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2011/05/26

「グッポン」 を巡る冒険

Cr11026a 翻訳の仕事をしておいでの くにしろ さんが、twitter 上で 「トイレのシュポシュポ」 をする道具の名称について悩んでおられた(参照)。左の写真の道具である。これ、英語では "plunger" というらしいのだが、日本語では何といえばいいのか、ほとんど知られていない。

英語の "plunger" は、よくぞ言ったものである。直訳すれば 「突っ込むヤツ」 ってな感じだろうか。なかなかよくできた実感的な言葉だ。これを英和辞書で調べたら、「(先に吸着カップのついた) 排水管用掃除用具」 という訳が見つかった (参照)。

さすがにこれでは一般名称として長すぎる。家庭でトイレが詰まったからといっても、いきなり 「配管用掃除用具、持ってきて」 なんて言っても、あまりピンとこないだろうし、何かいい名前はないものかなあと思ったのである。

そこで、「流しの排水口におく切れ目の入った丸いゴムの商品名は 『菊ゴム』 だそうです。このくらいのシンプルな名称が欲しいところですね」 と返信した (参照)。

数年前に帰省したときに実家のトイレの排水が悪くなり、「トイレのシュポシュポ」 を買おうとして地元のホームセンターに行ったのだが、何しろ商品名がわからない。それで店員に 「便所ガボガボでわしんな」 と庄内弁で聞いたら、向こうは 「えぇと、『便所ガボガボでわしんな』 ですね。ああ、こちらです」 と、とてもきれいな共通語で手際よく案内してくれた。

ちなみに 「便所ガボガボでわしんな」 を日本語に直訳すると 「便所ガボガボといわせるの」 ということになる。いずれにしても、この道具を日本語で表現するには、どうしても擬音を使いたくなるのが人情なのである。

それでしばらくすると、くにしろさん自身が以下のような tweet をしておられた (参照)。

「トイレのシュポシュポ」 の日本語名称はラバーカップまたは通水カップらしいですが、そんなの知ってる人はほとんどいない。ギュッポン、ガッポン、スッポン、ズッコン、パッコン、カッポン、キュッポンなど。擬音でしか呼ばれない物ってほかにあるかな。

自分でも 「ラバーカップ」 でググってみたら、それに該当するページが見つかった (参照)。確かに 「ラバーカップ」 「通水カップ」 と呼ばれているようだ。しかし、そんなことを知っている人は、周りを見渡しても誰もいなそうなのである。さらに大阪から @Jizi_t さんまで、次のようにコメントしてくれた (参照)。

おにいさん方の話題になってるのは、もしかしてトイレの 「グッポン」 のことかしら。仲間内ではそれで通ってるんやけど、「ラバーカップ」 とか 「通水カップ」 とかっていうのが、それの一般名称かもしれません。

おお、「グッポン」 か。これは個人的にはかなり気に入った。これから自分でも 「グッポン」 と呼ぶことにしようと思ったほどである。それで、念のために 「グッポン」 でググってみたら、意外な商品がヒットしてしまった。

ソースや油など調味料の内フタを外すための道具で、その名も 「グッポン」 という商品名のものが見つかってしまったのだ (参照)。これは困った。知らなかったら仕方がないが知ってしまった以上は、仮にも食品関連の道具を 「トイレのシュポシュポ」 を表す通称で呼んでしまっては、申し訳ないような気がするではないか。

しかし、この道具のメーカーは埼玉県春日部市の有限会社福島製作所というのだが、商品名を決定する際に 「ちょっと待ってください。大阪方面ではトイレのシュポシュポのことを 『グッポン』 というらしいですよ」 と言ってくれる人はいなかったんだろうか。

いなかったんだろうなあ。まことに恐縮ながら、残念なことである。

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