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2012/03/16

吉本隆明の死で思い出したこと

このブログは 「毎日更新」 はまだ 8年とちょっとだが、「ほぼ毎日更新」 ということだと、もうすぐ 10年になるので、ほぼ一昔近くに書いた記事で、今の世の中で使い回しのきくのがたまに見つかったりすることがある。今回使い廻すのは、9年半前に書いた 「吉本さんちの 親父さんと娘」 という記事である。こんなのだ。

以前、20歳代の一応インテリと称される女性と話をしていて、ひょんなことから、彼女は吉本隆明を知らないということがわかった。

「吉本ばはな の親父なんだけど」 と言うと、「それなら、聞いたことがある」 という。ちょっとずっこけた。

昭和20年代生まれとしては、あくまでも、「吉本ばなな は吉本隆明の娘」 という位置づけなのだが、彼女の世代にとっては、「ばなな の父親は、何だか難しいことを書く人らしい」 という程度の認識のようだ。

そこに現れた昭和 10年代生まれのオジサン (彼も、一応インテリと呼ばれている) に、「ねえねえ、聞いてくださいよ。彼女は吉本隆明を、ばななの親父としてしか知らないみたいなんですよ」 と言ったら、かのオジサンはきょとんとして、「ばななって何だ? 人の名前か?」 とのたもうた。

こちらは、またまたずっこけてしまった。二重のジェネレーションギャップである。

「隆明」 と 「ばなな」 の二人の著作をちゃんと読んだことのある人間というのは、実はずいぶん少ないのだということを、最近になってしみじみと知った。、両方リアルタイムで、同時代に生きる人間として感じることができる人間というのは、結構希少価値なのかも知れない。

それにしても、文学趣味の人間の常識というのは、しばしば世間では通用しないことがあるので、気を付けなければならない。

この時、吉本隆明を知らなかった 20代の女性も今は、とっくに 40歳を過ぎているはずだ。そして昭和 10年代生まれのおじさんは、ちゃんと生きていれば傘寿に近づいているだろう。まことにも、年月は人の思いに関わらずさっさと流れていくものなのである。今我々は、吉本隆明を知らなくても全然困らないし、軽く見られたりもしない時代に生きている。

今朝、吉本隆明が死んだというニュースを聞いて、妻と一緒に 「もう結構な年だったんだもんねぇ」 と話していたら、次女が二階から降りてきて、「それ誰?」 と聞く。「ばなな の親父」 というと、ちゃんと通じた。

よかった。ばなな も知らなかったら、どうしようかと思った。

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コメント

まぁそんなふうに書いているtakさんも、吉本ばななの娘の吉本みるくが子役で民放のドラマにデビューしていることは知らないんだろうなぁ……。


(嘘です)

投稿: 山辺響 | 2012/03/16 15:47

山辺響 さん:

あぁ、びっくりした。

そういうのは、半月早いですよ ^^;)

投稿: tak | 2012/03/16 22:06

山辺さん、

思い出させてくださいますね。
忙しかったので忘れていましたよ。
私のおはこ取らないでください。smile

もう少しで引っかかるところだった!
アブナイアブナイ!

投稿: Keicoco | 2012/03/19 15:45

>「ばなな の親父」 というと、ちゃんと通じた。

恥ずかしながら、私もこの手合いです。
ニュースで知りました。

投稿: tokiko68 | 2012/05/01 15:26

tokiko68 さん:

朱鷺子さんの騙されやすさは、立派な才能です。芸術的です。

ですから、ばななのおやじで通じれば十分以上であります。

投稿: tak | 2012/05/02 13:13

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