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2009/11/25

電車内に放置された空き缶

私は JR 取手駅から上野駅まで常磐線快速電車を利用している。この快速電車は上野駅と取手駅の間を運行しているので、いつも始発駅から終点まで乗るわけだ。

で、乗り降りするときに電車内を見回すと、残念なことに大抵 1両に 1個ぐらい、空き缶が見つかるのである。

私は空き缶が見つかるとすぐに拾い、ホームの自動販売機に備え付けられている空き缶入れの穴にぽいっと放り込むことにしている。別に善人ぶっているわけではなく、電車の加速・減速時やカーブにさしかかるたびに、倒れた空き缶が床をゴロゴロ転がり廻るのがうっとうしいからである。

電車のホームには、かなりたくさんの飲料自動販売機が設置されていて、缶コーヒーを始め、わけがわからないほどの種類の缶飲料が販売されている。私も喉が渇いたときなど、ほんのたまにそれを買って飲むことがあるが、缶を電車内に持ち込んでまで飲むという発想がない。

缶飲料を買ったら、その場で一気に飲み干し、備え付けの空き缶入れにぽいっと捨てて、電車に乗り込む。ところが周囲を見ると、缶飲料を買ってそのまま電車に持ち込み、座ってからおもむろに飲み始めるという人が案外多い。

そして、ここからが問題なのだが、彼らはまったりと飲み干した空き缶を足許に置き、そのままにして行ってしまうのだ。電車を降りるときに足許に置いた空き缶を再び手にして立ち去るという人を、残念なことに私は一人も見たことがない。だから、いつも代わって捨ててあげるのである。

空き缶というのは軽いので安定性に欠け、ちょっとした揺れとか、乗客の足に触れたとかで、すぐに倒れる。中身の入った段ボール箱は積み重ねても安定しているが、空の段ボール箱を重ねるとすぐに崩れるのと同じである。そして、倒れた空き缶は、加速・減速、カーブで床を転がり廻るのである。

すっかり飲み干した空き缶はまだいいが、底の方にちょっとだけ飲み残しがあると、転がるたびに床にこぼれて広がってしまい、最悪の状態になる。

これ、私としてはかなり気になってしまうのだが、ほかの人って、そうでもないのだろうか。それとも、気にはなるけど我慢してるんだろうか。私は基本的に単純ストレート発想なので、気になって仕方がないものは、その原因をさっさと除去するに越したことはないと思っている。それは自分でやるのが一番早いから、自分でさっさと始末する。

で、もっと突き詰めて原因を除去しようとすれば、電車内に缶飲料は持ち込まないというルールにすればいいと思うのである。いや、ルール以前に、蓋のできない缶飲料を電車内に持ち込むのというのは、なんとなく気が引けないものなのかなあ。

だが日本には、ホームで缶コーヒーを買い、電車の座席に座ってからぼんやりと虚空を眺めつつまったりと飲みながら、つかの間の安息を得るという世にも珍しい文化があるみたいなのだ。私は こちら で書いたように、缶コーヒーを買うという発想自体がないので、よく理解できないことなのだが。

3~4年前頃までは、私は空き缶拾いをする度に 「まったくもう、電車内に空き缶なんか捨てやがって!」 と少なからず腹を立てていたのだが、近頃、ちょっと考えを改めた。ごくごく小さなこととはいえ、せっかく悪行よりは善行に近いであろうことをしているのに、その度に腹を立ててストレスを溜めていては、健康によくない。

だから、最近は 「小さなこととはいえ、いいことをさせていただいて、ありがたい」 と思うことにしている。こんなことを言うと、下手すると、ちょっとした人格者みたいに思われかねないが、その方が精神衛生にいいだろうという、甚だ自分勝手な理屈からである。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

「菰吊るし」という言葉を思い出しました。自分はおばあさんに明治時代のいろいろなことを教えてもらいました。
ご存知ならば申し訳ないですが、「菰吊るし」というのは川原乞食が菰(ござ)を橋下の掘っ立て小屋で入り口に垂らしていたということらしいです。(祖母の口伝)
つまり、菰吊るしは重力落下方式により勝手にしまる自動ドアのようなもので、ふつうは開けっ放しにしてしまうような扉の開閉作法を戒める言葉だったようです。
自分は会社の食堂で、出しっ放しの椅子を片付けながら「菰吊るし」の言葉をよく重い出します。
貴兄の車中の缶の扱いには全く共感いたしました。自分も同じ行動をとると思います。
滅多に電車は乗らないんですが、以前新幹線でそうした記憶があります。

貴兄には、毎々私をリードしていただく文章に感謝しています。
「句集」も然り、言葉遣いのすごさには圧倒されます、これは貴兄ではなく唯一郎様の句のことですが…

これからもよろしくお願いします。

投稿: jersey | 2009/11/26 01:16

jersey さん:

>「菰吊るし」というのは川原乞食が菰(ござ)を橋下の掘っ立て小屋で入り口に垂らしていたということらしいです。(祖母の口伝)
>つまり、菰吊るしは重力落下方式により勝手にしまる自動ドアのようなもので、ふつうは開けっ放しにしてしまうような扉の開閉作法を戒める言葉だったようです。

「菰吊るし」 というのは、単に掘っ立て小屋のことと理解していましたが、開けっ放しを戒める使い方もあったんですね。

なるほど、なるほど。

余計な話ですが、丹沢に 「菰釣山」(こもつるしやま) というのがありますね。ボロボロの山小屋がありそうな名前だなあと思っていますが、まだ登ったことはありません。

>自分は会社の食堂で、出しっ放しの椅子を片付けながら「菰吊るし」の言葉をよく重い出します。

立つときに椅子を引っ込めない人、多いですね。
それから、靴を脱いで上がる料理屋とか旅館とかの、トイレのサンダルをバラバラに脱ぎ散らかす人。

>「句集」も然り、言葉遣いのすごさには圧倒されます

わがことのように、嬉しいお言葉です。ありがとうございます。

投稿: tak | 2009/11/26 10:57

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