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2011/02/08

大相撲の八百長調査が進まないそうだ

八百長問題で相撲協会から報告を受けた文科省によると、力士らが協会の調査に甚だ非協力的だというのである。携帯電話の提出を求めても、「壊してしまった」 「機種変更した」 などと見え透いたことを言って、求めに応じない者もあるらしい。(参照

携帯電話の提出に関しては、警察権のない相撲協会の求めに応じなくても、少なくとも罪にはならない。下手すると、協会側の求めの方に法的根拠がなく、個人情報の問題に触れてしまうおそれがある。

とはいえ、この期に及んで、壊しただの機種変しただのと言ってケータイに残った情報を出したがらないのは、相当に 「アヤしい」 とみられても仕方がないだろう。とにかく、大相撲の八百長はかなり一般的に行われていたとみても間違いないと、私個人としては思っている。

調査する相撲協会の理事にしても、現役時代に一度も八百長をしたことがないなんていうのはあまりいないだろう。「八百長を憎み、クリーンな取り組みに徹した」 と言われる貴乃花だって、平成 16年に兄の若乃花との優勝決定戦でみせた、あの不器用な負け方はなんだということになる。貴乃花にしてそうなのだから、他はどうだか知れたものではない。

八百長が必要になるのは、1場所 15日間の取り組みを連続でこなすというのが、あまりにも過酷なことだからだ。あの 150キロ以上の体重の力士同士が、半月も連続で本気でぶつかり合ったら、体がもたない。どこかで手を抜かなければならない。

どこかで手を抜いてさえ、相撲取りで五体満足な者などいない。誰もがどこかに故障を抱えている。この上、すべてガチンコでやれなどと強要されたら、ほとんどの力士は商売にならなくなるだろう。

だからこそ、土俵際まで押されたり寄られたりしたら、負け越しでもかかっていない限り、案外あっさりと勝負を諦めて、自分から足を出してしまうのである。あそこで足を出さずに下手に踏ん張りすぎたら、もんどり打って土俵下に落ちることになる。それで体でもこわしたら、その先何ヶ月も棒に振ることになりかねない。

そうした致命的な事態を避けるために、互助会的な裏の運用が生じるのは、ある意味当然のことだ。1年 6場所、90日間、つまり、隔月で半月間をガチンコでやり、その間にも地方巡業と称するドサ廻りをこなし続ける現在のシステムと、自称 「国技」 の公明正大なコンセプトは、実際問題として両立しないのだ。

ということは、現状のシステムを維持し続けたいならば、公益法人としての特権は諦めるほかないではないか。逆に公益法人であり続けたいなら、もう少し場所数を抑え、地方巡業も減らして、2月 2日の 「相撲の将来 試論」 で述べたごとく、純粋スポーツとして再出発するほかない。

そうなったら興行収入は激減し、親方株をもつことによるメリットもなくなってしまうだろうが、それでもいいではないか。これまでが恵まれすぎていたのである。

相撲が純粋スポーツになってしまったら、伝統的なおもむきが失われてしまうから、一方で 「伝統芸能保存」 のための事業を開始しなければならない。そのためには、スポーツ相撲の中でとくに優秀だった者を引退後に 「横綱」 と認定し、 「型」 と 「精神」 を守るための象徴的存在として、還暦ぐらいまで面倒見るシステムをつくればいいだろう。

引退後も 「横綱」 として残れるというのは、実力的にも精神的にも磨く努力をするための、ちょっとしたインセンティブになると思う。

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コメント

まあ、この問題は、抜き差しならないところまで来てしまいましたね
残念
人それぞれに、意識や見方が違うという前提で書きますが

相撲は、準本場所や地方巡業に行ってみれば、真剣度もちがうし、裏社会やタニマチとの癒着など背景を持つ「興行」である歴史的な実態が見える
席を取るのさえ、お茶屋経由で、小さな狭い枡席で御茶屋が出す弁当を食べながら観戦
昔の歌舞伎観劇なんかの娯楽の世界

それなのに、本場所では、相撲協会がやたらにかみしもを着て「国技だ」「神事だ」という、虚偽の格式を作り上げて威張って来た
昔の無教養な親方達が、コンプレックスの裏返しの名誉欲に駆られた面もあるのだろう
そのために、相撲が、必ずガチンコでなければならないかのような存在に変質してしまった

「基本は皆様に楽しんでいただくエンターテイメント・文化です」という謙虚な面を出していたら、こんなことにならなかったのじゃないかな~?

それに、この頃の日本人、小さい、固いことばかり言って、懐が深くないな~
相撲なんて、本来、異形の人達の力業を、見せ物として、おおらかに楽しむもの

貴乃花が、やたらに深刻ぶったしかめっ面で、わけのわからない事を言い出したのも、いけなかった(笑)
全部がガチンコって、強者にはともかく、弱者や怪我人には地獄だと思う
ちょっとケガをすると、成績が下がって、廃業の危機
つぶしが利きにくい職業なんだから、お互い、長持ちするように適当にやるべし
相撲賭博は犯罪だけれど、それ以外に、警察が介入するな

それに、「賭博」も、国自身が税目的で認可する「賭博」がある
競輪・競馬・競艇・・・、それにパチンコ
離れた裏口でこそこそ換金するなんて、賭博そのものじゃない
麻雀を賭けずにやった人がいたら、会ってみたい(笑)
昔の正月の家庭麻雀ぐらいでしょう

ちょっと、OBしちゃいました

投稿: alex99 | 2011/02/09 04:06

将棋の順位戦や囲碁の大手合のように、昇進や地位を左右する勝負は年三回の国技館で行なう本場所のみとする。

したがって番付編成会議も本場所後の三回だけで、大阪・名古屋・福岡の各地方場所の成績は参考程度とする。
地方場所では御当地力士に花を持たせるのもあり、
タニマチさんの接待で遊び歩くのも自由とする。

その代わり本場所の取り組みには眼を光らせて、怪しい取り組みには審判部?から注意、警告、出場停止などの処分も行なうことにして、注意や警告の情報は公開する。

こんなプランは如何でしょうか?

投稿: ちいくま | 2011/02/09 09:18

alex さん:

>まあ、この問題は、抜き差しならないところまで来てしまいましたね

時代がこれほどまでに変わっているのに、対応努力を怠った協会と、その周囲のご機嫌取り連中の責任というほかありませんね。

ゆるやかな継続的対応を怠ったのだから、その大きなツケが回ってきて、急激な短期的対応をするしかないのです。
問題は、それが間に合うかどうか。

昔通りのやり方でやっていきたいなら、公益法人を諦めて、急速に衰退、滅亡する道を選ぶしかないでしょうね。


投稿: tak | 2011/02/09 10:02

ちいくま さん:

そのプランもありですね。

投稿: tak | 2011/02/09 10:15

疑問なんですが、イマドキ相撲取りになろうという若い人ってそんなにいるんですかね?
今回の件でますますイメージ悪くなったし、長期的な人材難は避けられないでしょう。観る側にしたって、相撲の人気が今後の世代の人たちの間で趨勢的に盛り上がるとも思えない。
となると、むしろ賭け事の対象としてニッチを築き、お金の力でプレーヤーの確保に走るというのが正しい判断のような気がするのですが。八百長が経済的にペイしないような仕組み(勝ち星の価値が高く、ひとつ譲ると長期的に大きく響くようなポイントシステムとか)というかインセンティブをつくれば、八百長は許容範囲に落ち着くんじゃないですかね。
競艇とかって、賞金すごいらしいですよ。他のスポーツは、サッカーですらお金がなくてプロを目指す若者には気の毒な状況なので、競技間での比較優位を(今ならまだ)持てるんじゃないかなあ。

投稿: きっしー | 2011/02/09 12:44

きっしー さん:

昔は、貧乏人のせがれで体が大きかったら、相撲部屋に預けるという風潮があったようですが、今は、「お前、相撲取りにでもならないか?」 なんて言ったら 「えぇっ!! 勘弁してくれよ」 ってなことで一件落着でしょうね。

それで、もっとハングリーな外国からの人材供給に頼らなければ、大相撲のシステムが維持できないということになってしまっています。

関取の半分ぐらいが外国籍というのは、日本人力士の供給不足を物語る以外の何物でもありませんし、この傾向は今後も続くでしょう。

こんなにまでも 「日本的」 な世界の半分を、外国人に頼らなければならないというのは、もはやこのシステムは破綻しかけているということですね。

いずれにしても、あまり未来はないと思っています。
賭け事の対象にすればいいんでしょうが、それはまず無理でしょうし。

投稿: tak | 2011/02/09 13:13

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