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2010/04/16

長谷川等伯展を見る

今日はインテックス大阪で開かれている 「バリアフリー展」 を視察するために、早朝に東京を発ち、昼前に大阪に着いた。朝の東京も寒かったが、大阪も冷たい雨。晴れ男の私が出張先で雨に降られるのは、本当に珍しい。

4時前頃まで会場にいてたっぷりと情報を仕込み、6時前に京都のホテルにチェックインした。京都に着いたときに、Twitter で 「そうだ、京都なう」 と、一言 tweet したら、大阪の Jizi_t さんから貴重な返信があった。"国立博物館の「長谷川等伯展」8時まで時間延長してますよ。今日は寒いし、昼間もいつもより人少なかったようです" とある (参照)。

むむ、これはすごい。長谷川等伯展をやっているのは知っていたが、どうせ明日は土曜日でめちゃくちゃに混雑して、行っても人の頭しか見られないだろうと、諦めていたのである。それなのになんと、今日の 8時までやっているというのだ。さらにありがたいことに、雨と寒さのおかげで空いているというのである。これは行かない手はないではないか。

ホテルに荷物を置いて、さっそくタクシーを拾う。運転手さんは 「お客さん、国立博物館は、6時まででっせ」 と言うが、「いやいや、8時までやってるって情報が入ったから、頼んます」 と急いでもらい、会場に着いたのが 6時半。うれしや、まだ 1時間半ある。

こんなに息せき切って飛び込んだ割には、実は私は長谷川等伯という画家をしっかりとは理解していなかったのである。私はどちらかといえば (いわなくても)、音楽と文芸と演劇の人で、美術はちょっとうといのだ。だから長谷川等伯といえば、「金屏風だったり、墨絵だったり、イメージの定まらん人だなあ」 なんて思っていたのである。

ところが、今日、まとまったコレクションを見てわかった。私如きにとってイメージが定まらないのも道理なのである。狭いイメージに固定するには、長谷川等伯という人は、巨人過ぎるのだ。間口が広大なのである。

それはそれは、とんでもない人だったのだ。能登の田舎に生まれて仏絵師として出発し、京に上ってからは狩野派にも学んで画風を広げ、千利休など、当時の著名人との広範な交流を通じて地歩を確立していく。それで、あんなにも画風が広いのだ。その変遷は、まるでピカソみたいなところがある。

すごいものを一度に見せてもらったという気がする。これだけでも、京都に来た甲斐があったというものだ。晴れ男の私が、珍しく出張先で雨に降られたのは、長谷川等伯展をゆったりと見るための天の計らいだったのか。それを思うと、ありがたい、ありがたい。

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コメント

tak様

うらやましい限りです。
私も、明後日、母を伴って観にいこうと考えております。混雑は覚悟の上です。><

あの有名な松林図?はいかがでしたか。
写真で見る限りでは、迷いこんだように錯覚してしまうのですが、
実際はどのような感じだったのでしょうか。

聞きたいような聞きたくないような^^;

長谷川等伯について、少し勉強になりました。感謝です。

明日は晴れだそうで、京都を満喫していただければ、幸いです。

投稿: 山姥 | 2010/04/16 22:20

山姥 さん:

お先しちゃいました。
明日は混むでしょうね。
あせらず、人並みの隙間をしっかり狙って見てください。

>あの有名な松林図?はいかがでしたか。

いや、びっくり。
本物はやっぱりすごいです。
小さい写真で一部だけ見るのとはわけが違います。

等伯の頭の中って、いったいどうなってるのかと思いました。
あれは、頭の中にしっかりと設計図がないと描けませんね。
頭の中に広大な屏風があって、既にそこに絵が描かれていたとしか思われません。

投稿: tak | 2010/04/17 00:14

先日、テレビで特集を見て感銘を受けました
様式化しすぎた狩野派より多様性があるようで好きです
(幼稚な意見かもしれませんが)
幼年時の能登の浜辺と松林の風景の記憶と出発点である仏画が、晩年の水墨画の中で回帰しているというその流れを見てみたい

都合がつけば,見に行きたいと思います

投稿: alex99 | 2010/04/17 00:58

alex さん:

>様式化しすぎた狩野派より多様性があるようで好きです

私もそう思いました。

>都合がつけば,見に行きたいと思います

天気が悪い平日をオススメします (^o^)

投稿: tak | 2010/04/17 07:53

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5/7に京都国立博物館で特別展覧会「没後400年 長谷川等伯」を鑑賞してきたので感想を [続きを読む]

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