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2010/12/03

理髪店の業界の規制強化について

ちょっとだけ旧聞じみるが、11月 24日の TBS ラジオ、DIG という番組で、 理髪店の出店規制条例というのがあることを知った (参照)。理美容店にシャンプー台などの洗髪設備の設置を義務づける改正条例案が千葉県議会に提出され、結果は確認していないが、どうやら可決される見込みということだった。

これは、既成の理髪店業界からの 「髪を洗わないのは不衛生」 という請願を受けたもので、既存店は対象外だという。直接的には言及されていないが、「10分 1,000円」 など、短時間と低料金を売りにするカット専門店の新規出展を規制する狙いがあるのは、誰が見ても明白だろう。同様の条例制定は、千葉県だけでなく複数の県で進んでいるらしい。

ところで私は、いわゆるフツーの理髪店というものに、30年以上行ったことがない。最後に行ったのがいつだったか、思い出せないぐらいだ。高校時代から 10年以上はロン毛だったので、あまりにも伸びすぎたら自分で毛先をカットしていたし、フツーの勤め人になってからも、自分でカットするか、妻にちょいちょいっと整えてもらっていた。

最近はそれも面倒になったので、例の 「10分 1,000円」 を売り物にする店に行くようになった。私はヘアスタイルに凝るという気持ちが全然ないので、理髪師に 「どうしますか?」 と聞かれたら 「テキトーにガガーっとカットして、一ヶ月前の状態に戻してください」 と言うだけである。それ以外にどんな言い方があるか、私は知らない。

最近の私はショートヘアにしてるから、側面と後ろをざっと刈り上げて、頭頂部と前髪をちゃかちゃかっと 2~3センチぐらいカットすればいいのだから、10分かからないで終わる。そのくらいで終わってくれないと、こちらが耐えきれない。

私がいわゆるフツーの理髪店が嫌いなのは、長時間じっとして、頭の周りをチャカチャカいじられるのに耐えきれないからである。昔から、じっとしていられない性分なのだ。ただでさえじっとしていられないのに、40分以上いろんなことをされるのに何もせずにじっと我慢の子でいなければならない。想像を絶する苦行である。

大昔に床屋に行っていた頃のことを思い出しても、散髪そのものは最初の 10分ぐらいで終わっていたように思う。それから延々と、どうでもいい細部を偏執狂的に整え始め、さらに顔を剃り、洗髪をして乾かす。「さあ、もう終わったろう」 と思うと、さらにまた思い出したように細部をこちょこちょ仕上げ始める。「ひぇ~、勘弁してくれ」 と言いたくなる。

髪を洗ったりひげを剃ったりするぐらい自分でもできるから、床屋さんは自分ではやりにくいところをちょいちょいっとテキトーにカットしてくれればいいと思うのだが、向こうとしてはそうはいかないようなのだ。あれでは、床屋の職人気質を満足させるために、こちらが金を払って首から上を提供させて頂いているようなものだ。

いくら職人技で洗髪や顔剃りをしてもらって、非日常的なまでの 「さっぱり感」 があったとしても、そんなのは半日もたないのである。逆に、妙にきっちりと整えられすぎた自分の頭が違和感ありありで、それが自然な状態に戻るまでには少なくとも 3日かかる。これじゃ割に合わない。

本当のところを言えば低料金のカット専門店でさえ、約 10分間じっとしていなければならないのは、こちらの我慢の限界に近い。ところが彼らの中にも妙に職人意識をもっているのがいて、下手に空いている時間帯に行くと、念入りに 15分ぐらいかけてくれたりすることがある。

そんな時、私は本当にイライラしてしまうのだよ。心の中で 「10分で済むのが売り物なんでしょ。面倒な注文しているわけじゃないのに、どうして 15分もかかるの?」 とつぶやきながら、もじもじしてしまう。だから、フツーの理髪店で 40分もの時間を無駄に過ごすなんて、考えも及ばないのだ。

というわけで、私としては理髪店の業界の規制強化は 「余計なお世話」 だと思っている。ゆっくりとやってもらいたい人は、いわゆるフツーの床屋に行けばいい。そして、それが生理的に我慢できない私のような人間の行く店も、いじめないでもらいたい。ユーザーの選択肢を奪うようなことは、してもらいたくないのである。

それに、「洗わなきゃ不衛生」 なんて言い草には、私としてはちょっとムッときてしまう。そりゃ、髪の毛しゃぶってもいいほど無菌状態にしてるわけじゃないが、こっちだってほぼ毎日洗髪はしてるんだからね。

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コメント

ご無沙汰しております。
千葉県在住なので恥ずかしながら参加させてください。

実は主人と大いに「ひどいいいようだ」と話してきたことでしたので思い切ってコメントさせていただきます。

某政党の議員さんが付いて理容師さんたちがコレコレこうのと陳情したという内容を詳細に書いた賛同を求めるチラシが郵便受けに入っていたので読んでみたら「伝染病を拡げるかもしれない不衛生な業態」という書き方をしていたのです。
いまどき伝染病って、言いがかりのつけ方にも程があるんじゃ?と驚いてしまいました。

主人は時間をかけてお手入れしてもらうのは嫌いじゃないようで、カミソリを丁寧に当ててもらって肌触りツルツルになると子供に「痛くないだろう」と心置きなく頬ずりできて嬉しいようです。また、頭の形がきれいにラウンド型になって帰ってくると職人技を感じて「高くても行ってよかったみたい。ほんとうに綺麗な形よ」なんてワタシの方も声をかけます。

夫自身は、10分カットしか行かないというのも抵抗あるけど、速くて安くて便利!とよくいっています。毎回、懇切丁寧な理容室に行っている暇な時間もないし、いつもいつも4千円5千円出したくない。2回1000円に行ったら、次、理容室行っといで、みたいなやりとりを夫婦でやっております。

既存の業態でやってきた理容室も、値段を下げれば人が戻ってくるかもしれない、時間を節約して帰りたいお客さんのためにシャンプー無しのヘアカットを2千円くらいで受け付けたら、結構くるひとあるんじゃないの?努力しないで、うまくいってる人たちを一方的につぶしにかかるのか?などと話しておりました。

前のめりすぎて、ひどい文章ですみません。「人が集まる1000円カット」へのやっかみが丸見えでモヤモヤしたものが胸につかえます。でも、成立の見通しなんですか?ひょえー世の中は言ったもん勝ちなんですねぇ。。。

投稿: banan | 2010/12/03 19:21

banan さん:

確かに、「ひどい言いよう」 ですよね。

件の番組を聞いていたら、理髪店業界の組合の専務理事だかの人が出てきて、さかんにわけのわからない言い訳みたいなことを言ってましたが、言えば言うほど業界エゴが透けて見えました。

投稿: tak | 2010/12/04 22:23

伝染病云々のチラシについては、1000円ショップは名誉毀損と威力業務妨害で訴えるべきですね。
開業以来のべ何百、何千万人とかの髪を切って、それによって何件の感染症が生じたというデータもあるのではないでしょうか。

マーケティング的に考えると、カットも乱暴で洗髪もしない1000円ショップが繁盛する余地があったのは、従来の理髪店のプライシングに問題があったからでしょう。
イマドキの平均収入を考えると、一人一月4千円も散髪代にかけられる家庭というのは縮小しているセグメントであることは明白です。
あるいは、何回か散髪に行ったら、32インチの液晶テレビやPCが買える金額になってしまうという相対価格の変化をどう考えるのか?
どちらかというと、肩もみなどのサービスを充実させて価格を据え置きにしたいという意図が透けて見える店が多いように感じます。
要するに床屋に来てたっぷり無駄話をして、髪を切ってもらって帰るというダンナという古きよき時代の顧客モデルに拘泥しているような気がします。

ベタな価格競争は不毛だけど、例えば、数ヶ月に1回程度フルサービスのカットに来る客に対しては、毎週スソのトリミングだけを10分・千円でやってあげるなんていうのが、技術的な優位を活かしつつ、生産性を上げ、キャプティブ・クライアントを創る現代的な方法ではないかと思います。ある程度、消費者のライフスタイルを変えさせないと単に縮小する市場でパイを取り合うことになるんだから、業界団体は1000円ショップいじめなんかより、前向きな取り組みをしなきゃ。

投稿: きっしー | 2010/12/06 10:27

きっしー さん:

>伝染病云々のチラシについては、1000円ショップは名誉毀損と威力業務妨害で訴えるべきですね。

そんなチラシ出してるんですか?
そりゃ、ひどい言いがかりですね。

>要するに床屋に来てたっぷり無駄話をして、髪を切ってもらって帰るというダンナという古きよき時代の顧客モデルに拘泥しているような気がします。

まったくその通りですね。

古きよき時代の顧客は、どんどん年金生活者になりつつありますから、大変です (^o^)

>例えば、数ヶ月に1回程度フルサービスのカットに来る客に対しては、毎週スソのトリミングだけを10分・千円でやってあげるなんていうのが、技術的な優位を活かしつつ、生産性を上げ、キャプティブ・クライアントを創る現代的な方法ではないかと思います。

それは名案ですね。
年金生活者でもいけるでしょう。

投稿: tak | 2010/12/06 14:18

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