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2013/06/23

「アレルギー」 の語源について、一石を投じる

今月 19日の "「アレルギー」 の語源と、世間が本当にググらないことについて" という記事で、「ギリシャ語の "allos" (奇妙な) と "ergon" (反応) という 2つの単語を組み合わせて、ドイツ語風にアレンジした造語」 と書いたが、これについてはちょっと怪しいということがわかったので、改めてこちらに書いておく。

当該記事にも 【6月 23日 追記】 として触れておいたが、Clark さんの次のようなコメントで、私は自分の甘さを反省した。

allos はプレーンに 「他の(other)」 を意味する語なので、「正しいもの」 と対置して 「変わった」 となる場合もありますが、一語で 「奇妙な」 と訳すのは少々怪しい気がします。

この指摘で、私はギリシャ語がさっぱりわからないくせに、ネット上の 「奇妙な反応」 とした説を鵜呑みにしたことをとても恥ずかしく思ったのである。

で、改めて Greek/English オンライン辞書などで調べてみたところ、"allos" に対応する英語は "other" あるいは "another" であると信じていいようだと思われた (参照サイトは、こちら)。つまり「もうひとつの」 とか 「別の」 とかいう意味である。

ただ、"ergon" というギリシャ語に関してはついに調べがつかなかった。しかし英英辞書で "ergo" を調べると "therefore or consequently" で、おおよそ因果関係のあるところにおいて 「それ故に」 という意味で使われるというところから、古いギリシャ語の "reaction" (反応) という意味の言葉が語源だったのだろうと推測できる。

つまり 「アレルギー」 という言葉は、「(正常な反応とは別の)、もうひとつの反応」 ぐらいに考えるのが無難なところという気がするのである。それを突き詰めれば 「奇妙な反応」 と解釈することもできるかもしれないが、確かにちょっと意訳しすぎという気がする。元々は 「過敏な生体反応」 を指す言葉として作られたのだから。

というわけで、日本語のネット上では 「奇妙な反応」 説が優勢だが、ここに一石を投じておくことにする。

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言葉」カテゴリの記事

コメント

俺は蕎麦アレルギーなのです。
なんとか治す方法があったらなあ。
(´・ω・`)

投稿: ひろゆき | 2013/06/24 20:20

知人が白血病で造血幹細胞移植を受けたんですが、そうすると免疫系が入れ替わってアレルギーも移植前とは変わってくるような話を聞いた覚えがあるけど、それはアレルギーを治すのとは違うからなぁ……(汗)

投稿: 山辺響 | 2013/06/25 11:06

ひろゆき さん:

蕎麦好きの私の感覚からすると、蕎麦アレルギーは本当に気の毒です。

杉花粉アレルギーなんて、まだまだ生やさしいですね。

投稿: tak | 2013/06/25 12:12

山辺響 さん:

そんなことがあるんですか。

前よりひどいアレルギーになったりしたら、悲惨ですね。

投稿: tak | 2013/06/25 12:13

takさん、はじめまして、こんにちは。hokkaidenseと言います。
10年ほど拝見してます。2004年秋から2005年春にかけては
スペイン国からアクセスしてました。

それはさておき、語源の話が気になったので、投稿してみました。
指摘いたしたい点が何点かありますが、
まずは、ラテン語のergo(それゆえ)とギリシア語のergon(仕事、効果)を結び付けてはいけません。
これは全く別の語です。
デカルトが「我思う、ゆえに我あり」と言いましたが、
これはラテン語で、Cogito, ergo sum.でした。
ergoはラテン語の接続詞です。

で、allergyですが、寺澤芳雄(編)『英語語源辞典』研究社に
よりますと、ドイツ語のAllergieは、「1906年にオーストリアの小児科医Clemens von PirquetがNL allergia strange actionにならって造語したもの」とあります。NLとはNeo Latinを指します。
で、これを分解すると、確かにallosとergonになるのですが、
-ergyという接尾辞をこの辞典で引きますと、
「仕事、効果の意の名詞連結形」とあります。また、
元はergonですが、接尾辞としては-ergeia、-ergiaという形態
だったと語源の欄にあります。
よく考えますと、エネルギーのことを「エネルゲイア」と言いますよね。
したがって、「別の効果、作用」といったところから生まれた語ではないでしょうか。
先にラテン語があり、それをドイツ語訳したようですね。

投稿: hokkaidense | 2013/06/28 01:05

hokkaidense さん:

>まずは、ラテン語のergo(それゆえ)とギリシア語のergon(仕事、効果)を結び付けてはいけません。
>これは全く別の語です。

そうでしたか。
ご指摘ありがとうございます。
この辺り、私、疎いにもほどがありますね ^^;)

>したがって、「別の効果、作用」といったところから生まれた語ではないでしょうか。
>先にラテン語があり、それをドイツ語訳したようですね。

おお、何とラテン語なんですか。
道理でギリシャ語で調べてもおかしな感じでした。

ありがとうございました。

投稿: tak | 2013/06/29 23:39

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