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2009/05/20

個人レベルでの新型インフルエンザ対策

知人の息子が大学受験に失敗して浪人している。傍目から見てもなかなか優秀な子だったのだが、受験日直前にノロウィルスにやられてふらふらになり、落ちてしまった。

とまあ、受験生の健康管理はなかなか重要な問題である。で、話はこの度の 「新型インフルエンザ」 に飛ぶ。

新型インフルエンザは、感染力がものすごく強いらしい。ウィルスは既に、その辺にいるんだろう。そしてそのウィルスの感染力は強いが毒性はそれほど強いものではなく、感染しても普通は死ぬ可能性はごく小さく、きちんと治療すれば治ってしまうらしい。

となると、受験を控えた高校生、浪人諸君はなかなか頭の痛い問題になってしまうだろう。なにしろ新型インフルエンザだから、60歳ぐらいより上の人間は免疫をもっているのではないかという見方もあるが、若い高校生、浪人は全然免疫がない。感染の確率は非常に高い。

今は夏を前にしているので、いったんは収束する可能性があるが、秋から冬、初春にかけては、今度こそ本物の大流行になる危険性が高い。そして、その時期は受験シーズンである。これは悩んでしまう。

決して公には口に出さないが、「受験生は今の内に感染しておく方がいい」 と思っている学校の先生は、実はかなり多いんじゃあるまいか。そして受験生の間では、既にそれが暗黙の認識になっているんじゃあるまいか。

彼らは、秋以降は本当に真剣に予防対策をするだろうが、今のうちなら、むしろ 「さっさと感染して軽く治ってしまう方がもうけもの」 ぐらいに思っているだろう。「どうせ大流行するなら、今のうちに感染するのと、秋以後に感染するのと、どっちがいい?」 と聞いたら、答えはわかりきっている。

積極的に感染しようというのは極々少数派だろうが、今のうちなら、真剣な予防対策なんて期待できない。新型インフルエンザで休校措置となった高校の生徒たちが盛り場に繰り出しているというのが問題になっているが、自宅に籠もっておとなしくしていろという方が無理である。

「俺はさっさと感染してしまいたいから、マスクもしないし、手洗いも必要最小限だし、平気で盛り場に繰り出しちゃうぞ」 という高校生がいたとしても、戒厳令でも出さない限り、それだけで取り締まるわけにはいかないのである。

問題は、あちこちで指摘されているとおり、それによって感染が爆発的に広がり、医療体制が追いつかなくなり、その感染拡大のうちにウィルスが急に強毒性に変異してしまう可能性があるということだ。

せっかく夏のうちに感染しておいたのに、冬になって変異した強毒性のウィルスにまたやられてしまったなんてことになったら、目も当てられない。しかし、今後のことは不確実すぎて誰にもわからないのである。個人レベルでは、しっかりとウォッチするしかない。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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心と体」カテゴリの記事

コメント

大きな声では言えませんが、今の内に積極的にかかった置くという方法
に少し気持ちが傾いています(^^;)

その理由は
1,今年の秋から冬にかけて感染の大爆発(十万、百万人単位以上)
が起きることが非常に高い確率だろうと思われる。
その場合いくら予防していてもかからないですますことは難しいだろう
と思われる。

2,今なら万全の医療体制で完全確実に治るということが期待できるが、
秋冬に感染が大爆発すれば頼りになるはずのタミフルも供給が遅れる
おそれがある(備蓄量は十分にあるが、デリバリーに問題が出るはず)
つまり重症化する可能性が高い。(おそらくハイリスクの人たちも同じ
ことが言えるだろう)

3,もしその時に流行るのが今のままのインフルエンザなら、すでに
免疫があるのでかからない。もし変異して強毒性になったウイルスに
対して、免疫が完全には機能しないとしても、基がこのウイルス
なので、軽症で済む可能性が高いと思われる。

政府は免疫を獲得できるとは限らないから、そういう危険なことは
考えるなと言っているが、それならこのウイルスのワクチン生産も
意味のないことだと言うことだから、ワクチン生産を進めることが
大切な対策だという方針と矛盾するので、説得力はないと思う。

もちろん感染大爆発が起こらず、夏の間に消えて無くなる(SARSの時
のように)なら、ちょっと高い保険料を支払ったと思えばよい。
(ハイリスクの人たちにとっては高すぎる保険だろう)

問題は
そういう「奇妙な」対策をとる人が増えれば増えるほど、秋冬の感染
大爆発の起きる可能性や突然変異による強毒化の可能性が高まること。

自分一人のことを考えれば「今の内に・・・」は有効な手段の一つ
と言えるが、社会全体のことを考えるとそれはあまりに自分勝手な
所業と言わざるを得ないだろう。

自分自身のこととして、
こういう理由で、今のところ、積極的にウイルスを得ようと言う気
はないが、本気で予防しようと言う気も無くなっている(^^;)

もし、この話を読んで、「それはちがう!!そんな態度ではダメだ!」
と言う方がいらっしゃれば是非ご意見を伺いたいと思っています。

投稿: 蝠樂亭 | 2009/05/20 22:59

風邪で受験失敗というのはきついですね。でも、早めに挫折を経験しておいたほうが後々よかったりもするので、長い目で見ればそれほど悲観することではないと思います。

蝠樂亭さんのお気持ちはよくわかります。ただ、ご指摘のようにワクチンのこともありますのでもう少し様子を見てみてもよいのでは? それに強毒性に変わる可能性というのも、そんなに高いものではないと思いますよ。あと、意外に見過ごされていますが、栄養面に気をつけて体力をつけることでも感染の可能性や症状で結構差が出てきます。本当にやばくなってきたら予防や回復のためにメタボなど気にせずに滋養のある食べ物をどんどん食べることですね。ビタミンCとかにんにく系とか、キムチとか。ドリンク剤なんかも結構利きます。(お酒が入っているので乱文失礼)

投稿: ぐすたふ | 2009/05/21 00:40

蝠樂亭 さん:

恐縮ながら、私もほとんど同感です ^^;)

>政府は免疫を獲得できるとは限らないから、そういう危険なことは
>考えるなと言っているが、それならこのウイルスのワクチン生産も
>意味のないことだと言うことだから、ワクチン生産を進めることが
>大切な対策だという方針と矛盾するので、説得力はないと思う。

まさに、行政の言い分は論理的説得力に欠けてますね。
要するに、どっと感染者が出たら、医療体制が追いつかないから、「あんまり積極的に感染してもらいたくない」 というのが本音なのかなと思います。

しかし、秋以降に爆発的に感染が拡大して医療機関がパンクするよりは、今の内に五月雨式に出ておく方が……などと、また余計なことを考える ^^;)

投稿: tak | 2009/05/21 08:47

ぐすたふ さん:

>あと、意外に見過ごされていますが、栄養面に気をつけて体力をつけることでも感染の可能性や症状で結構差が出てきます。

あのう、私は病気に関しては本当に知識がないので、初歩的な疑問なんですが、体力さえあれば、ウィルスを受け付けないんでしょうか?
(これは免疫システムを無視した物言いなので、まあ、ありえないんでしょうけど)

体力があれば、ウィルスが体内に入っても、発病せずに免疫だけ獲得できるんでしょうか?

あるいは、発病しても軽く済むんでしょうか。

まあ、体力の程度によるんでしょうが。

投稿: tak | 2009/05/21 08:53

蝠樂亭さん

いわゆる「外部不経済」ですね。
ゲーム理論の「囚人のジレンマ」だという説明もできるかもしれません(最終的に感染爆発が起きなかった場合に、事後的にそう言える?)。

投稿: きっしー | 2009/05/21 10:24

きっしー さん:

うひゃあ、外部経済とかゲーム理論とかの話は、疎いなあと、一瞬冷や汗を流したんですが、蝠樂亭さんに投げられたレスだったので、一安心。

でも、そう言われてみればそういう気もしますね。
「うん、まさに!」 と膝をたたくほどピンと来てないのが辛いですが ^^;)

投稿: tak | 2009/05/21 13:22

すでにご指摘があるように、「感染が広がるとウィルスの世代交代が進んで強毒性への変異が起きてしまう可能性が高まる」というのが、現時点で蔓延を防ごうとする最大の理由なのだと、私はそのように理解しています。

でも、その伝で行けば、毎年500万~1000万人が感染している(と今朝の東京新聞には書いてあった)季節性インフルエンザの方で、もっとヤバいウィルスがすでに誕生しているはずじゃないかと思うんですよね……。

投稿: 山辺響 | 2009/05/21 15:41

山辺響 さん:

>でも、その伝で行けば、毎年500万~1000万人が感染している(と今朝の東京新聞には書いてあった)季節性インフルエンザの方で、もっとヤバいウィルスがすでに誕生しているはずじゃないかと思うんですよね……。

そ、それを言っちゃあ …… ^^;)

投稿: tak | 2009/05/21 16:24

>あのう、私は病気に関しては本当に知識がないので、初歩的な疑問なんですが、体力さえあれば、ウィルスを受け付けないんでしょうか?

私もしろうとなので確実にこうだといったことは言えません(^^;  ただ、少なくとも一般の風邪などでは体力があるほうがかかりにくいのは間違いないと思います。後、自分の経験では、風邪のひき始めにドリンク剤なんかを飲んで安静にしていると症状が重くなりにくい感じですね。インフルエンザもウイルスですから、体力でかかりやすさや症状に差は出てくると思います。

ビタミンCやにんにくは以前から予防効果があると言われてましたけど、今調べてみたらビタミンCの予防効果はないというのが最近の知見みたいです…。ずっと信じてたのに(- -

投稿: ぐすたふ | 2009/05/21 19:05

ぐすたふ さん:

>インフルエンザもウイルスですから、体力でかかりやすさや症状に差は出てくると思います。

経験則で、同感。
感染しても、ほとんど発症しないか、軽く済むということなんでしょうかね。

>ビタミンCやにんにくは以前から予防効果があると言われてましたけど、今調べてみたらビタミンCの予防効果はないというのが最近の知見みたいです…。ずっと信じてたのに(- -

この類の 「定説」 とか 「知見」 とかは、しょっちゅう変わります。
「信じるものは救われる」 ということで行きましょう (^o^)

投稿: tak | 2009/05/21 21:39

takさん

ピンと来ない話ですみませんでした。
どちらも、個々の主体にとって最適な選択が全体として最適な選択ではない状況をもっともらしく説明したい時に便利な用語です。
それぞれネットで詳しい定義や具体例は沢山見つかりますので、手抜きさせてください。
が、「囚人のジレンマ」では、共犯者が二人とも相手に不利な証言をしなければ二人とも無罪(ないし軽い刑)で済むという前提があります(なのに、自分だけ助かろうとしてお互いにゲロしてしまう、らしい)。一方、新型インフルエンザの場合、皆が今から感染するという行為に走らなかったとしても、それ故に秋~冬に無事でいられるかどうかは現時点ではそれほど確実ではないので、「事後的に…」云々と申した次第です。

投稿: きっしー | 2009/05/21 21:49

きっしーさん

助け船ありがとうございますm(.._.)m
その手の話に疎いものですから、takさんがこの話は蝠樂亭へのレスだよーってスルーしてきたときのはどうしようかと焦ってしまいましたから。

投稿: 蝠樂亭 | 2009/05/21 22:17

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