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2012/12/21

ベストな選挙システムなんてないのだね

3日前の 「小選挙区制が日本の現状に合わないわけが見えてきた」 という記事についたコメントの中に、大選挙区あるいは中選挙区にして、有権者は定数分の候補者に投票できるようにすればいいというご意見が複数みられた。例えば定数 2 の選挙区では 2人の候補者に投票し、3人、4人の選挙区では、それぞれ 3人、4人に投票できるというシステムだ。

私としてはそれを真っ向から否定するつもりはない。確かに、これなら小選挙区制でありがちな極端な結果が生じるのを防げるし、同一党派内の派閥で無駄な争いをすることもなくなる。しかしこのシステムにしても、根本的な問題がある。

それは、定員 2 の選挙区では 1人の有権者が 2票しか投じることができないのに、定員 3 の選挙区では 3票を投じることができるということだ。さらに、定員 4名、5名の選挙区では、それぞれ 4票、5票を投じることができる。これでは、「1票の重み」 ならぬ 「有権者 1人の重み」 が大問題となる。

それを防ぐために選挙区をきっちりと調整して、どの選挙区も例えば 「定員 3」 にしてしまうということも不可能ではないだろう。しかしその選挙区で、ある人は 1人にしか投票せず、ある人は 2人、3人に投票するということも、当然出てくる。

そうなると同じ選挙区内で結果としての不公平が生じる。権利をフルに活用して不公平を抑えるために、「別に支持しているわけでもない候補者にまで 1票を投じる」 なんてことも出てくる。これはかなり問題だ。「よりましな候補者」 だけでなく、「だめさ加減がより目立たない候補者」 にまで投票することもあり得るからだ

つまり、これですべて OK という、「ベストな選挙システム」 なんてないのだ。我々は状況に応じてちょっとでもベターなシステムを模索しながら、遅々たる歩みを続けていくしかないのである。

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コメント

>定員 4名、5名の選挙区では、それぞれ 4票、5票を投じることができる。これでは、「1票の重み」 ならぬ 「有権者 1人の重み」 が大問題となる。

この場合は、一人1/4票、1/5票を4人、5人に投票できると考えるべきです。
つまり、この場合でも一人一票です。
「有権者 1人の重み」は有権者数/定員で決まります。
他区との重みの比較という点では、現行と変わりませんよ。

投稿: McC | 2012/12/21 22:59

>、「別に支持しているわけでもない候補者にまで 1票を投じる」 なんてことも出てくる。

定員5なら5人の名前を書くばかりではなく、
同じ候補者名を5つ書いても良い、というルールもあります。
これで、ミニ政党も議席獲得の可能性がでてくる。

投稿: McC | 2012/12/21 23:22

McC さん:

なるほど、そういうことですか。

ただ、同じ 1票なら、5分割できる方が 3分割より使いでがありそうで、まったく公平というわけではなさそうな気もします。

さらに、自分の選挙区に自分の支持する政党からの立候補がない場合、比例区で埋め合わせることができますが、衆院では比例区なしとすると、それが不可能になりますね。

投稿: tak | 2012/12/21 23:47

 McCさん
 それでは開票作業に非常に問題があり現実的ではありません。
  takさん
 3票のうち1票しか投じないのであれば、それは現在の棄権や白票と同じであり、よりましな選挙制度を選択するという見地からは許容範囲ではないでしょうか。
 又、この制度はどちらかというと、当したい人を選ぶというより、当したくない人を拒否する制度ですから、3票のうち1票しか投じないのもあり、というように思います。

投稿: basara10 | 2012/12/24 02:57

basara10 さん:

>McCさん
>それでは開票作業に非常に問題があり現実的ではありません。

4人区では開票作業に 4倍時間がかかるということもないでしょうが、確かにいろいろ大変でしょうね。

>takさん
>3票のうち1票しか投じないのであれば、それは現在の棄権や白票と同じであり、よりましな選挙制度を選択するという見地からは許容範囲ではないでしょうか。

私としては、白票を投じるのはナンセンスな行為だと思っています。
見せかけの投票率だけが上がって、選挙結果に何の影響も与えないので、抗議の意味すら達成されません。
「無条件信任」と同じことになってしまいます。


投稿: tak | 2012/12/24 21:27

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