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2013/03/30

POS レジは敵と気付いた

時々スーパーに買い物に行くといつも思ってしまう。「この店内の陳列棚の少なくとも 6割以上には、全然興味ない品物が並んでる。こんなもの、一体誰が買うんだろう?」

あの変てこなスナック菓子、訳の分からないレトルト食品、着色料たっぷりのハム、多種多様のカップ麺、ちっとも清涼な気がしない清涼飲料水、怪しい名前の調味料、趣味の悪いパン、合成洗剤、クエン酸さえあれば必要のない各種 「住まいの洗剤」 等々……。あるだけ邪魔とさえ思えるものばかりだ。

ここ何十年もずっと同じことを思い続けてきたが、最近になって忽然と疑問が晴れた。当たり前のことに気付いたのである。「そうか、何のことはない。売れるから陳列されてるんだ。これらの商品は、信じられないことに、売れてるんだ!」

恥ずかしながらずっとビジネス社会に関わってきて、気の利いた小売店は POS レジで売れ筋を綿密に分析し、最も効率的な売り場構成を考えた上で商品を陳列していると、常識として知っているのである。しかし自分がスーパーに買い物に行くと、そうした知識がどこかにすっ飛んで、単なるプリミティブなおっさんに変身していたのだ。ここ何十年も。

よく考えれば、いや別によく考えなんかしなくてもごく常識的に考えれば、スーパーで売られているものは、大抵はちゃんとした 「売れ筋」 なのである。私と我が家が、たまたまそれらの売れ筋にちっとも興味がないだけだったのだ。

これって何かに似ている。そうだ。ベスト・セラーと雑誌とコミックスしか置いていない街の本屋と同じだ。ヒット・チャートに登場するような CD しか置いていない街の CD 屋と同じだ。どうやら巷では売れているらしいけど、私は買う気がしない商品ばかりである。

こうしてみると消費者は、「フツーの店でフツーの買い物して、フツーのサービスを受けたかったら、ゴチャゴチャ言わずに、みんなと同じものを買いな」 と強要されているわけだ。「お前たちの欲しいものなんて、全部 POS レジで把握済みなんだから」 という誤解のもとに。

どんなふうに誤解なのかは、そういえば、8年も前にちょっと書いていたのを思い出した。「欲しい商品が買えないパラドックス」 という記事だ。

そうか、POS レジって、いずれにしても、あれは私の敵なのだな。小売店があんなものに頼ってマーケティングしているうちに市場はどんどん同質化して、マイナーだけどこだわりがあるというタイプの消費者は、街で買い物できなくなってしまう。

なるほど、ロング・テールのネット販売が成長するわけだ。

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マーケティング・仕事」カテゴリの記事

コメント

レトルトカレーは意外と奥が深いのです
(´・ω・`)

投稿: ひろゆき | 2013/03/31 00:13

ひろゆき さん:

う~ん、ごめんなさい。
レトルトカレーって、ここ10年以上、食べたことがありません ^^;)

投稿: tak | 2013/03/31 14:16

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