新聞のトップページに飛ぼうと "http://www.sinchew.com" にアクセスすると、マレーシア観光のページに飛ぶ。そしてそれはあっという間に表示される。なんだかなあ。よく調べると、新聞のトップページは、"http://www.sinchew.com.my" のようなのだ。

ちなみに、URL 末尾の "my" というのはマレーシアをあらわしている。ということは、日本でいえば "jp" ドメインの前に 「ドット・コム」 をもってきているようなものなんだろうか。"~.com.jp" なんて URL をみたら、私なら引いてしまうがなあ。

ただ、この 「星洲日報」 (Sin Chew Daily) というのを調べると、決して怪しい新聞ではなく、マレーシアで発行されているメジャーな中国語新聞のようだ。ただ、件の記事に限っていえば、なんだか怪しい気がする。

とまあ、中国語の原文も読めないし、いろいろあってよくわからなくなってしまったのだが、私としては自分のガスシリンダー式の椅子には、とりあえず安心して座ろうと結論づけた次第なのである。

ただ、記事自体はあくまでも本当で、あの写真は後から手を加えられたもの (原因究明のために椅子の側地を切り開いて中を確かめたとか) と思う方は、エアシリンダーではなく油圧式に替えられるのがいいだろう。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

爆発するPCチェアー、なんか猫を電子レンジで乾かしたという都市伝説の類のような気もしますが。。。


ただ、その状況を聞いてドリフのコントを想像してしまった私は、もう若くないようです。(笑)

投稿: 雪山男 | 2009/02/19 18:09

takさん

気休めに聞こえるかもしれませんが・・・
takさんの椅子も大丈夫だと思われます。

ガス圧利用の緩衝装置(ダンパーとかアブソーバーというやつですね)で椅子の昇降に使われるものは、高圧ガス保安法(ひと昔前までは高圧ガス取締法でしたが名称が変わりました)の規制対象外、つまり危険性は無いというものとされています。その前提として、窒素等の不活性ガス(≒燃えない、爆発しない)が使われている必要があります。
(規制緩和により条件が緩くなりました。以前は都道府県知事の輸入検査&合格が必要だったのですが)

可能性なら些少はあるでしょうが、本来は爆発事故の可能性は極めて低いといわざるを得ないでしょう。
記事執筆者も翻訳者も不安コメントを記載する輩も、皆科学リテラシが低いという印象です。
製造工程で不活性ガス以外を加圧注入/封入する方が大変ですし、危険でもあります。

ガス圧利用の緩衝装置は、車両のショックアブソーバー、リクライニングベッド、車椅子にも使われておりますが、爆発したという話は記憶にないですね。
火中に投じてはならない旨の但し書きは記載されているはずですが。

この爆発報道が事実であるならば、その原因には興味津々ですね。担がれている感が否めませんが。

>油圧式

オイルダンパーは減衰方向にしか働かないため(注射器、水鉄砲をイメージしてください)反力を得るため(元に戻るため)にはバネ(外力)を必要とします。そこで金属スプリングやガス圧を利用する訳です。

ガススプリングと言いながらもシリンダー内に多少なりともオイルが封入されておりますし、油圧式といいながらもガスが封入されている(と思われる)ものもあります。

支柱に内蔵されるタイプの昇降装置に金属バネが併用されているものの有無は存じませんが(さすがに分解したことはないので)手間とコストを考慮すればガススプリングを利用するでしょうから、純然たる油圧式(ガス反力を利用しない)の椅子はあるのかな?という気がします。

安全性を考慮するなら、ピアノ椅子(座面がパンタクラフ式で昇降する)がイチバンかもしれません。未だに日本製も多いと聞きます。
日本製だから盲目的に安全とまでは言えないですが、精神衛生上では良いでしょう。(笑)

投稿: 貿易風 | 2009/02/20 00:22

雪山男 さん:

>ただ、その状況を聞いてドリフのコントを想像してしまった私は、もう若くないようです。(笑)

わはは (^o^)

ただ、私はドリフの 「全員集合」 全盛期の時代は貧乏学生でして、アパートにテレビがありませんでした。
だから、あまり馴染みがないんですよね。

どちらかというと、クレージーキャッツの方が …… なんていうと、さらにオッサンですが。

投稿: tak | 2009/02/20 01:00

貿易風 さん:

専門的な説明、ありがとうございます。

今、安心して椅子に座ってレスを打っています。

投稿: tak | 2009/02/20 01:02

タクさん。こんにちは。

星州日報確認しました。日本語訳は、原文を確認しましたが、
間違っていません。3の密閉度が低くてと言うのは、恐らく
ガス漏れにより、引火爆発だと思います。山東省ですから、
この時期には暖房をしているはずです。関係があるのか、
ないのか?爆発ならば、多少は焦げてても良いような感じ
ですが、まったくなく、椅子の裏の支柱を受ける場所は、
まったく壊れていませんし、謎ですね。
これを爆発と言うことでなく考えると、椅子の支柱が人の重みで
座面を突き刺して、肛門に刺さった。その時に、シリンダーが
壊れた。その可能性のほうが高いと思いました。
なにせ中国製の椅子ですから、なにがあってもおかしくない。

では。

投稿: ヒロ | 2009/02/20 11:09

ヒロ さん:

>日本語訳は、原文を確認しましたが、間違っていません。

おぉ、ヒロさん、中国語がわかるんですね。
今後何かあったら、頼らせてください。よろしく ^^;)

>椅子の支柱が人の重みで座面を突き刺して、肛門に刺さった。その時に、シリンダーが壊れた。その可能性のほうが高いと思いました。

それなら、あり得るかもしれませんね。
そうだとすると、座面が上から切り裂かれてるのは、原因究明のために後から切り裂いたんでしょうね。

投稿: tak | 2009/02/20 13:31

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