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2010/07/17

英語の冠詞 "a" と "an" を巡る冒険

英語では不自然な発音を避けるために、母音の前の冠詞は "an" で通してるのに、日本人のおそらく 8割以上は、"an apple" を 「アン アップル」、あるいはせいぜいよくて 「アン ナポー」 などと、かなり窮屈に発音しちゃう。ネイティブで英語を話すアメリカ人のほとんどは、そんな器用な発音はできず、フツーは 「アナポー」 みたいになる。

日本語には 「リエゾン」 という概念がないからだという人もいるが、それは正確ではない。日本人も 「因縁」 は 「いんえん」 と言わずに、「いんねん」 とリエゾンする。歌舞伎の 『勧進帳』 でも、「額に戴く兜巾 (ときん) は如何に」 を、「ときんないかに」 と発音する。やっぱり日本人も、リエゾンする方が楽なのだ。

これって、「慣れ」 の問題なのだと思う。ただ、一口に 「慣れ」 と言っても、原理を頭で理解しておくと身に付きやすいということはある。

英語教育で言えば、「実は、元々は "an" しかなかった」 ときちんと教えれば、少しは理解しやすいんじゃないかと思う。ほかのヨーロッパ語の冠詞を考えれば、「なるほどね」 と納得するだろう。英語の "a" は、"un" だの "une" だの "ein" だの "eines" だのに比べると、究極的な短縮形だ。

元々は "an" ("one" の弱音) だったのだが、子音の前でもいちいち "an"  と言うのがうっとうしいので、さくっと省略して "a" になったのである。中学生の時にそう聞いたことがあって、ただ生半可なうろ覚えで書くとエライことなので、さっき Wisdom 辞書で確認したら、間違ってなかった。

今の英語教育だと、冠詞は "a" が基本で、母音の前でわざわざ "an" に変化させるなんていう面倒な手続きを踏むのだと、日本人のほとんどが思っているはずだ。これだと身に付くはずがない。本当は母音の前で面倒になるのではなく、子音の前で楽になっているのだ。

この辺りをきちっと理解すれば、ひいては乗り物に乗っても 「うぃ るっく ふぉあわーど とぅ しーいんぐ ゆう あげん」 なんて、へんてこりんなアナウンスを聞かなくて済むのだが。

それにしても、英語以外のヨーロッパ語の冠詞って、英語と比べると、ホンのちょっと長いだけなのに、気が遠くなるほど面倒くさい印象がある。英語みたいにさくっと省略しなかったからで、さらに男性形と女性形なんていう面倒な変化がある。

このあたりのシンプルさは、英語が世界共通語になる大きな武器になったんだろうと、実感で思う。そのかわり、「ニュアンス」 という宝をかなり切り捨ててもいると思うが。

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コメント

知らなかったですね。
自然な流れに驚きました。
tak様はどんな英語の勉強をされたのでしょうか?
またいつか機会があれば聞かせていただけると嬉しいです。

投稿: fn.line | 2010/07/17 21:14

fn.line さん:

あまり買いかぶらないでくださいね ^^;)

最近は英語とあまり接してないので、英語力はずいぶん落ちてると思います。

ちなみに "an" の方が原型だというのは、多分中学生頃にどこかで聞いたんだと思います。
(記憶は定かでありません)

投稿: tak | 2010/07/18 00:07

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