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2012/07/22

米国の干ばつの、個人的な影響を考える

米国の記録的干ばつで、トウモロコシと大豆の作柄に深刻な影響が出そうだ。日本では平成 5年 (1993年) の冷夏で 「米騒動」 が起きたが、米国は世界の穀倉地帯で多くの国に輸出しているだけに、今回の干ばつはより複雑な影響が出そうだ。

日本の米騒動と違うのは、米はかなり多くがそのままの形で最終消費者の元に流通するが、トウモロコシや大豆は、ほとんどが加工され、姿を変えた形で流通するということだ。トウモロコシはいろいろな食品の原料として使われるが、実は食肉に姿を変えて流通する比率が最も大きい。

統計によれば、世界で収穫されるトウモロコシの 64%が家畜の飼料となり、米国と日本では、その比率が 74%まで跳ね上がる。つまり、トウモロコシの収穫が減るということは、ポップコーンが高くなるということ以上に、肉が高くなるということである。

さらにいえば、トウモロコシの値上がりの影響は、食肉になることでより拡大するだろう。というのは、有名な話だが、牛肉 1kg を生産するのに、穀物は 11kg 必要なのである。11kg のすべてがトウモロコシというわけではないが、多くを占めることは疑いがない。

仮に 11kg のうち半分近くをトウモロコシが締めるにしても、牛肉 1kg の値段には、トウモロコシ 5kg 分の値上がりが圧縮されて影響するわけだ。ちなみに、豚肉 1kg には、7kg 、鶏肉 1kg には 4kg の穀物が必要とされている。

そうでなくても、地球の人口は今でも爆発的に増加中であり、増え続ける人間を養うには食料が必要だ。多くの人間を飢えさせたままで、取れた穀物の半分以上を家畜の飼料にし、例えば 11kg の穀物を 1kg の牛肉に圧縮して、主として先進国の人間の腹に入れてしまうというのは、倫理的な問題も生じるだろう。

とはいえ、私のように肉をあまり食べないものにとっては、トウモロコシの収穫減は個人的にはさほど大きな影響とはならない。要するに、トウモロコシの減産の影響からできるだけ逃れるには、みんなで肉を食う量を減らすのが一番なのである。「肉食系」 であることを誇る類の人にとっては、難しいことかもしれないが。

一方、大豆の収穫減は、多くの日本人に大きな影響を与える。「日本人は米と大豆と海草で生きている」 といわれるほど、日本の食生活における大豆の比率は高いのに、その自給率は 5%を切るといわれ、悲しくなるほど低い。

ということは、大豆の収穫減は、味噌、醤油、納豆の値上がりに直結する。これらがないと暮らせない私のような人間にとっては、トウモロコシの収穫減なんてこととは、比較にならないほど大きな打撃となる。

そうでなくても米国のことだから、相場的には日本の米騒動以上の大変な混乱が生じるだろう。市場というのは、品物が不足すればするほど各段階で隠したがって、最終市場ではものすごい品不足となる。そのうち、隠していることによる負担に耐えきれなくなって、どっと品物が出てくることになっているのだが、一時的には相当な値上がりが予想される。

毎日 2パックは食べている納豆を、今年後半からは 1パックに減らさなければならないかもしれない。

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