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2009/08/12

ドラッグはクスリになるのか?

デーモン古暮閣下がブログでかなり興味深い記事を書いている。20年ほど前、薬物に手を出してしまう人々を批判する歌詞を書いたところ、当時のディレクターから逆に非難されてしまったというのである (参照)。

まあ、その歌詞の曲が世に出てたとしても、あまり売れなかったかもしれないけどね。

デーモン古暮という人は、表面的なイメージからすると一番クスリでキメていそうな感じだが、なかなかどうして、ずいぶんコンサーバティブな考えをお持ちのようで、例えば大相撲なんかが大好きなんだそうである。

件のブログから少し引用させて頂くと、こんなことなのである。

その昔…と言ってもせいぜい20年くらい前であるが、「薬物使用」で逮捕などされる人が続出した時期があって、そんな業界を取り巻く状況…って言うか、そういう「薬」に手を出してしまう「**い」人々(安っぽい国民)を批判した歌詞を新曲用に書いたら、当時のディレクターに「ROCKって文化はdrugがあって進化したという紛れもない事実があるのだから、現在ROCKを生業としている我々がdrug全般を安易に批判する立場にはない!」「ある意味こんな歌詞はROCKへの冒涜だ」みたいな言い方で強く批難された。

へぇ~~! と驚くほかない。このディレクターはもしかしたら、「正義」 が強く出過ぎた歌詞が、聖飢魔 II というロック・グループのイメージを傷つけることを怖れたのかもしれない。しかし、元々表面的なイメージと実像のギャップが売りと言えば売りのグループなのだから、かえって面白かったかもしれないのに。

それから、これは個人的な印象だが、このディレクター、きっと 「ヤッてたな」 と思う。ヘビードラッグの常習者というわけではなかっただろうが、大麻程度なら何度か経験があったに違いない。だからデーモン閣下の歌詞をみて、自分が責められているような気がしたのだろう。

あの手の世界というのは、もう本当にドラッグが浸透している (と、この際、断言しちゃってもいいだろう)。その気になれば、軽い気持ちで入手できる。そんな雰囲気が、ドラッグに走るバリアを低くしている。

それにしても、このたびのドラッグ騒動、私はちょっと違和感をもってしまうところがある。大麻や覚醒剤やなんちゃらかんちゃらという合成ドラッグをヒステリックに責めまくるオッサンが、タバコをスパスパ吸っていたりする。

常習性があって、体に害があって、周囲に迷惑がかかるんだから、タバコだって客観的にみれば、立派な 「ライト・ドラッグ」 である。酒だって似たようなものだ。飲み過ぎて人格を失うことにかけては、ヘビー・ドラッグ以上のレベルである。世の中、酒で人生を棒に振ったという例は枚挙にいとまがない。

因果なことに、どうやら人間は、「麻薬チックなもの」 を求めてしまうカラダをもって生まれてきてしまったようなのである。「麻薬」 と 「嗜好品」 の差は、限りなく曖昧だ。そして人間の体は、コーヒーとかお茶とかだけでは満足できない 「業」 を持ってしまっているようなのだ。

それを暗に認めて、どうしても必要なものならば、酒やタバコは、税金さえ納めれば麻薬扱いから逃れさせてやろうというのが、今の社会のあり方である。

麻薬として取り締まられるのは、見方を変えれば税金を払わないドラッグなのである。高い税金さえ納めれば、相当カラダに障るものでも、合法になる。まさに 「世の中、何でも金で解決がつく」 ってなものである。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

この事件に関し、私はこのコラムの結論が一番納得感がありました。「ドラッグは危険」と錦の旗を振り回すよりも、「いいトシこいて」と冷笑するに限るという考えです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090811/202300/?bvr

投稿: きっしー | 2009/08/13 09:10

きっしー さん:

>「ドラッグは危険」と錦の旗を振り回すよりも、「いいトシこいて」と冷笑するに限るという考えです。

危険を承知でキメているのは、タバコだって同じですからね。「ドラッグは危険」 というキャンペーンがちっとも効果的じゃないのは、当たり前のことです。

タバコを吸い始める一番大きな動機が、「カッコいいから」 「仲間もみんなやってるから」 ということなのですから、それを止めるには、「タバコはカッコ悪い」 という価値観をメジャーにし、「仲間もみんな止めちゃった」 ということにしちゃえばいいんです。

タバコに関しては今、だんだんそっちに向ってますね (ようやくですが)。

25歳までヘビースモーカーだった私がタバコを止めたのは、ある日突然、「なんで、ほかならぬこの俺が、そんなカッコ悪いことしなきゃいけないんだ?」 と思ったことがきっかけでしたから。

ドラッグに関しても、その方法論が有効だと、私は考えてます。

件の小田嶋隆氏の記事の

>覚醒剤の害は、もっと、具体的な次元で、より生理的な事実として、描写されるべきだ。

という部分に私も賛成です。

ジャンキーになってしまってからでは、その生理的な 「カッコ悪さ」 に気付かないだろうから、なる前に気付いておくべきでしょうね。

ただ、それにつけても本文で書いたことですが、

>因果なことに、どうやら人間は、「麻薬チックなもの」 を求めてしまうカラダをもって生まれてきてしまったようなのである。

ということは、エライ 「業」 だと思ってしまいます。

ドラッグなしで 「ハイ」 になれるカラダになってしまえばいいんですけどね。
(これは、案外簡単なことなんですけど、体質にもよるのかなあ?)

投稿: tak | 2009/08/13 09:59

たばこ:国家が国民に売りつける毒。合法的な麻薬。
 同じことが、“酒”にも言えます。

 ノーシンじゃダメだったのね…。

投稿: 乙痴庵 | 2009/08/13 12:22

乙痴庵 さん:

>ノーシンじゃダメだったのね…。

ノーシンに幻覚作用があるのかと思って、ググってみたら、なんと、ノリピーが CM してたのね。
(知らなかった ^^;)

投稿: tak | 2009/08/13 17:33

ドラッグに関してはこういうときこそダルクの取材ビデオみたいなものをどんどん流したほうがいいと思うんですけど、いつから始めたとか、どうでもいいことばかり報道してる感じですね。

まあ、自分も数年前からコップ一杯の寝酒が習慣になってしまっているのであまり大きなことは言えません(^^;

猫がマタタビで酔っぱらうのは知られていますけど、クモはカフェインでハイになるそうです。

http://www.youtube.com/watch?v=p2HipedgM3I

最初のLSDグモの巣がかなり不気味です(因みに途中からギャグになってます(笑))

投稿: ぐすたふ | 2009/08/14 18:44

ぐすたふ さん:

ダルクって何だ? と思って調べたら、ジャンヌ・ダルクのことじゃなかったんですね。
DARC といえば、そういえば前に聞いたことがありました。

それにしても、日本各地にずいぶんたくさんの施設があるんですね。
それだけ薬物が広まってるんですね。

>まあ、自分も数年前からコップ一杯の寝酒が習慣になってしまっているのであまり大きなことは言えません(^^;

コップ一杯の寝酒ぐらいだと、カラダにいいらしいですよ。
血の巡りがよくなって、血栓の元も流してくれると、ベテランの看護師さんが言ってました。

クモがハイになっちゃうビデオ、なんだかすごいですね。
途中から制作者までハイになってるのが、またすごい ^^;)

投稿: tak | 2009/08/15 00:20

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