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2012/05/08

フィリップ・トルシエは蕎麦好きなんだって

元サッカー日本代表の監督、フィリップ・トルシエという男は、なんとなく付き合いたくないタイプの男だなあと私はそれとなく思っていた。それでなくても、パリの人間はやたらと理屈っぽくて、「俺はそうは思わない」 というだけのために、愚にも付かない議論をふっかけてくるようなところがあるし。

しかし昨夜、彼に対する私の印象が変わった。もしかしたら、付き合っておもしろい男かもしれない。まあ、お近づきになれる可能性は小さいし、それにその付き合い方にしても、やっぱり難しいところはあるかもしれないが。

彼に関する印象が変わったのは、虎ノ門の砂場という蕎麦屋で無料配布している 『新そば』 という季刊の PR 誌 (142号) に、「蕎麦と異文化と私」 というフィリップ・トルシエのエッセイが載っているのを発見したからだ。

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彼が初めて蕎麦を食した時の印象は、「何とも不思議なパスタ」 で、まるで異文化そのものの味だったとある。ところが、彼はそれに続けて、次のように書いている。

けれども、くり返し蕎麦をいただく機会を得るうち、少しずつ蕎麦になじみ、その美味しさがわかるようになった。今では、すっかりその魅力にとりつかれてしまい、日本食で何が好きかと聞かれれば、真っ先に 「蕎麦」 と答えてしまう。

へぇ、意外である。彼は文化に関する間口の広い男のようだ。だって、最初は 「異文化そのもの」 で馴染めなかった蕎麦という摩訶不思議な食べ物を食う機会を、あえて遠ざけなかったんだから。すすめられる度、嫌がらずに、とりあえず食ったんだから。

しかしそれもそのはず、彼は若いうちにサッカー指導者となって、アフリカに渡り、それから 20年以上、多くの国で多様な文化の中で生きてきた。その中で、それぞれの国の文化を受け入れる度量は獲得したもののようだ。

彼はこのエッセイの中で、沖縄の 「美濃作」 という蕎麦屋の 「月桃蕎麦」 というメニューを紹介している。これは南国の植物、月桃 (げっとう) の葉を打ち込んだものだそうで、緑色をしていて、「のど越しも良く、実に美味しい」 とある。そんなことを知ってしまったら、私も次に沖縄に行くことがあったら、食べずにはいられないではないか。

文化の多様性を積極的に楽しむ姿勢をもった男は、注目しておきたい。というわけで、これからはフィリップ・トルシエという男に対するアンテナの向きを少し調整しておこうと思う。

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コメント

こんばんは~
tak-shonaiさんこの記事すてき。
脂ぎった、バターの味の国のかたが、
そうおっしゃってるなんて、
ちょっと意外です。
蕎麦のおいしさの解る人こそ
粋な人ですね!
うれしいです。

投稿: tokiko | 2012/05/08 17:40

tokiko さん:

ちょっと意外だったでしょ。
案外いいやつなのかも。

投稿: tak | 2012/05/08 22:23

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