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2011/05/17

神奈川県産の茶葉からセシウム検出のわけ

先日、神奈川県産の足柄茶から基準値以上のセシウムが検出され、出荷自粛しているというニュースを聞いて、「なんでまた、300km も離れた神奈川県で、そんなことになったんだ?」 と、ちょっとしたショックを覚えた。神奈川でそんなことになるなら、茨城の農産物はどうなるんだ?

基準値以上のセシウムが検出されたのは、お茶という品目の特性によるのか、それとも、ほかの農作物でもあり得るのか? これがウヤムヤのままでは、落ち着いてメシも食えないではないか。

腰を据えて検索していたら、J-CAST ニュースに、次のような 「ふ~ん」 と思わせられる解説がみつかった。県の農業振興課が、農水省を通して専門の研究者に照会して得た説明だそうである  (参照)。

冬の間も茂っていた葉に、大気や雨に含まれるセシウムが付着し、葉がそれを吸収して溜めていたことが考えられます。新芽が出るときには、糖分やアミノ酸、ミネラルなど大事な成分が樹木内から新芽に流れていくのですが、溜まったセシウムも同時に流れたはずです。それで、新芽にセシウムが濃縮して、規制値超えになったのではないでしょうか

というわけで、お茶という植物全体 (主として元々茂っていた葉ということなのだが) に一定の時間をかけて付着したセシウムが吸収され、新芽の部分に濃縮された形で流入したということのようなのである。まあ、食品としてはお茶ならではのメカニズムなのだろう。

これで、他の農産物で検出されない理由もわかったし、少し安心できる。ただ、お茶を飲むのに多少慎重にならざるを得ないことになってしまった。大人が普通に摂取する分には、直ちに健康被害は出ないという、おなじみの気休め付きなので、あまり取り越し苦労はしたくないが、しばらくはコーヒーの比率を増やそうかな。

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コメント

>お茶を飲むのに多少慎重にならざるを得ないことになってしまった。大人が普通に摂取する分には、直ちに健康被害は出ないという、おなじみの気休め付きなので、あまり取り越し苦労はしたくないが、しばらくはコーヒーの比率を増やそうかな。
ーーー
これは神奈川産の足柄茶に限った数値です
お茶全体の話ではありません
それに基準値を多少超えても健康被害は無いんでしょう?
さらに、tak shonaiさんは毎日、何度も、「足柄茶」を飲み、今後も数年間、続けて飲むつもりでもないでしょう

それなのに、
>お茶を飲むのに多少慎重にならざるを得ない
>しばらくはコーヒーの比率を増やそうかな。

いつも思う事ですが、
こういうのは非科学的だし、風評被害の片棒を担いでいるのでは?
こういう考え方が積もり積もって、農家を苦しめるのです
特に、ワンショットで摂取して健康被害が出るような日本の食品は、今のところ無いんじゃないですか?

私は、こういう考え方が嫌いです
私自身、風評被害に悩む地方のためにも、何でもぱくぱく食べるつもりです
本当に、今の程度なら、全く、気になりませんので
それに、余命も短いし(笑)

投稿: alex99 | 2011/05/18 01:56

難しい問題ですが、風評被害というのは、あくまでも供給側から見た概念なんじゃないかと思うことが最近多いです。
消費者の心理としては、tak さんのリアクションが普通で、マクロ的にも避けられないでしょう。
誰かのエッセイで使われていた例え話ですが、ショートケーキにハエが一匹、一瞬止まったのを見たとき、お店からすれば「1年間毎日食べてもただちに健康に影響の出るレベルではない」と思うかもしれませんが、消費者はちがうケーキを買おうとするか、ケーキを食べる気そのものが失せるでしょう。

では何をすべきかというと、とにかく疑心暗鬼を助長しないようすることで、「ジョーホーカイジ」「ジョーホーカイジ」と連呼する人が増えているのもその必要性を示唆していると思います。具体的には、市場に出てくる食品は全て厳格な安全基準値以下のものしかないという安心感を得られるような措置を徹底するしかないと思います。そのことによって市場から除外される生産者は当然出てくるなので、それは東電や政府が補償するしかないでしょう。グレーゾーンにいて出荷できない生産者にとっては悔しいでしょうし、「風評被害だ」と思うでしょうが、そこで意地を張ることが疑心暗鬼のスパイラルを生み出すわけです。安全基準の泥縄的な緩和が何故いけないかというのは、実際に生じ得る健康被害の差の問題ではなく、こういうマーケティング的な問題だと理解すればすぐ分かると思います。誰が何と言おうと疑心暗鬼が広がるだけです。グレーゾーンにいる生産者は、たまたま自分の商品を売り抜けることができるかもしれませんが、その外部不経済は甚大です。お茶に関して言えば、消費者は必ず「足柄だけなのか」と不安に感じるので、どこからなら大丈夫なのか、安全マージンを持った境界を明示する勇気が必要だと思います。
一方、微量の放射線を気にしない人や、義侠心の強い人たちとグレーゾーン産品を結びつける「やや難あり」市場というのを別に設ければ、これはこれで結構活況を呈する気がします。実際、東北地方の現地ではそうした青空市みたいなものが人気を呼んでいるようです。

ちなみに、伊豆半島の入り口くらいにある友人の別荘でガイガーカウンター(エンジニアでたまたま持っていた)を試させてもらったのですが、その家の周囲でも先週末は数週間前と比べ明らかに反応が大きくなっていました。その友人の本宅のある千葉県だと、もっとバリバリ反応するとのことでした。絶対水準としてはたいしたレベルではない(と言ってしまうぐらい私も感覚が麻痺している?)にしても、趨勢的には状況は悪化しているようです。今後消費者の不安がいっそう高まることを見越して安全マージンを大きめに取っておいた方が良さそうな気がします。

投稿: きっしー | 2011/05/18 10:04

alex さん:

>これは神奈川産の足柄茶に限った数値です
>お茶全体の話ではありません

神奈川の足柄で基準値を超えたというなら、より近い産地のお茶も疑った方がいいと思うのが自然だと思っています。

そもそも、お茶の放射線値測定をしていないところも多いようで、我が茨城県の猿島茶も、足柄での検出結果を聞いて、あわてて測定したようです。
(たまたま、基準値を超えずに済んだようですが)

>さらに、tak shonaiさんは毎日、何度も、「足柄茶」を飲み、今後も数年間、続けて飲むつもりでもないでしょう

私が日常的にがぶ飲みしている安物のお茶は、あちこちの産地の葉をブレンドしているので、わけがわからないというのが本当のところです。

さらにお茶断ちするなんて、一言も言ってませんし、多少飲み過ぎを控えても、普通の日本人より多量の茶を摂取すると思います。

投稿: tak | 2011/05/18 15:55

きっしー さん:

>では何をすべきかというと、とにかく疑心暗鬼を助長しないようすることで、「ジョーホーカイジ」「ジョーホーカイジ」と連呼する人が増えているのもその必要性を示唆していると思います。

今回の原発事故に関しては、情報を隠しすぎましたね。

それによって初期の短期的なパニックは避けられたのかもしれませんが、中長期的な疑心暗鬼がそれ以上に形成されてしまいました。

>安全基準の泥縄的な緩和が何故いけないかというのは、実際に生じ得る健康被害の差の問題ではなく、こういうマーケティング的な問題だと理解すればすぐ分かると思います。

市場における信頼感が崩れてしまっているというのが、大きな問題ですね。

健康被害に関しては、本格的な人体実験がされたことがない (チェルノブイリのケースではデータがかなり怪しいみたいだし) ので、実際のところは誰もわからないのだと思います。
(今、その人体実験がなされているのかもしれませんね)

いずれにしても、日本人がガンになる可能性は元々高いので、将来的に放射能の影響が確認されたとしても数字的には 「なんだ、その程度か」 ってなことになると思いますが。

投稿: tak | 2011/05/18 16:06

お茶の問題なんかじゃないんですが

投稿: alex99 | 2011/05/18 18:31

alex さん:

>お茶の問題なんかじゃないんですが

私はこの記事をお茶の問題として書きました。

繰り返しますが、放射性物質が新芽に濃縮されて蓄積し、その新芽が茶葉として出荷されるという、お茶の特殊性に基づいた記事です。

縦横無尽に発展させればどこまでも発展するのは当然ですが、できるだけ一つの記事は一つのテーマから離れたくないというのが、私のスタイルです。

別のテーマは別の記事として書きたいと思います。

元新聞記者のせいか、見出しと離れた内容の記事は書けない体質なんです。あしからず。

投稿: tak | 2011/05/18 19:06

そうなんですか
お茶だけの問題だったんですか
私は、放射能に対する意識と風評被害の重大問題として提起しました
意識が違いましたね
失礼しました
ただ今回、日本人は、被害者としてではなく、加害者としての立場でもあるのです
しかし、肝心の日本人があいまいな安全基準のまま怖がっていれば、外国の日本に対する風評被害を止める権利なんて、全くありませんね
日本人には、今自覚しているものよりも、もっと大きい責任があると思うのです
返事は結構です


投稿: alex99 | 2011/05/18 22:44

alex さん:

まあ、お茶の問題がテーマとはいえ、必然的に多少の広がりをもつのは当然ですので、少し付け足させていただきます。

お茶っ葉から基準値以上の放射性物質が検出されたのは、お茶っ葉という作物の特殊性が関与しているらしいということがわかったので、他の農産物に関しては、過度の心配をする必要がないということは、この記事からうかがわれると期待しています。

というわけで、私としても当然ながら、余計な風評被害は食い止めたいと思っているのであります。

投稿: tak | 2011/05/18 23:10

植物って葉から養分を吸収するものでしたか?
この手の濃縮はまだ先だと思ってました。

空気中を飛んでくる放射性物質は、黄砂や火山灰と似た拡がりをするもの。
現状は落ちて表土にあり、今後は雨で土中に染み込み、地下水等を汚染しつつ、植物に根から吸収されていくものと理解してましたが。

ということはホウレンソウなども付着してるのではなく、葉から吸収されてるということでしょうかね。

投稿: vagari | 2011/05/20 00:19

vagari さん:

>植物って葉から養分を吸収するものでしたか?

すみません。
何しろ文系なもので、詳細なメカニズムまでは確認していません。

詳しい方に教えていただきたいところです。

投稿: tak | 2011/05/20 00:46

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