ちょっとした仮眠はいいが、寝過ぎるとダメ
車の運転をしていて眠くてたまらなくなるのは、多くの人が経験しているだろう。私は 20年近く前、夜中に東名高速を走っていて、左側の車線にいたはずなのに、ふと気付くと右側の追い越し車線にいたということがある。ほんの数秒間 (あるいは 10数秒間?) 眠ってしまったのだ。そのまま眠り続けていたら、中央分離帯に激突するところだった。
ぞっとして次のパーキングに入り、そのまま眠ってしまった。その時は 2月初旬だったので、車に積み込んでいた寝袋を広げ、シートをフルリクライニングにして、朝までぐっすり眠った。目を覚ましたら大雪になっていて、びっくりした憶えがある。
一晩ぐっすりと眠らなくても、普通は 大体 20分ぐらいの仮眠をとると、眠気がとれてすっきりすると言われている。長くても 30分だ。それ以上眠ってしまうと、本格的睡眠モードに入ってしまって、起きられなくなってしまう。
今年の 5月に、車で仙台から盛岡、宮古まで、東北方面に三泊四日の出張をした時、最終日の昼過ぎに盛岡から東北道に乗って帰路につき、宮城県に入った辺りでさすがに疲れが出て、眠くてたまらなくなった。
20年前の記憶がよみがえり、早々にパーキングエリアに入って仮眠をとらないと命が危ないと思うのだが、そのパーキングエリアに行くまでの間にも眠りそうになる。目を閉じてはいけないと思っていると、一瞬、目を開いたまま白目になっている。これはヤバイ。かなりヤバイ。
ようやくパーキングエリアに入り、シートを倒して仮眠を取った。この時は夜中というわけでもなかったので、30分泥のように眠って目が覚め、あとはすっきりとして、余裕で帰ってくることができた。やはり 20~30分の仮眠の効果は素晴らしい。
電車で眠ってしまうこともよくある。上野駅から私の利用する取手駅まで、常磐線快速電車で 42分ぐらいかかる。上野駅で始発電車に乗ったとたんに眠ってしまい、取手駅に着いてしばらく経ち、車内ががらんとしてしまった頃に目が覚めてしまったりすると、かれこれ 1時間近く眠ってしまったことになる。
するともう、目が覚めてからも眠くてたまらない。なかなかすっきりしないのである。よろよろと歩いて、取手駅近くの駐車場に停めてある車に辿り着き、ハンドルを握る頃になって、ようやくまともに目が覚めた気分になる。眠りすぎるのは逆効果なのだ。
Wired に 「30分の昼寝は効果的だ!?」 という記事がある。この記事によると、数分の深い眠りによる小休止 (米国では 「マイクロスリープ」 とか 「パワーナップ」 とか言うらしい) は、仕事にも効果的だということがわかったというのだ。短い眠りの間は、右脳が活発に働くらしいのである。
こうした短い眠りの間に、人間の脳内では、覚醒時において接する事柄についての記憶や概念を、かなり創造的なレベルでまとめる仕事が行われているようなのだ。それで目が覚めたとたんに、いいアイデアが浮かぶなんてこともある。右脳様々である。
しかし、ヴェネツィアのドーロ市立病院睡眠医学学際センターの神経科学専門家、メネガッツォ博士は、「この休憩は、回復のために深い眠りに落ちることがあるにしても、最大で 20〜30分にとどめるべきです。そうでないと、集中と学習を助けるどころか、結果的に寝ぼけてしまう危険があります」 と警告している。
なるほど、やっぱり 30分以上眠ってしまうと、寝ぼけてしまうのだ。薄々勘付いていた通りである。
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コメント
常磐線では私もよく眠ったものです。
電車だと何故か目的の駅に着く前ぐらいに目が覚めるのですが、
布団や机だとちょっと眠ることができずに熟睡してしまいます。
困ったものです。
投稿: hiroyuki | 2012/11/09 20:51
hiroyuki さん:
私は電車でも爆睡することがあります。
その昔、ベイエリアの「ゆりかもめ」 が新橋~有明間の往復運転だった時、眠ったまま 1往復半してしまったことがあります ^^;)
投稿: tak | 2012/11/09 21:06