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2011/12/13

提灯記事の無茶苦茶な論理展開

世の中でネット配信される記事の中には、読んでもわけのわからない記事というのがある。今回読んだ internet.japan.com の "回答者の92.3%が好印象、新たなインターネットの楽しみ方  「テレビのネット接続」 に関心高まる -- メディアインタラクティブ調べ" という記事も、そんな中の一つだ。

この記事は、家庭内での無線 LAN 利用が身近になったことを踏まえ、「従来はインターネットは "パソコンに繋ぐもの" だったが、デジタルテレビや据置型ゲーム機器などにもインターネット回線を接続できるようになり、インターネットの楽しみ方も大きく変わりつつある」 としている。

そんな中で、調査会社のメディアインタラクティブが 18歳未満の子どもがいる 30代、40代の男女 300名を対象に実施した 「無線 LAN に関するアンケート」 という調査の結果を紹介している。

この記事ではインターネットへの接続方法として、「これまで多数派だった有線 LAN を無線 LAN がついに上回った」 としているのだが、これがそもそも、我田引水が過ぎる。

記事中の円グラフを見てもらえば一目瞭然なのだが、調査結果は 「優先 LAN で接続して使用」 が 42.0%、以下、「無線 LAN 使用」 が 39.7%、 「有線・無線を併用」 が 17.0% となっている。

これを踏まえ、"「無線 LAN を使用」 「有線・無線を併用」 を合わせて全体の 56.7%が無線 LAN を使用" として、「有線 LAN 使用」 という解答の 42.0% を上回ったとしているようなのだ。

この足し算は正しいが、それなら一方で、有線 LAN 使用という解答にだって 「併用」 の 17.0% という数字を足して、59.0% としなければならないということを、故意かチョンボかしらないが、この記事のライターは無視している。

併用のケースを含めても、「これまで多数派だった有線 LAN を無線 LAN がついに上回った」 とは、惜しいところで言えないのである。この記事のライターは、読者がこんな不細工なトリックに引っかかるとでも思っていたのだろうか。それとも、論理の不細工さに自分で気付いていないのだろうか。

そして、テレビへのインターネット接続に関して、「とても良いと思う」 (10.0%)、「良いと思う」 (35.7%)、「まあまあ良いと思う」 (37.7%) を足して、93.0% が、「良いと思う」 と答えているとしている。この設問は、よほどのへそ曲がりでもなければ 「良いとは思わない」 とは答えづらい誘導尋問ぽいが、まあ、いいだろう。

そして、9割以上がテレビのネット接続を 「良いと思う」 と答えているにも関わらず、実際のデジタル・テレビのインターネット接続は、「回答者でデジタルテレビを所有している人 (64.7%) のうち、わずか 11.3%に留まっている」 というのである。

これも 「ちょっと待てよ」 と言いたくなる。「デジタルテレビ」 というのが 「地デジ対応テレビ」 のことだとすれば、所有者が 64.7%というのは、いくら何でも低すぎるだろう。これでは 3人に 1人が 「地デジ難民」 ではないか。これはきっと、かなり前の時点での調査だ。

さらに、他のデジタル機器のインターネット接続率も出ているが、iPod 6.7%、iPad などのタブレットパソコン 4.3%、スマートフォン 20.3%、アップルTV 0.0% というのは、どう考えてもナンセンスだ。タブレット端末所有者の 9割以上、スマホ所有者の 8割近くがネット接続していないなんて、そんな馬鹿な話があるはずないではないか。

「所有率」 と 「ネット接続率」 とがどこかでゴチャゴチャに紛れてしまっているとしか考えられない。地デジ対応テレビ所有率が 64.7% だった頃の、各デバイスの 「所有率」 としてみると、なんとなく 「そんなところかも」 という気がする。いずれにしても、市場調査結果としてはほとんど当てにならないということだ。

この記事はつまるところ、デジタル機器の所有者でもネット接続率はとても低く、それは無線 LAN 接続設定の面倒くささによるものなので、@nifty が展開している 「ホームネットワークスタートキャンペーン」 という、家庭訪問による無料の無線 LAN 接続設定サービスを利用するといいでしょうという、絵に描いたような提灯記事になっている。

宣伝としての結論に強引にもっていくために、途中経過は無茶苦茶になっているというわけなのだね。

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