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2010/06/03

小沢さんを道連れにした鳩山さん

私は今年の 1月 15日に、例の西松建設からの献金疑惑云々の問題に関連して、「小沢さんが幹事長辞任に追い込まれるのは必至なのに、まだぐずぐずしている」 と書いている (参照)。その後、いろいろ紆余曲折があったが、今回やっぱり辞任ということになったので、ほっとしている。

あれだけはっきりと言い切ったことが、半年近くも実現しなかったので、「おかしいなあ、私も嗅覚が鈍ったのかなあ」 と思っていたのだが、まあ、一応はずれなくてよかった。辞任の仕方がものすごく変則的で裏の事情ありありなのが、ちょっとお恥ずかしいけど。

で、世の中は鳩山さんの政治家としての失格ぶりがいろいろと語られているけれど、私としては、ここまできたら 「ああいう政治家でも、半年以上首相が務まったんだ」 ということを肯定的にとらえてみたいという気になってきた。

今回の鳩山さんの問題でも、悪いことばかりではなかったと、私はとらえている。

まず、政治的に考えれば落としどころは明らかなのに、あえて 「沖縄の人の気持ち」 というものを取り上げて、それに応えようというようなポーズだけでも見せてくれたこと。これに関しては、「そんな余計なことをするから、かえって面倒なことになった」 という指摘ももっともだが、今まで誰もしなかったことをして見せたという意味はあったと思う。

「初めに結論ありき」 ではなく、まずリセットして考え直すということが、政治家としても 「アリ」 なんだということを示してくれた。とはいえ、それが明らかな否定的教訓となってしまったので、貢献ポイントには全然ならないんだけど、まあ 「こんなことしちゃダメ」 ということは示してくれた (苦しいなあ)。

それからもう一つは、昨日の記事に関するきっしーさんのコメントとも関係するのだが、日本は今までのように、米国の 「ものすごく気が利く召使い」 というわけじゃなくなってしまったのだということを示したことになると思う。

米国が何か一言いえば、日本側が先回りしてすべて都合よく取りはからってあげるというわけじゃないということが、今回の騒ぎでアメリカにもわかったのは、ある意味ではおもしろいことかもしれない。

これは裏を返せば、よく言われるように 「日米関係の危機」 ということになるのかもしれないが、まあ、時々はわけのわからないやつが、素直には言うこと聞かなくなることもあるという既成事実を見せてあげただけで、向こうも少しはこちらに気を遣うことを学ぶかもしれない。もちろん、程度によりけりだけど。

で、この記事の書き出しに戻るのだが、鳩山さんの最大の功績は、小沢さんを道連れにしたことだと思う。もっとも、小沢さんとしては今後も裏から影響力を発揮することになるのだろうが、とりあえず、しばらくは検察とのやりとりに忙殺されてもらえばいい。

私はずっと前から、小沢さんはたいした政治家じゃないと言っている。私の小沢観は、おおむねこんなところだ。

2006/04/09 の記事

(小沢氏は) 実は 「大物」 なんかじゃなく、田中派から竹下派に続く歴史の中で、じいさんたちに可愛がられて、楽屋裏の重要ポストをあてがわれ、背後のじいさんたち (とくに金丸さん) の威光で、強引に物事を進めた経験があるというだけのことなんじゃあるまいか。

あの頃の世の中は、政治の世界に限らず、実力者といわれるじいさんのお気に入りになれば、大抵のことはできたのである。「お前の好きなようにやってみな。何かあったら、わしが出てって口きいてやるから」 ってなもんだ。

こうした構造があって、周囲としても、下手に逆らうとややこしいじいさんが出てきてやっかいなことになるとわかっているから、逆らわなかったのである。

2007/11/05 の記事

この人、影で隠然たる力をふるうタイプで、昔から表舞台に立たせてしまうとろくなことがない。ちょっと権力欲をくすぐって揺さぶりをかけるだけで、すぐに自爆する。すぐに自爆するとわかっている人を自爆させるために揺さぶりをかけるのは、案外簡単なことなのだ。

で、近頃はさすがに簡単には自爆しなくなってきたが、何しろ、小沢さん自身が 「ややこしいじいさん」 になっちゃっているのが問題なのだ。おかげで、民主党内の若手の間では、率直にものを言える雰囲気がなくなってしまっているというではないか。みんな、「ややこしいじいさん」 に出てこられたくないのだ。

幹事長を退いて奥の院に隠れてしまったら、ますますややこしくなってしまうかもしれないが、できれば隠れっぱなしに追い込んでもらいたいものである。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

「沖縄の人の気持ち」って、かなり被害妄想ではないでしょうか?
戦争被害なんて,日本人ならみんな持ってる
兵士以外にも民間人の死者は多い
日本中の大都市は,激しい空襲にあって、膨大な死者を出している
広島・長崎の人なんて、どうなるんでしょう?
基地なんて,日本中にあります

実情としては,普天間基地も,キャンプシュワブも,出来た時は地元の人は大喜びだったという
雇用が出来るし,給与は一般の三倍、クズのような土地でも収用されたらすごい地代が入る
名護市の市長選挙も,基地容認派がほぼ五分五分の投票だったじゃないですか
プロの左翼活動家があおっている節もある

投稿: alex99 | 2010/06/03 16:41

alex さん:

「沖縄の人の気持ち」 というのは、かなり複雑なものがあると思います。被害者意識を装った二重構造はしっかりとありますからね。

昔から薩摩と中国の両方をにらみながら生き延びなければならなかったのだから、その辺は、かなり 「純朴・したたか」 なんでしょうね。

基地のおかげでかなり潤っているわけですから、本当に基地に出て行かれたら、経済は壊滅状態になります。それは十分にわかった上で、やはり、沖縄というところは特殊なものがあるわけです。

空港に降り立ったら、米軍の戦闘機がずらっと並んでるなんてのは、やっぱり日本の中では異質中の異質いうところがあります。
(グローバルに見れば、そんなところはいくらでもあるわけですが)

もちろん左翼活動家が必要以上にあおっている部分はあるとしても、沖縄には、日本人全体が感じ取らなければならない、突出した何かがあると思うのです。

鳩山さんがそれを明確に意識していたとは、到底思えませんが、何となくそっちの方に誘導する 「におい」 だけでもつけちゃったみたいなところはあります。

今までそんなことをした総理大臣は一人もいなかったので、いいとか悪いとかではなく、深読みしてみれば、ちょっと何か醸し出されるかもという気はします。

まあ、かなり深読みしなければ、単なる 「お騒がせ」 に過ぎないというわけなんですが、せっかくですから、深読みしてみないと、もったいないなと。

投稿: tak | 2010/06/03 21:08

takさんも、へそまがりだなぁ。

(ご無沙汰をいたしております)

投稿: 乙痴庵 | 2010/06/04 08:09

takさんのコメントに2点誤解があるようなので……。

まず、「基地に出て行かれたら経済が壊滅状態になる」は事実誤認です。それは数十年前の話です。

それから、「空港に降り立ったら、米軍の戦闘機がずらっと並んでる」というのも誤解ではないでしょうか。那覇空港の話であれば、それは自衛隊機だと思います(海保もいますが)。空港に降りると自衛隊機がいる、ということであれば、確か小松や新千歳も同じだったかと。

投稿: 山辺響 | 2010/06/04 08:33

alex99さんのコメントについては、その当否については敢えて触れませんが(というか論じるまでもない)、このような思いは、日本人の過半数とまでは言いませんが相当数の一が共有しているのではないか、という気がします。だからこそ、今回の普天間基地をめぐる問題は、このような結果になった。これを対米従属の問題として語るのは、実は的外れなのではないかと思っています。

投稿: 山辺響 | 2010/06/04 09:54

× 相当数の一
○ 相当数の人

(汗)

投稿: 山辺響 | 2010/06/04 09:55

乙痴庵 さん:

へそ曲がりなのは、もう十分おわかりいただいているかと思っていますので、よろしく。

投稿: tak | 2010/06/04 13:41

山辺響 さん:

誤解のご指摘、ありがとうございます。

なにしろ、沖縄は一度しか行ったことないので、申し訳ありませんでした。

ただ、「基地に出て行かれたら経済が壊滅状態になる」は確かに言いすぎでしたが、少なからぬ打撃はあると思いますよ。

だから、出て行って欲しくない人もいるというのは確かだと思います。

今は出て行って欲しい人の声が圧倒的に大きくなっていますが。

投稿: tak | 2010/06/04 13:45

tak-shonai さん

>沖縄には、日本人全体が感じ取らなければならない、突出した何かがあると思うのです。

こういう幽玄な事をおっしゃると、とらえどころが無くなってしまいますね(笑)
うまい!
「沖縄は特別」も、そろそろいいかげんにしてくれよ!と私は思ってるんですがね
それに、いままで、どれだけ沖縄が優遇されてきたか

基地反対で燃えている沖縄・徳之島の人達の内、どれぐらいの人達が実際に戦争を経験しているのでしょうね
私は、これでも戦前派です
ギリギリね(笑)
二歳の幼児で,芋がゆをすすりながら、防空壕の中で米軍の爆撃や機銃掃射に耐えていました
それに、伊丹基地の近くで育った
すぐ隣は米軍将校の住宅街だった
それでも米軍をキライではなかった
ただ、敗戦の翌日、私の町は爆撃予告されていたそうです


投稿: alex99 | 2010/06/04 15:24

alex さん:

>こういう幽玄な事をおっしゃると、とらえどころが無くなってしまいますね(笑)

もう、鳩山さんに関しては、政治論の次元で語ったら地に落ちるだけでどうしようもないので、抽象的精神論にもっていかない限りは、「単なる空白の 8ヶ月」 になってしまうんですよね。

で、それじゃああまりにももったいないから、少しはそこに教訓を見いだそうとしているわけなんですが、ますます 「だからどうした」 になりそうで。

で、こちらも、ますます抽象的になっちゃう ^^;)

投稿: tak | 2010/06/04 16:33

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