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2009/12/10

「大黒様の歳夜」 をさらに突っついてみる

3日続けての 「大黒様の歳夜」 ネタで恐縮だが、ちょっと気になるブログ記事を見つけたので、それについて書かせていただく。

「関西おばちゃんの独り言」 というブログの昨日付の記事で、「大黒様のお歳夜」 についてふれられている (参照)。「関西おばちゃん」 とはいえ、北海道在住の方である。この方の現在住んでおられる地域では、「大黒様のお歳夜」 がずいぶん盛んらしいのだ。

「今日は大黒様のお歳夜」 「数日前からスーパーの広告に出ている」 「どこのスーパーの広告も大黒様花盛り」 と書かれている。もっともこの方ご自身は関西出身らしく、「初めて聞く言葉だ」 「我が家にはちょっと馴染めない料理ばかりだよ」 とおっしゃっている。

もしこの方が関西でも都市部の出身だったら、はたはたの田楽とか、まっか大根なんて、そりゃ馴染みがないだろう。「一体どんなもんや?」 という感じなのではないかと、思いやられる。

ともあれ、北海道と一口に言っても広いので、この方が北海道のどの辺りにお住まいなのかはわからないが、北海道に 「大黒様のお歳夜」 がやたらと盛んな土地があるというのは、初めて知った。北海道は内地、とくに東北からの移住者が多いので、出身地でやっていた行事が持ち込まれているのだろう。

あるいは、私が田舎に帰ると 「お前みたいな古い庄内弁を使うやつは、今どき珍しい」 と言われるみたいなもので、出身地で廃れてしまった行事が、移住した先で脈々と続いていたり、あちこちのバリエーションが組み合わせられて、相乗効果的により強力な行事と化してしまっていたりするということも考えられる。

もしかしたら、消費不振にあえぐスーパー業界が各地で 「大黒様のお歳夜メニュー特別大奉仕」 なんていうことで販促をしたら、少しははたはたの田楽とか、まっか大根とか、鱠とかが売れたりするかもしれないなんてことを、頭の中でちらりと考えてしまった。

あの節分の 「恵方巻」 みたいなもので、「一体、それ何?」 なんて言っているうちに、珍し物好きの消費者が買っちゃったりしたら、大成功というものだろう。

しかし、それはあまり期待できないだろうと思う。恵方巻がヒットしたのは、私が 5年近く前に指摘しておいた (参照) ように、お手軽なのにもっともらしいという理由からである。とくに 「お手軽さ」 というのは重要なポイントだ。

ところが大黒様の歳夜のメニューは、なにしろ筋金入りの伝統行事だから、ちっともお手軽じゃないのである。調理済みのお総菜として買おうにも、汁気の多いものが多くて、持ち帰りが大変だ。さらに、「まっか大根」 なんてのはなかなか供給が難しかろう。今どきはせっかくまっすぐに育てているのに、二股を作るなんてリスクありすぎだ。

となると、大黒様の歳夜のごちそうというのは、本筋から言えば大黒様に捧げて、残り物を人間がご相伴にあずかるということなのだが、スローフードとしてもなかなか意味があると思われる。どれをみても健康に良さそうな献立だし。

この日ばかりは、出来合いのお総菜とかサラダみたいなのじゃなく、日本古来の伝統料理をしっかりと味わう日ということにしてもいいんじゃないかという気がする。その意味では、時間が掛かるだろうけれど、日本全国に復活させてもいい行事だと思う。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

我が家でも昨晩は「でっごぐさんのおとしや」でした。
ただ、まっかん大根は手に入れるのも面倒なので省略しましたが、この伝統行事の肝の部分だったんですね・・・。毎年の恒例だったのであまり深く考えないで過ごしていましたね~(汗
我が家では、ハタハタの田楽、焼き豆腐、豆ご飯、納豆汁、豆なます、それに黒豆を大黒様にお供えしてから頂きますね。
その中でも、私は納豆汁が大好きで、昨日も3杯もおかわりしてしまいました。(ゲップ!

とこで、この話題の#1で、最上川舟唄が出ていましたが、
「しょっつる煮」ではなくて「塩汁煮(しょっしるに)」だと思います。
→ http://www.town.oe.yamagata.jp/event/funautataikai/index.html

じつは、私も長らく勘違いしていたんです・・・。(^^;)まあ、庄内は秋田に近いから

投稿: 伊藤 | 2009/12/10 14:24

>この話題の#1で、最上川舟唄が出ていましたが、
>「しょっつる煮」ではなくて「塩汁煮(しょっしるに)」だと思います。

ほ、本当だ。
ご指摘ありがとうございます。

さっそく修正しました。

今後ともよろしくお願い致します。

>我が家では、ハタハタの田楽、焼き豆腐、豆ご飯、納豆汁、豆なます、それに黒豆を大黒様にお供えしてから頂きますね。

う、うまそう。そして、懐かしい。

投稿: tak | 2009/12/11 00:16

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