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2012/04/09

未来のお部屋の、空気のようなコンピュータ

音声でモノが動く "未来" の部屋」 という IT pro の記事が気になって読んでみた。私みたいな不精者にはうらやましいほどの、本当に未来的な部屋だ。夜中に目が覚めて部屋が真っ暗でも、「コンピュータ、電気つけて」 と言えば照明が灯り、寒かったら 「コンピュータ、エアコンつけて」 と言えば暖房が入るのだという。

これは 「お前の血は何色だ!! 4」 というブログを運営しておられる rti さんという方のお部屋で、詳細はご自身のブログの 「引越ししたので未来なお部屋を作ってみた」 という記事に載っている。

照明とエアコン以外にも、窓一面に吊した 100インチ・スクリーンに PC画面を映し出すプロジェクター、ベッドで寝ながら眺められる液晶ディスプレイ、こたつ、電気毛布などが、音声でコントロールできる。このシステムをすべて自作したというのだから、なかなかのものである。

何しろベッド上から何でも制御できるので、IT pro の記事では 「快適すぎて、rti氏は、床ずれを起こしたこともあるそうだ」 となっている。もっとも、当人のブログでは 「ひたすら寝たきりの生活になって腰痛を患ってしまう」 と記載されているのみで、「床ずれ」 とは書かれていない。本当に床ずれになったら大変なことなので、多分腰痛程度なのだろう。

こうした生活をしている人がいるということを知ると、世の中には反発を感じる人もいると思う。体がなまり、頭までボケてしまうと心配する人もいるだろう。だが、体がなまるのは確かだろうが、頭がボケるかどうかというのは、よくわからない。rti さんの生活が、絶好の臨床データになるだろう。

例えば、部屋が暗い時に照明のスイッチを入れるために体を動かすのと、「コンピュータ、電気つけて」 と発声するのとでは、どちらが脳を使うのだろう。もしかしたら、単にスイッチを入れるという習慣的動作をするよりも、「コンピュータ、電気つけて」 と言葉を発することの方が、脳を刺激しているかもしれない。

ということは、音声コントロールをする方が、むしろボケ防止になるかもしれない。とくに単なるスイッチを入れたり切ったりする以上の、ちょっと込み入った操作をしたい時にわざわざ言語化して声に出すというのは、流行りの 「脳トレ」 にすらなるかもしれず、「リモコン操作の方がずっと楽だ」 なんて言い出す人もいるだろう。

いや、待てよ、言葉を発すること自体があっという間に習慣化してしまって、何も考えずに条件反射的に言うようになったら、あまり頭を使うこともなくなってしまうかもしれない。その辺のことは、いろいろな機器操作のレベルにもよるだろうし、よくわからない。

あるいは 「コンピュータ、よろしく!」 とかいうだけで、コンピュータの方が勝手に状況を察してサービスしてくれるようになったりしたら、確かに頭はボケボケになるだろう。しかしコンピュータの判断が間違いまくりだったりしたら、そのフラストレーションで脳は最大限に活性化されたりするかもしれないし。

rti さんはブログ記事のまとめとして、次のように書いておられる。

特に音声認識のおかげでリモコンの存在を忘れられるようになったのが嬉しい。

現在、SFにでてくるような、管理コンピュータシステムの開発を行なっていって、コンピュータを意識しないコンピュータシステムみたいな、そこにいるのが当たり前で生活に溶け込んだ、空気のようなコンピュータを目指していきたいと思う。

「空気のようなコンピュータ」 というのは、なかなかおもしろいコンセプトだ。しかし、その空気がどんなような空気なのかということも、考えなければならない問題だと思う。気圧が高すぎるのは、私としてはご免被りたい。

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コメント

ということは、たとえば読書も、紙の書籍から電子書籍の短い時代を経て、「空気のようなコンピューター」が実現したら、「空気を読む」……失礼しました。

投稿: 山辺響 | 2012/04/09 14:52

山辺響 さん:

そう来たか ^^;)

投稿: tak | 2012/04/09 16:12

私みたいなのがそういう部屋に住むと…
「コンピュータ、アレたのむよ、アレ!」
「気が利かねえやつだな、お前!」
「空気読めよっ!」

で、こういうやり取りが増え、コンピュータの心的ストレスが問題になった結果が「2001年宇宙の旅」のHAL9000?

もう2001年って10年以上前ですが…

投稿: きっしー | 2012/04/09 16:20

きっしー さん:

そうか、Siri がウィットで返すというコンセプトを重視しているようにみえるのは、HAL9000 問題を回避するためだったのか (^o^)

それにしても、高度成長期からみる 21世紀って、ものすごい未来だったんですね。

投稿: tak | 2012/04/09 17:32

こんばんは~
こういうかたがいらっしゃるなんてすばらしい!
ほんとうですか?
つくり話なんでしょう?

ていうか
あのね、
皆さまはお若いから何も感じておられないでしょうが
私としては、
人間は弱ると声を出すのがつらいということを体験してるのよ。
ですから寝てると何かきかれても、
首でうんというしぐさをするほうが出来やすいのよ。
声を出すのは、たとえ《うん》という言葉だけでも
出しにくいのよ。
指を動かすほうが楽なのよ。
70才にならないとわからないことね。これって・・・涙

投稿: tokiko | 2012/06/25 19:14

tokiko さん:

声を出す方が辛いというのは、よくわかります。

東日本大震災の時、津波をかぶって全身が濡れてしまい、避難が遅れて押入の上段で震えていたという人が、水が引いてから消防団に人に「誰かいませんか~?」 と声をかけられても、「いるよ~、助けてくれ」 と返事をすることができず、やっとの思いで這い出たそうです。

声は出なかったけれど、這い出ることはできたというんですね。この人は、20代の若い人です。

投稿: tak | 2012/06/27 05:15

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