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2011/05/24

お茶っ葉を天ぷらにして子どもに食わせたことについて

茨城県坂東市の岩井さくら商店街のウェブサイトに、今月 11日に実施された 「さしま茶 ふれあい学習」 というイベントの記事が載った。記事によると、坂東市の 13の小学校 3年生が雨の中でお茶摘み体験学習をした後、摘んだお茶を天ぷらにして食べたのだそうだ。

この記事を読んだときは、「よりによってこの時期に、子どもにお茶っ葉を天ぷらにして食わすとは、地域産業振興の思惑があるにしても、ちょっと軽率なんじゃあるまいか」 と思ったものである。このイベントの 5日後の 5月 16日には、板東市の隣町である境町で、さしま茶から基準値を超える放射性物質が検出され、出荷自粛となっている。

報道によると、生の茶葉から基準値を超えるセシウムが検出されても、お茶にしてしまえばお湯で何倍にも薄められるから、健康被害は起きないが、念のために出荷を自粛しているとのことだった。ただ、お茶にしてしまえば大丈夫でも、葉をそのまま天ぷらにして子どもに食わすというのは、おだやかじゃない。

本日、Twitter で @f_memo さんが、"坂東市観光協会のサイトからも、5月11日付の「おしらせ:【NEWS】『さしま茶ふれあい学習』が行われました。」という記事がサクッと削除されておるな" と tweet しておられた。(参照

なるほど、上記のリンクでご覧いただいてもわかるように、岩井さくら商店街のサイトは 「サイト改築中」 とやらで、コンテンツが見られないし、板東市観光協会のサイトでも該当記事は見あたらないという状態になっている。ネガティブな反響が大きすぎたので、記事を削除してしまったのだろうと思われる。

そこで私は 「記事は削除しても、よりによってこの時期に、お茶っ葉を天ぷらにして子供に食わせたという事実は残る」 というコメント付きの返信をした (参照)。ちなみに、商店街のサイトの記事は削除されたが、Google のキャッシュに残っている (参照)。そのうち消えるだろうが。

当初私は、イベントそのものは 「いかがなものか」 と思ってはいたが、別にそれを非難しようとまでは思わなかった。しかし、いったん上げた記事を何のコメントもなく削除してほおかむりするという姑息な姿勢にはちょっとムッとしたので、一言コメントしておきたい気がしたのである。

すると間もなく @bbking1818 という人から、以下のようなコメント付きの返信があった。(参照

『坂東市に問い合わせたところ、小学生が(11日)お茶摘む前の5月2日に市は既にセシウム検査を実施。結果基準値(500bq)を下回る237bqだった。県の検査はその18日後の旧猿島町』今時どこのアホ自治体だって検査ぐらいするっしょ。

さらに、鬼の首でも取ったように、次のようなコメントが続いた (参照)。

よく確かめてツイートすればいいのにね。情報によると小学生の画像流失問題でIPアドレスを元に著作権と肖像権侵害で既に捜査が始まってるみたいですよ。

@bbking1818 という人は、板東市はきちんとセシウム検査をして、基準値を下回ることを確認してからイベントを実施したのであるとして、「よく確かめてツイートすればいいのにね」 とおっしゃっているわけである。ご親切なことである。さらに。記事が削除されたのは、小学生の顔の映った写真が掲載されていたためだと言いたいようなのである。

しかし、@bbking1818 氏自身が書いておられるように、セシウム検査を実施したのは 5月 2日で、イベントが実施されたのは、その 9日後の 5月 11日である。つまり、このイベントの主催者 (この記事の末尾に詳細を記す) は 9日も前の試験で得られたデータをもとに 「安全」 と判断し、お茶っ葉の天ぷらを小学生に食わせたというわけだ。日ごとに数値が変化する時期の、しかも、雨の降り注ぐ日に。

これ以上は何も言わない。

このイベントの主催は、茨城県茶生産者組合連合会坂東支部で、後援は坂東市・坂東市教育委員会、協力が茨城県立農業大学校園芸部、坂東地域農業改良普及センター、坂東市くらしの会 となっている。

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コメント

子供たちは、放射性物質の影響を受けやすいことに加え、大人のあまり賢くない判断に左右されて自分ではどうしようもないという意味で、二重に気の毒ですね。

食物や水道水のベクレル数に関し、基準値を超えたらからといってそれを毎日1年間摂取するわけではないだろうということを言う人もいるけれど、それはそれ以外に汚染されたものを摂取しない環境にいることが前提の話です。今後どういう形で被曝量が蓄積するかわからない状況下、少しでも防げる範囲の被曝量は抑制しておくことは大事だと思うんですけどね。

事故の程度が当初言われていたよりも遥かに深刻なものであったことが次々と判明していますが、各地の線量も着実に当初の想定を上回ってきていますね。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/5688

投稿: きっしー | 2011/05/25 09:40

きっしー さん:

>食物や水道水のベクレル数に関し、基準値を超えたらからといってそれを毎日1年間摂取するわけではないだろうということを言う人もいるけれど、それはそれ以外に汚染されたものを摂取しない環境にいることが前提の話です。

そうなんですよね。

(一部ではメルトダウンは多分してるんだろうなと思われてはいても) メルトスルーまでは想定されていなかった時点では、だんだん収まると思われていた汚染が、実はさらにだんだん広がるらしいという状況ですから、多少は神経質になるのが当然というものだと思います。

投稿: tak | 2011/05/25 15:16

記事中の二倍って、GM管測定値ですよね。
何か、別の場所でコメントしましたが、これ、誤差測定の可能性もありますよ。

γ線でもう一度測り直してみると良いと思う。

投稿: luckdragon2009 | 2011/05/25 21:30

luckdragon2009 さん:

>記事中の二倍って、GM管測定値ですよね。
>何か、別の場所でコメントしましたが、これ、誤差測定の可能性もありますよ。

「2倍」云々は、別記事ですが、確かにそれは否定できませんね。

>γ線でもう一度測り直してみると良いと思う。

う~ん、それは小泉代議士に言ってもらわないと ^^;)

ところで計測器は今、なかなか入手できないみたいですが、「さすが代議士だと入手しやすいのか」 なんて、余計なことを思いました。

今さらこんなことを言うとナンなんですが (まあ、詳しくは言いませんが) 実は私自身もこの人のことは (別件で) あまり信頼していないところがあったりして。

投稿: tak | 2011/05/26 22:13

 行政側が気を利かせてセシウムの吸収を阻害するもの(多分カリウム)を子供たちに摂取させていたらどんな議論になったかなぁ~ とか思っちゃいましたよ。
 
 行政も危険性を認識してた。
 と
 安全なんだけど万が一に備えなただけ

 二つのどこかで見た議論の繰り返し。もっとも今回は"食べさせない”選択が正解で行政に備えがあったか疑わしいけど。
 

投稿: GOHANDA | 2011/05/28 21:09

GOHANDA さん:

>もっとも今回は"食べさせない”選択が正解で行政に備えがあったか疑わしいけど。

そうですね。
お茶っ葉は、セシウムを蓄積しやすいみたいだから。

投稿: tak | 2011/05/29 11:38

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