« 庭に横たわる 「マンモスの鼻」 に手をこまねいている | トップページ | 昔からの知恵には、「単にもっともらしいだけ」 というのもある »

2011/07/28

麺類を茹でるのに多量のお湯は必要なかった

昨夜珍しく、格闘技でもサッカーでもないテレビ番組を、気を入れて見てしまった。NHK の 「ためしてガッテン」 という番組である。「暑さも光熱費も激減!時短ミラクル料理革命」 というテーマだった。私は 「家事をする夫」 であり、台所に立つことが結構ある。今どきだから、「暑さも光熱費も激減!」 というのは、興味津々である。

結論から言えば、フライパンに蓋をすることで蒸気を閉じこめて過熱するのがポイントだった。水をほんの少ししか使わないので、茹でる料理を始めとして調理の光熱費が減り、しかも栄養が損なわれず、色もきれいに仕上がり、素材の味が引き立つというのだった。

なんだ、それなら 「無水鍋」 というのが昔から提案していることだ。目からウロコだったのは、別に高い金で無水鍋を買わなくても、フライパンにガラス蓋で十分にそれが可能だということである。無水鍋のメーカーには悪いけど、「それはあんたの専売特許ってわけじゃないよ」 ということのようだ。

さらに認識を新たにしたのは、麺類を茹でるのに、別に 「たっぷりのお湯」 でなくてもいいということだった。スパゲティでも蕎麦でもうどんでも、昔から麺類はできるだけたっぷりのお湯で茹でるというのが定説になっているが、よく考えるとそれは必ずしも必要条件というわけではないようなのだ。

少量のお湯で麺類をおいしく茹でるのは、ひとえに、「鍋に蓋をする」 ということによって、実現する。蓋をしないで少量のお湯で茹でようとすれば、麺類を放り込んだとたんに湯の温度が下がって、麺がだれる。

ところが蓋さえすれば、少量のお湯で済むのである。火によって供給される熱エネルギーは、お湯の量が多かろうが少なかろうが変わりない。だったら、少量のお湯をあっという間に再沸騰させて、水蒸気にしてしまい、その水蒸気の凝縮熱を料理の素材に戻すというサイクルを続ければ、蓋をしないで大量のお湯を使うよりずっと効率的だ。

今日、試しにそうめんをひたひたのお湯で茹でてみたが、何の問題もなくおいしくできた。しかも、麺を投入して再沸騰したら (水が少量なので、すぐに再沸騰する) 火を止めて、だまって 3分待てばいいのである。その間、水蒸気の凝縮熱が循環して、常に沸騰状態がキープされている。

昔から言われていることには、正しいことも多いが、現代の技術を使いさえすればナンセンスになってしまうことも多い。「麺類は多量のお湯で茹でる」 というのは、現代の技術どころではなく、単に 「蓋をする」 という簡単なノウハウで 「ごく少量で十分」 に変換されてしまうのだから、もっとちゃんと広まってもいい。

|

« 庭に横たわる 「マンモスの鼻」 に手をこまねいている | トップページ | 昔からの知恵には、「単にもっともらしいだけ」 というのもある »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

コメント

なるほど、納得です。
私、実はその方面の技術者です。
おっしゃるとおりですね。省エネにもつながるので、こんなことは拡散できればいいです。
さて、私も家庭ではシリコン製の調理器具を用いて省エネ調理にチャレンジしておるところです。器具による工程の進化で、家庭での省エネ調理技術革新が広がるのがではないかと思っています。

投稿: jersey | 2011/07/29 00:18

おっしゃることは理解できるんですが、なんか料理においては理屈よりも習慣を優先させてしまう私です(^^;

なんか大量の湯で麺が踊っていないと気持ちが悪い(※)。あと、パスタでも「蓋をして火を止める」で可能だという話を聞いて試したこともあるんですが、なんか「アツアツ感」が失われる気がして、一度きりでやめました(記事中にあるように、最終的に冷たくするそうめんなんかは、このやり方に向いていそうです)。

※ただし麺の種類によっては、湯のなかで麺が踊ると表面のざらざらが落ちてしまってソースが絡みにくくなるのでかえって良くないという話も聞きますが……。

しかしリンク先で紹介されている料理は、頭の固い私でもわりと受け入れられそうです。

そういえば、我が家で昨年から従来のやり方とがらりと調理法を変えたのが「枝豆」です。

これも「たっぷりの湯で」が定説だと思うのですが、ある雑誌に教えられて、「蒸す」ようにしました。水の量も圧倒的に少なくて済み、したがって沸騰させるまでの時間も短いので、すぐにできます。色合いも味も、茹でた場合に比べて遜色ないような……。

投稿: 山辺響 | 2011/07/29 09:54

jersey さん:

>さて、私も家庭ではシリコン製の調理器具を用いて省エネ調理にチャレンジしておるところです。

「何それ?」と思ってググって見たら、シリコン調理器具って、いろいろ出てるんですね。

知りませんでした。

世の中、変わってきてるんですねえと、じじいみたいな感慨。

投稿: tak | 2011/07/29 12:13

山辺響 さん:

>おっしゃることは理解できるんですが、なんか料理においては理屈よりも習慣を優先させてしまう私です(^^;

気持ちわかります。
そば屋でひたひたのお湯でそばを茹でてたりしたら、なんだかがっかりするでしょうね (^o^)

>しかしリンク先で紹介されている料理は、頭の固い私でもわりと受け入れられそうです。

>そういえば、我が家で昨年から従来のやり方とがらりと調理法を変えたのが「枝豆」です。

おっしゃるとおり、枝豆は 「蒸す」方が圧倒的においしいと思います。
色も鮮やかだし。

投稿: tak | 2011/07/29 12:16

ではこの夏、鍋に適量水をはってギヤマンの蓋をして、炎天下のベランダに放置したモノを、調理に使用します。


(^o^)vやったね

投稿: 乙痴庵 | 2011/07/29 18:16

乙痴庵 さん:

2時間ぐらいで、風呂には熱すぎるぐらいの温度になりますね。

ガス代が激減しそう。

投稿: tak | 2011/07/29 18:42

こんにちは!
そうでしたか~~
知りませんでした。
ありがとうございます。
これからは、少ないお湯に蓋ですね!
わかりました。


投稿: tokiko68 | 2011/08/01 12:41

tokiko68 さん:

蓋の威力はスゴイです。

投稿: tak | 2011/08/01 13:11

なるほど! 確かにそのとおり。
蓋をすれば少ない水でもゆで卵ができるので、
原理は同じですね

投稿: komiya | 2011/08/02 18:40

komiya さん:

>蓋をすれば少ない水でもゆで卵ができるので、
>原理は同じですね

そうなんです。
目からウロコでありました。

投稿: tak | 2011/08/02 20:55

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/42004/52332032

この記事へのトラックバック一覧です: 麺類を茹でるのに多量のお湯は必要なかった:

« 庭に横たわる 「マンモスの鼻」 に手をこまねいている | トップページ | 昔からの知恵には、「単にもっともらしいだけ」 というのもある »